「ドキュメンタリーとしての凄さはあるがアニメ映画としては…」FLEE フリー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーとしての凄さはあるがアニメ映画としては…
本作の主人公アミルが辿ってきた人生はそれはもう壮絶だった。しかも自分よりも年下。現代を生きる人がこれほどの経験をするのかと思わせる内容だった。
アフガニスタン政府も腹立たしいが、本作を観てより怒りを覚えるのはロシアの警察だ。賄賂、暴行、レイプ、窃盗、なんでもありじゃないか。そんな状況で生き延び逃げ切ったアミルの人生を少しでも追体験できる映画だった。
そして流れる音楽もなかなかいい。「Take On Me」が流れるシーンなんて、アフガニスタンの少年がa-haを聴いているんだ!ってだけで親近感がわいてしまう。他にもDaft Punkの曲はとても印象的な使われ方だったし、Roxetteも懐かしかった。
でも、アニメ映画としての出来という意味ではよろしくない。動きもぎこちないし、表情も乏しい。さらにはアニメだからこそもっと攻めた表現もできたはずと思ってしまう。本人たちの顔を出さないために?それならばドキュメンタリーテイストの実写ドラマにしてもいいはず。アニメ映画としての評価となるとこの程度の点数になってしまう。
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