劇場公開日 2022年6月10日

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「難民にはその数だけドラマがある。どれも同じではなく、ただ皆生きるために必死。」FLEE フリー まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5難民にはその数だけドラマがある。どれも同じではなく、ただ皆生きるために必死。

2022年6月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

最初ポスターを見たとき、実写ドキュメンタリーかと思ったが、アニメだと知り、昨年見た「トゥルーノース」を思い出した。
あの作品と少し違っていたのは、取材に基づいたという事実を生かし、まるで実写のドキュメンタリーをアニメ化したかのような作られ方だったこと。日本的アニメで聞き慣れている声ではなく、本物のインタビュー録音にアニメを充てたようなシーンと、回想の再現ドラマのようなシーンと当時の情景説明のための実写映像の組み合わせが、そのように感じたのだ。この斬新な演出が逆に見やすかったように思う。
生きるために脱出を試みるその物語は、見ていても辛く苦しく、全てを失いながらも、とにかく生き続ける姿が描かれている。人によって人権を奪われ、さらに力ある者によって心身を痛めつけられる人々。全ての難民にそれぞれの壮絶なドラマがある事をあらためて知る機会となった。この作品の持つ力が、より多くの人にメッセージを届けることになって欲しいと願うばかりである。

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まっちゃまる