「何を盾にして正しさを決めているのか、差別が終わらない深みに心が痛む」SKIN 短編 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
何を盾にして正しさを決めているのか、差別が終わらない深みに心が痛む
20分でこの緊張感、容赦ない感じ…それでも「伝記」と分類されていることが全てを物語っている気がする。
黒人差別とそれをする白人、ひょんなことから始まる地獄の堂々巡り。そこにただフィクションの色はなく、淡々と綴られていく。そう見えながらも、実は伏線を巡らせているから凄い。用意周到であり、妥協がない。
とは言え、日本にいると呑気に生きていても経験することのない世界。軽いジョークのような感覚で差別できる感覚が分からない。だが、何百年も敷かれていた構図は意識を変えない限りこのままなのだろうと思う。植え付けられたものとして存在している以上、完全に差別が無くなるとしたらどれだけ時間がかかるか…途方に暮れる。
これの長編もあるのか…。ちょっと耐えられる気がしない。というか、目を覆いたくなる様な事を受け止められる自信はない。世界のどこかで起きていること、今考えられるのはそれだけ。悲劇を目の前にしない限り、どう向き合えばいいのか分からなくなっている。
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