劇場公開日 2022年6月10日

  • 予告編を見る

FLEE フリーのレビュー・感想・評価

全52件中、21~40件目を表示

4.0存在の必須条件は不条理なのか

2022年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

暗澹の海に生まれ落ちたのは偶然装う確率なのか?それとも実態なき時の結実なのか?

もうひどい、こんなのヤダ、なんでオレ?

草枕ならぬアフガンの砂枕

日本の人口動態と世界の難民の人口動態。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ケセラッセーラ

3.5難民にはその数だけドラマがある。どれも同じではなく、ただ皆生きるために必死。

2022年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

最初ポスターを見たとき、実写ドキュメンタリーかと思ったが、アニメだと知り、昨年見た「トゥルーノース」を思い出した。
あの作品と少し違っていたのは、取材に基づいたという事実を生かし、まるで実写のドキュメンタリーをアニメ化したかのような作られ方だったこと。日本的アニメで聞き慣れている声ではなく、本物のインタビュー録音にアニメを充てたようなシーンと、回想の再現ドラマのようなシーンと当時の情景説明のための実写映像の組み合わせが、そのように感じたのだ。この斬新な演出が逆に見やすかったように思う。
生きるために脱出を試みるその物語は、見ていても辛く苦しく、全てを失いながらも、とにかく生き続ける姿が描かれている。人によって人権を奪われ、さらに力ある者によって心身を痛めつけられる人々。全ての難民にそれぞれの壮絶なドラマがある事をあらためて知る機会となった。この作品の持つ力が、より多くの人にメッセージを届けることになって欲しいと願うばかりである。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
まっちゃまる

3.5「肉体的な痛み」や「死」ではない地獄

2022年6月20日
Androidアプリから投稿

(特に後半はネタバレ要素含みます)

インタビューをアニメに描き起こすという形のドキュメンタリー。

描き起こすという作業がある以上、こちらの観る側も、描かれたもの(スクリーン上で語られるもの)全てに何らかのメッセージがあると錯覚してしまうし、「誇張」とまでは言わないまでも、より強くメッセージを発信するためにアニメーションなりのフィクショナルな表現があるものと思っていた。

しかし、それはむしろ逆で、本来の映画のメッセージとは直接関係のない、でも登場人物たちの「素」の姿をあえて描くことで、むしろドキュメンタリーであることが強調される。

実際に彼が見聞きした事件も、もっと残酷に描くこともできたんだろうけど、むしろそちらは実写をカットインさせるくらいに抑え、アニメーション上は人が死ぬシーンどころか、痛々しい暴力シーンさえほとんどない。

この映画は、むしろ「もっとひどい地獄がここにある」ということを語りかけてくる。

自分の出生や国籍、家族の存在、性的嗜好といった、まさに「自分」を作り上げている要素を封印させられ、肉体的な自由もとことん制限されていく。
ここにいるのは本当に「自分」なのか。

もちろん、描かれているのは「彼の絶望」「権力の横暴」だけではない。
「傍観者」という名で、実は加害者側に荷担している「我々(観客)の暴力」。
他国からの亡命者たちの集団に偶然出くわした時、私は積極的に彼らの救護に立ち上がれるだろうか。

さらに言うなら、少なくとも私は「あのおばあさんは殺される」と思ったし、「あの女性は暴行される」「密航したあの家族は死んだ」ことが描かれると思った…いや、期待した。

そう、この映画はその銃口の一つを「私」に向けている。

もう一つ、おそらく「クライマックス」と言っていい、最後のあのナイトクラブのシーン。
大変恥ずかしいことだが、この映画を観た者としては言わざるを得ない。
あれが主人公の「魂の救済」であると解っていてもなお、私は心のどこかに「いかがわしさ」の様なものを感じていた。(単純にあのピンクや紫のネオンや照明に触発された感覚でもあるのだが、それはそれで私の理解力の欠如を物語っている)

