「何言ってるのかわかんない」妖怪人間ベラ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
何言ってるのかわかんない
子どもの頃、TVアニメの「妖怪人間ベム」は人気があり、ズボンのポケットに手を入れるときに指を3本だけ出すベムごっこが流行ってた。同級生たちはみんなベム、ベラ、ベロを家族だと思っていたのに、誰かが「家族じゃねーよ」と言い出して波紋を呼んだ・・・懐かしい記憶。最近でもTVドラマでもリメイクされたり、それを映画化したりと、もしや密かなブームなのかと思いつつ、今週公開映画の最初の鑑賞となりました。
女子高に百合ヶ崎ベラ(emma)という転校生がやってきて、写真部の牧野沙織(桜田ひより)たちが注目する。芸能事務所に所属する綾瀬(吉田凛音)は、独特な美貌を放ち自分よりも身体能力の高い彼女を嫌うが、牧野は興味津々といった雰囲気。しかし、この序章とも思えるエピソードも意外な展開を見せてくれるのだ。ちょっとビックリ。そんな中に、学食のスパゲッティの中にミミズが入っているというおぞましいシーンがあり、まるで『スクワーム』(1976)をオマージュしているかのようでした。
メインとなるのは、広告代理店に勤める新田康介(森崎ウィン)のパート。TVアニメ版「妖怪人間ベム」の特集を担当しているが、幻の最終回を見つけたために精神を病み、狂気が家族をも巻き込んでいくストーリー。ここでもベラが絡んでくるのですが、アフレコを入れる前のベラが何を言ってるのかわからないという点が絶妙に効いている。案外、あっさりと「人間になんてなりたくない」という台詞がわかるのだが・・・
「はやく人間になりたい」というのがTVアニメの名台詞でしたが、この最終回には恐ろしい秘密が隠されていたので、「人間になんてなりたくない」という台詞が生まれる。そして脚本家である望月を訪ね、それが旧陸軍の細菌研究所にまで行きついてしまうのです。
日本のホラー映画ではよく使われるけど、それだけ731部隊の秘密が公にされてきたことの証なのだろうか、とにかくおぞましい人体実験。そして手が付けられなくなったベム、ベラ、ベロに火炎放射を浴びせる兵士たち。その実体験を最終回に組み入れようとした結果、視聴者には見せられないキワモノになってしまったのだ。そしてベラは生きていた・・・
英勉もホラーなんて撮るんだ・・・と、思っていたら、なんと『貞子3D』とその続編も英勉監督じゃありませんか!この事実の方が驚きでした。貞子はダメでしたけど、このベラは良かった。幼い頃に見ていた人、マニア向けだとは思いますが、「妖怪より人間の方が恐い」といったテーマを見事に仕上げてくれました。マイナス点は桜田ひよりのその後が知りたくなったことと、CGになってからの粗さくらい。みなさん演技が冴えていました。音響による怖さもあったけど、ちょっと泣けた。
私の好きなレビュアーさんのkossyさん、どうも!笑
今日見てきました〜。
原作も何もかも知らないですが、個人的にかなり好きな作品でした!
森崎ウィンの怪演っぷりには驚きです。日本のホラー映画にしては中々怖くて、よく出来ていていましたよね♪
キティさん、コメントありがとうございます!
やっぱり歌えますよね♪
70年前後のアニメ、特撮もののテーマ曲って、結構ジャズっぼいものがあるので楽しいです。この他にも「キャプテンウルトラ」とか「山ねずみロッキーチャック」とかの4ビート感、たまりませんw