「長編版にある救いをかなぐり捨てて凄惨な印象を刻む力強い短編」SKIN 短編 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
長編版にある救いをかなぐり捨てて凄惨な印象を刻む力強い短編
長編版に先駆けて出資金製作された短編で、劇場公開時に長編と併映された上映もありましたが残念ながら近所ではやっていなかったので、公式サイトでの期間限定公開で鑑賞しました。
ネオナチの男ジェフリーは妻クリスティと幼い息子トロイと共に湖畔で休日を過ごした後立ち寄ったスーパーでトロイに話しかけてきた黒人男性ジェイディ因縁をつけ、家族の目の前で仲間達とジェイディに暴行を加えてしまう。後日突然現れたジェフリーとトロイの前に一台のバンが現れ、何者かに拉致されたジェフリーは今までの言動に対する凄惨な報復を受けることになる。
実話の映画化である長編とは全く趣の異なるフィクションですが、人種差別に対する深い怒りは同じ。あっという間に観終わってしまう短い尺ですが穏やかなトーンのイントロとは真逆の絶望的な結末は強烈な余韻を残します。長編のヒロインでこちらではジェフリーの妻を演じているのがダニエル・マクドナルド。『パティ・ケイク$』で演じた破天荒な主人公とは全然異なる慎ましい佇まいを見せる引きの演技を披露することで、凄惨な物語にかすかな救いをのぞかせます。
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