私のようなアンテナの鈍い観客にとっては、どちらかというとこの映画は、何か強烈なメッセージを分かりやすく訴えてくるというより、こちらから「(メッセージを)迎えに行く」「掬い上げる」といったタイプの作品なのかな、と思う。

良くも悪くも、観客の評価が別れるのも納得。

ただ、観賞直後は薄かった印象が、後から解説や評論などを見て、改めてこうして書いて整理することで私は作品の輪郭がハッキリした。

こういう映画ももちろんあっていいな、と思う。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
キレンジャー

3.5実話のアニメ化

2022年6月20日
Androidアプリから投稿

あまりに内容が凄惨過ぎて、リアルを追求してドラマ化したら直視出来なくなるくらいにR指定物なんだろうなぁと感じました。
今の情勢がオーバーラップされて、国を追われてしまう人々がニュースでやっているのを見ると生まれてきた国でこれ程まで人生が違うの。。。と切なくなります。
各国で色々な賞を受賞しているならより今起きている戦争や虐待が無くなる動きが早くなる様に切に願います。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
asgy213

3.5あくまで個の数奇な人生物語

2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

どうしても社会問題を絡めて見てしまう作品だったけれど、なるべく雑音・雑念を捨て、あくまで一個人の人生物語として観賞したいなーと思いつつ、今この世界情勢では尚更にあらゆる情報がむしろ邪魔になってしまうなぁなんて思ったり・・・決して難しい作品ではありませんが、複雑な内容です。
味わいのある絵ではあるけれど、個人的には、アニメの質は予想通りあまり芳しいものではないと思いました。しかし、あくまでアニメという手法を最大の武器として何かを伝えようとしている志は強く感じます。
今やアニメを用いたノンフィクションというものは珍しいものではありませんが、ただ情報を伝達するということよりも、なるべくその時の思いや感情を強く伝えようとしている意図を感じました。それが良いか悪いかはかなり微妙なところもありますが、物語として捉えると、偏見や偏狭といったものから脱却して、自由な観賞を存分に堪能できるかも─。ロシアが舞台にもなっているので、できれば去年見たかったなーという思いです。
音や音楽の音響にも強いこだわりや迫力を感じて、相当臨場感がありました。そういった意味からも、ドキュメンタリーというよりも─といった感じです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
SH

4.5紛れもなく傑作。

2022年6月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

①映画の間中ウルウルしっぱなしだった映画は幾つもあるが、映画の間中胸(の左上くらいかな)が痛かった映画は少ない。②一本前に『PLAN75』を観たが、勿論全然違うテーマの話とは言え、まだ選択肢のある社会・世界に住んでいて幸せだなと思う。アミンやその家族(ほか劇中の沢山の人達)にはFLEE(逃げる)という選択しかなかったのだから。③アフガン戦争の是非(しかしアメリカも酷いね)や背景を描くのが主目的の映画ではない(勉強せねばとは思わされたけれど)。④アミンがつかざるを得なかった嘘を具現化したシーンや回りで何が起きているのか五里霧中でわからなかった場面を輪郭の曖昧なアニメーションにしているのが却って臨場感を伝えてくる。⑤出てくる2匹の猫がとても可愛い。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
もーさん

4.0不公平

2022年6月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

ドキュメンタリーのアニメ?
アフガン、デンマーク、ゲイ?

