白いトリュフの宿る森のレビュー・感想・評価
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白いダイヤモンド
白トリュフの街、ピエモンテ州アルバ
白トリュフに魅了された男達の話し。
イタリア在住の際、思いきってその時期にアルバに向かった。アクセスが非常に悪く電車で着いたのは21時過ぎ。お店は閉店…。翌朝、市場で
購入して帰った記憶がある。その晩は知人と宴。
電車に乗っても香りが充満するので、どぎまぎした思い出。
アルバ駅に降り立った瞬間、あの芳醇な香りが
街中に。その時期はずっと漂うらしい。
印象深い街、アルバ。
高級品だけあり、闇取引も多々。
白トリュフの実る場所、テリトリーは必ず一人で
出向き誰にも教えない。信じる相方は犬だけ。
テリトリーに薬を撒かれたり、病気や怪我で
奥さんに止められても抜け出して取りに行く。
人を幻惑す白いダイヤ。
劇中で翻訳されてないが、イタリア人は老若男女
問わずスラングな言葉を吐き捨てる。
だが、その感情的で人間味があるのがイタリア人
そのものだ。
こんな映画を観るとあの魅惑的な薫りが嗅ぎたくなってしまう。白トリュフと卵は最高のタッグであり、切り離せない。
素敵なドキュメンタリー映画に多謝。
異国の食文化も学べる🍄
トリュフって食べたことありません。 きのこ🍄の様に生えているのかと思ったら、 土の中にある状態の物を見つけ、収穫するという事です。 それを見つけるのは、なんと犬🐕なんです。 お爺さん(ハンター)と犬🐕のペアでの活動。 中には、犬に毒を餌を仕返け殺して収穫の邪魔をする者もいたりと…。 トリュフ探しで、壮絶なバトルがある訳です。 犬との愛情もありますし、文化も学べていいと思う。 ただ、面白いかって言われるとがっかりするなよって言っておく。
【“白トリュフの魅力に憑りつかれた人々を描いたドキュメンタリー作品。”イタリア人にとっての白トリュフは日本だと、松茸や天然舞茸の位置づけになるのかあ・・。】
ー 驚いたのは、トリュフハンターたちと共にトリュフを探し当てる犬を殺すために、毒を巻く人達がいるという事。嫉妬なのか、他者のテリトリーを荒らすためなのか・・。 だが、本作では年老いたトリュフハンターたちと彼らの相棒の犬。そして、彼らとディーラーとの関係性が描かれる。- ・80歳を超えた、名トリュフハンターに若き青年が、”貴方はもうトリュフは取れませんよね。貴方の秘密の場所を教えてください。””NO"”イタリアの食文化を守るためなのです。””NO""子供さんには教えますよね。”NO!" - この頑固さが良い。笑えるシーンでもある。子供にも教えないって・・。松茸の在処は一子相伝で教えるのが愛知県である。- ・同じく80歳を超えた老トリュフハンターが、何度奥さんに止められても、懇々と説教されながらもトリュフを取りに行く姿。 - ”トリュフを見つけた時の、気持ちは何物にも変え難い・・。”うーん、良く分かるなあ。ちなみに三河の一部の人間(私である。)は三河湾に浮かぶ”ある島”で採れる浅蜊には夢中なので、このお爺さんの気持ちが良く分かるのである・・。- ・トリュフハンターと相棒の犬との関係は、観ていても微笑ましい。トリュフハンターが如何に相棒の犬を大切にしているかが、随所で描かれる。 - で、毒を仕掛ける人間に対しては”逆さづりにしてやる!”そりゃそーだ。諸手を上げて賛成するよ。- ・トリュフハンターとディーラーとが暗い夜道で、値段交渉をする姿は、もはや非合法行為にしか見えない、怪しい姿である。 - けれど、ディーラーに搾取されちゃうんだよなあ・・。- <トリュフを食する機会は滅多にない。が、イタリア人にとってのトリュフは日本人にとっての松茸や天然舞茸に匹敵するのだろうなあ、と思った面白き作品。> <2022年4月17日 刈谷日劇にて鑑賞>
心の宝探し🍄
妖精の様なおじいさん達…興味そそられるキャッチコピーと犬と戯れるおじいさんのポスターに呼ばれている様な気がしての鑑賞👀 勿論!白トリュフになんぞお目にかかった事はございませんが まさに「妖精」な、おじいさん達 忠実で信頼に結ばれたワンちゃん達との絆… あの不思議な森に引き込まれました 大人のお伽話にどっぷり癒され 錆び付いてた心を正して貰えた異彩を放つドキュメンタリーでした
自分にとっての至福の人生とは。
