「サスペンスの中のラブ・ストーリー」名も無き世界のエンドロール bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンスの中のラブ・ストーリー
内容を全く知らないで、真剣佑と岩ちゃんがW主演ということで鑑賞したが、なかなか上質なサスペンスに仕上がっていて期待以上だった。また、サスペンスとしての面白さだけでなく、その根底に流れているのは、一途な愛なのだろう。
これから鑑賞する人は、内容を知らないで観た方が、真相に迫る展開や、最後のドンデン返しも楽しめると思う。ある程度の所で、先が見えてくるのも確かだか、前半からそこまでの過程を、現在と過去のシーンを織り交ぜながら、丁寧に描いているため、感情移入もし易く描かれている。
真剣佑と岩ちゃんも、汚れ役の新たなキャラクターに挑戦し、暗い幼少期の過去を引きずる青年を上手に演じてた。
それ以上に、素晴らしかったのが中村アン。先日まで『危険なビーナス』で演じていた、賢く、健気な役から正反対の、わがままで嫌悪感を全面に出した金持ち娘のドスの効いた迫力ある演技を見せてくれた。
細かな設定や生活の様子などは、雑な部分もあったが、そこは、3人の演技でカバーできた。また、柄本明もいつものように、いい味を出していた。
エンドロールの後も、その後の展開の続きを匂わせる、ワンカットがあるので、最後まで席を立たないようにして欲しい。
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