何のことやらと思いましたが、アカデミー賞で話題になったということで、観てみました。

あまりに自分とかけ離れた話でしたが、時代が多少重なっているため、主人公に寄り添うことができました。

親ガチャという言葉がありますが、これは、国ガチャ時代ガチャだなと思いました。
わたしたちは、生まれてくる国やタイミングを選ぶことができません。でも、それによって人生が大きく異なってきますよね。わかっているつもりでも、忘れてしまいます。

自分は、密入国の船が北欧に向かっていた頃に、客船側にいた人間です。平和な日本に生まれて良かったとかいう話ではなく、不平等は変えられない現実で、申し訳ない気持ちになりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Mikikar

2.5観て後悔した。

2022年6月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画を褒めた記事を読んたので、鑑賞してみた。アフガニスタン難民の話で、悲惨な現実を見せられることはわかっていたはずなのに、足を運んでしまった。ドキュメンタリーをアニメーションを使って表現する方法に興味を持ったと思える。
時々、アニメーションから外れ、報道の映像に替わる。こうゆうやり方もあるんだと感じた。

厳しい現実をみせられるので、興味のある方は覚悟を持って見てほしい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
いなかびと

4.0事実を受け止めやすい

2022年6月17日
PCから投稿

アフガニスタン難民だったある青年の個人史ドキュメンタリー。
未だ青年が本名を名乗れないほどアフガンは危ないとのことで、身を隠すために選んだアニメーションという手法のおかげで、残酷すぎるシーンは『トゥルー・ノース』同様にまろやかになり、さらにはそれでも描けないほどの非道な行為はモノクロの抽象画っぽい線で描かれていたのが、事実を受け止める上では効果的でした。
『カブールのツバメ』『ブレッドウィナー/生きのびるために』『ミッドナイト・トラベラー』と併せて観たいですね。

アフガニスタンで半世紀にわたって起こっている戦争の恐ろしさと、イスラム原理主義が幅を利かせる中で性的マイノリティが生きていくことの過酷さがわかる作品でした。

また、今のソ連をロシアに置き換えると、ウクライナ(特にロシアの占領地域)のことに思い至り、似たようなことが起きているのであろうかと胸が痛くなりました。
作中、デンマークへと亡命するルートにウクライナの飛行場があり、その辺で胸が詰まってしまいました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
コージィ日本犬

タイトルなし

2022年6月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ロシアからマクドナルドが撤退したニュースをリアルタイムで感じながら、ソ連にマクドナルドがオープンした映像を眺める。

その熱狂のすぐ隣でひとりの女性が国家に蹂躙されて、事件にもならなかったということに救いのなさを突きつけられる。

人の心が貧しくなるのには、どういう過程があるのか。
世の中は一方で悪くなり続けてるんじゃないかとさえ思う。

「ミッドナイトトラベラー」
「チェチェンへようこそ」
「親愛なる同志たちへ」
「マイスモールランド」
鑑賞済みだったこれらの映画が随所に深みをもたらしました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
たな

3.5平板なアニメーションからどれだけ脳内でイメージを増幅できるか

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

先品中頻繁にロシアの警察の腐敗ぶりが登場する。現在の世界情勢に照らし合わせると「やっぱりロシアは」となりがちだが、そこは彼の国に限ったことではないだろうから、冷静に捉えるとして。
国外への脱出を試みるシーンは苛烈を極めているはずなのに、平板なアニメーションからは伝わってこないのがもどかしい。
更には難民として海外で暮らすにしても、その国により受け入れ方が随分と異なり、その後の生活も苦労を強いられる(差別が解消されないなど)が、そのあたりもデンマークはどうなのかが今ひとつ伝わらない。
結局、鑑賞した人の持つ国際知識や画像から得た情報をどのように増幅させるかによってこの作品の評価は非常に差がつくのだろうと思った。
それでも多くの人に届けたい作品ではある。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ニコラス

3.5言葉を失う

2022年6月15日
iPhoneアプリから投稿

その言葉を吐き出さねばならない。
実話をアニメにする事。その表現が現実を現すか?
私は息苦しい痛みを感じた。
生き延びた人々に幸あれ。
死に行く人に想いをはせる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
すぅ

