「邦画特有のキャッチコピー」名も無き世界のエンドロール す。さんの映画レビュー(感想・評価)
邦画特有のキャッチコピー
伏線が多数散りばめられていたので、ストーリーが進むにつれて『あ、あそこのシーンのあれはこういう…』というのを考えながら見れました。もう一度見てみると新たな発見があるのかもしれません。
キダがマコトに抱く感情など、深いところを考えると映画だけでは理解できない部分もあったので原作を読んでみたいです。
主演はキダ演じる岩田剛典さんですが、最後まで見た印象として真の主演はヨッチを演じた山田杏奈さんだったなぁと感じました。
唇を震わせて言葉を振り絞っていたシーンがすごく印象的で、この映画を見るまで存じ上げなかったのですがとても表現の幅が広い女優さんです。
タイトルの通りキャッチコピーについてなのですが、どうして邦画は宣伝文句に【最後の5分で覆る】とか【あなたは騙される】とかある種のネタバレを入れたがるんでしょうか?この名も無き世界のエンドロールも【ラスト20分の真実】とキャッチコピーがついていました。その事により、あぁ最後に何かあるのだなと思いながら見てしまうので序盤から展開が読めてしまうのです。勿体ない。役者が魂削って演技をしてもポスターでバレてしまう…どの映画でももしかしたらもっと驚くような、もっとワクワクしたりドキドキしたりする事が出来るかもしれないのに、映画の世界を狭めてしまう。
岩田さんが『キャッチコピーは忘れて見てほしい』というニュアンスの事をご自身のインスタや舞台挨拶などでも言ってました。それはこういうことなのでは?と…。
ラスト20分も大事ですが、キダとマコトとヨッチの世界は最初から始まってますから…ストーリーの最初からもう一度丁寧に見てみたいと思います。