「息苦しい時代、生き苦しい時代」スパイの妻 劇場版 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
息苦しい時代、生き苦しい時代
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NHK-BS8Kで放送されたドラマ『スパイの妻』をスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版として公開したものだそうだが、8Kを観れない僕はドラマのほうは未見。
いやぁ~、すごい映画だった。これが歴史もの初挑戦という黒沢監督、結構すごいところまで踏み込んだな。ある意味タイムリーだったというか、これは必見。まさか731部隊のネタを取り上げるとは。日本映画では初めてなんじゃないだろうか? 公式サイトやパンフのストーリーでもおそらくはあえて全然触れてなかったんで、予想外の驚きでした。ストーリー展開も、特にラストは「やられた!」という感じで面白かった。
そして役者陣も素晴らしい。主演の蒼井優も夫役の高橋一生も本当に演技が上手いが、それ以上に憲兵隊長を演じる東出昌大がもう最高。まさにハマり役という好演で、『寄生獣』の時といい、悪役がハマる俳優なのかもしれない。まあ、この人もこのちょっと前にいろいろあったが、おそらくはそれ以前に撮影された映画に出まくり状態になっていた。黒沢監督の『散歩する侵略者』にも出てた若手女優の恒松祐里も脇役でまた出てて一服の清涼剤。ま、とにかくこれはおすすめ。傑作です。
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