4.0アフガニスタンから難民となり国外へ逃れた家族の物語。

2022年6月15日
Androidアプリから投稿

20年前ということは、2000年頃の話なのだろうか。
映画の中では共産主義政権ということだったと思うのだが、アフガニスタンの歴史は、ウィキペディアを見ても、よくはわからない。
アフガニスタンは歴史的に難民を産み続けていて、世界各地に散らばって存在するようだ。
主人公の少年の家族は、父親が連行され、身の危険を感じたため国外へ逃れた。
最初の地はロシア。ロシア以外に受け入れてくれる国がなかったようだが、観光ビザのため、やがて不法滞在者として暮らすことになる。
スウェーデンにいる兄が仕事をしながらロシアから脱出する資金を工面したが、家族全員は無理なため、最初は二人の姉が送り出されることになる。
そして、次に母と兄と少年の家族三人で脱出しようとするが失敗し、ロシアへ強制送還されたため、母と兄を残し、少年だけが再び送り出され、デンマークへと亡命してことになる。
しかし、一言で亡命と言っても、強制送還や命を落とす危険性もある。
体ひとつで異国へとわたり、人間としての尊厳も保証されない。
ドキュメンタリーではあるが、出演者のプライバシーを保護するため、アニメーションという手法で制作された作品。
ぜひ、劇場で目撃してほしい。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
caduceus

4.0複雑な気持ち

2022年6月15日
iPhoneアプリから投稿

日本でのほほんと暮らしている自分にとって、可哀想だなぁ、大変だなぁとは思っても想像は出来ない。故郷があるのに帰れない、普通に家族と一緒にいれない、そうこうしているうちに大人どころか中年の域に入る。一体なんなんだろう?

密入国の過程を見ているとナイトトラベラー(だったかな?)を思い出しました。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Oyster Boy

3.0ドキュメンタリーとしての凄さはあるがアニメ映画としては…

2022年6月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

本作の主人公アミルが辿ってきた人生はそれはもう壮絶だった。しかも自分よりも年下。現代を生きる人がこれほどの経験をするのかと思わせる内容だった。
アフガニスタン政府も腹立たしいが、本作を観てより怒りを覚えるのはロシアの警察だ。賄賂、暴行、レイプ、窃盗、なんでもありじゃないか。そんな状況で生き延び逃げ切ったアミルの人生を少しでも追体験できる映画だった。
そして流れる音楽もなかなかいい。「Take On Me」が流れるシーンなんて、アフガニスタンの少年がa-haを聴いているんだ!ってだけで親近感がわいてしまう。他にもDaft Punkの曲はとても印象的な使われ方だったし、Roxetteも懐かしかった。
でも、アニメ映画としての出来という意味ではよろしくない。動きもぎこちないし、表情も乏しい。さらにはアニメだからこそもっと攻めた表現もできたはずと思ってしまう。本人たちの顔を出さないために?それならばドキュメンタリーテイストの実写ドラマにしてもいいはず。アニメ映画としての評価となるとこの程度の点数になってしまう。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
kenshuchu

4.5普通の人達なのに普通に生きられない過酷さ。

2022年6月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

年代が記される度に自分は何歳でどんな生き方していたなー、なんて思い巡らしてしまった…。自分と同じ普通の人達なのに自分の意思では生きられない過酷な世界。いろいろつらすぎる。語られる主人公もそんな中のごく一部のひとりに過ぎないと思うとなお厳しい…。みいってしまいました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
peanuts

3.5今回も言い訳がましく、、

2022年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

毎度悩みながら書いている映画評(そうそう上達しません)ですが、中でもドキュメンタリー作品の評は苦労します。
今作は、アフガニスタンにおいてソ連軍撤退(1989年)後、国内支配をめぐって激しさを増した内戦で国を追われ難民となる「主人公アミン」が、自分と家族を振り返って語る物語です。
そもそも、この「ドキュメンタリー」を「アニメーション」にして語る背景には、とても過酷で理解の域を超える経験と境遇、そして20年間語ることをしてこなかった事情と、アミンの想いのインパクトが強いものとなっており、歴史に疎く、語彙力に乏しい私如きには到底筆舌に尽くしがたく、この評も内容が薄くなっております。すみません。
なお、作品中アミンが「ロシアの警察」に対して繰り返し罵倒します(それだけのことを、自分と家族を含めた多くの同じ境遇の人たちがされた)が、(現在の)日本の難民への対応も「とても褒められたものではない」ので便乗して叩くのではなく、きちんと自分事として捉えましょう。
公開規模もあまり大きくありませんし、「たまの映画なら『トップガン マーベリック』を観たい!」という貴方、それで全然いいと思います。が、いずれ配信でも、もし見かけたら是非観てみることをお勧めいたします。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
TWDera

4.0涙は出なかったけど,心が泣いた気がする

2022年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

涙は出なかったけど,心が泣いた気がする

コメントする (0件)
共感した! 1件)
jung

4.0Flee from the Black.

2022年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 逃げるという選択は苦しいものだ。逃げるの対義語が追う、挑む、立ち向かう、といったポジティブな言葉だけに、逃げることは如何にも否定的に感じられてしまう。
 説明責任から逃げてばかりの政治家は、たしかに見苦しい。悪事を働いても、嘘を吐き公文書を偽造して逃げ切る。そんな人間が道徳を正規の科目にして愛国心を説いたり、防衛費の倍増を主張したりする姿を見ると、吐き気がする。この国は終わったと思う。自分が政治家だったら決して逃げないと考えたりもする。

 しかし危険が迫っている状況から逃げるのは当然の行動だ。津波や洪水が来たら、誰でも逃げる。人災も自然災害と同じだ。迫害する者や服従を強いる者から逃げることは、否定されるべきではない。むしろ積極的に逃げるべきだと思う。
 最近の日本語には、ブラックという便利な言葉が出来た。ブラック企業という言葉が最初だが、ブラック部活といった使い方もする。個人の尊厳や人権を侵害するような組織をブラックと呼ぶ。国家などの共同体についても使える。日本はややブラック程度だが、アフガニスタンはどう考えてもブラック国家だ。

 共同体がブラックになるのは、指導者が強制的にそうする面もあるが、大半は共同体の住民が、個人よりも共同体を優先することを受け入れるからである。ナチスを生んだのはドイツ国民だ。ヒトラーに熱狂した。日本の軍事政権を生んだのも日本国民である。日の丸に熱狂して、国や天皇を否定する人を非国民と呼んで迫害した。
 国家主義の熱狂は恐ろしい。ガンバレニッポンの精神は戦時中とそっくりだ。敗戦から77年を経て、戦争の悲惨さを忘れた政治家は軍事費を倍にしろとか、台湾有事に備えろなどと吠えている。日本は再び愚かな戦争に突き進むのか。

 国家がブラックだったら他の国に逃げ出すしかない。この世の中がブラックだと知ったら、この世から去るしかない。タイトルの「Flee」は「逃げる」という英語だが、より強い意味の「逃亡する」で使われる。Flee from the Black.

コメントする (0件)
共感した! 0件)
耶馬英彦

4.0実話なんですよね…

2022年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

久々に内容を咀嚼するのに時間がかかった映画でした。平和な国で暮らす限りは絶対に理解できない『国難から逃れてきた人々』の映画。観たからといって、この映画の真意が完全に理解できたなんて思ってません。
ただ、生きているだけで誰かに命を狙われる人々がいて、それが恐ろしく理不尽なことであったとしても、第三者が表立って助けてしまうとvs国同士の戦争に繋がる危険性がある。それ以前に自分の命が脅かされる危険性もある。
道徳的には到底正当化できない手段であったとしても、何もしてくれない人々に縋るよりかはマシという現実に、ストーリーを追いながら愕然としてしまいました。
逃げたくて逃げてるわけじゃない。そんな主人公の気持ちが痛いほど伝わる実話でした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
BONNA