素晴らしかった。 イタリアの農村。高齢男性が1人相棒の犬を連れ、ひっそり森に入って収穫されている白トリュフ。狩場は家族にも決して明かさない。すべての場面がフェルメールの絵のように深く美しく、まるで御伽噺か画集のようで、これが3年かけたドキュメントであることに驚く。 パンフも買っちゃったわ。正方形だし☆(変型版好き)予想通り中身も画集のような美しさ。 映像も美しいんだけど、犬の頭につけられた犬目線のカメラの映像とかもあって面白い。そして音。落ち葉の音や風の音、フクロウの鳴き声、とても丁寧に音が録られていて、自分もそこにいるかのような気持ちになる。 レストランの人すらトリュフハンター(原題)に会ったことがないらしく、店の前の箱にお金を入れておくと、明くる朝には白トリュフが入っているという…御伽噺?!そういう話から監督は何度もアメリカからイタリアに通い詰め、なんとかハンターの老人たちに会い、少しずつ親しくなり、自然な姿を収めるまでになったとか。 スマホも持たず、犬と山に入って自然そのままのトリュフを探すことが彼らの人生そのものであり生きがいでもある。犬の誕生日を祝ったり、一緒にお風呂に入ったり、ほんとに可愛がってるのも微笑ましい。人生って、生きるって…と考えさせられたわ。
狂乱するトリュフ市場と白けたハンターと元気な犬
驚かされるのが、 トリュフという特殊なキノコを宿す森に対する尊厳も敬意もなく畑の様にあつかっている様に撮影するスタッフ達だ。 そして、他人の土地まで盗掘するトリュフハンターや犬達に毒入り餌をばら撒く地主達が居るのだから生物や森に対するアニミズムやシャーマイズムなどの森羅万象に対する敬意や配慮などがこの地域では希薄なのかもしれないことに驚かされる。 それにしても、 トリュフの市場性に目を奪われたもの達だけをドキュメント対象し、 多くの大事なことが見落とされているように散見できてしまうのは私だけであろうか?
問題提起が少ないと思える点はあるが高評価
今年45本目(合計318本目/今月(2022年2月度)17本目)。 日本でもなじみの深いトリュフを扱った問題提起型のドキュメンタリー映画です。 扱われている内容は「購入者とトリュフハンターとのやり取りだけで良いのか」(オークションや、それこそ大国が絡んでいるものもある)「トリュフハンターに欠かせない、犬との共存」などを描いたものになるかと思います。 トリュフという食材はその性質上、すべてがすべて、無傷で取れるものではなく、何らかの形で「傷」ができてしまいます。それをもとに値切りをしてくる相手と、ギリギリの生活をしていくトリュフハンター、また、トリュフハンターを気遣う人たち(家族等)という点に焦点があてられています。 映画内では明示的に描かれていませんが、「トリュフハンター」という職業自体、「トリュフ」がどうしても必要というわけでもない今日(こんにち)、すたれていく職業であるようです。これは他の高級食材にも言えますが、結局、科学技術の発達(特に遺伝子)により、いくらでも「本物そっくり」のものができるようになったからです。 なお、趣旨的に犬が多くでる映画です(犬は嗅覚が良いからですね)。犬が見るのも嫌いという方は少ないと思いますし、排泄物シーンなどもありませんが「観るのも嫌い」レベルの方は注意かな…と思います。 日本では今は「まん延~」ではありますが、トリュフを使った食材はそれこそちょっとしたイタリア料理店に行けばあるものであり、日本も無関係ではないなという印象です。 あれこれ書きたいところですが、放映されている映画館が極端にすくないことなど考えて、ネタバレにならない(というより、ドキュメンタリー映画に分類されうるので、ネタバレという論点が発生しない?)程度に書きました。 採点にあたっては、特に差し引く要素が見当たらないのでフルスコアにしました。
犬と人間の信頼関係こそがトリュフ発見の鍵だ!!
ドキュメンタリーというのは、いかに内部に入っていけるかが肝となってくるわけだが、よそ者である取材クルーが、なかなか踏み込めない部分というのが、どうしても出てきてしまう。 石川梵監督によるドキュメンタリー映画『くじらびと』もそうだったように、現地の人々と関係性を築いたからこそ、映し出せる世界というものも存在している。 特に今作が扱っているのは、白トリュフということもあって、撮影といいながら、場所を特定して、盗み出すこと疑われる可能性もある中で、写真家のマイケル・ドウェックは約3年間ににわたって、トリュフハンターの生活に密着し、信頼関係を築いたからこそ、映し出せる世界でもあるのだ。 そういった経緯があったからこそ、今作は良い意味でドキュメンタリー的ではない。登場人物が自然体で、演技に思えてしまうほどカメラ慣れしているのだ。ドキュメンタリーでありながら、劇映画的でもあるという点では『狩人と犬、最後の旅』に似た雰囲気を感じることができる。 高級食材であるトリュフも、全てが高額で取引きされるわけではなく、いかに美しい形状をしているだとか、匂いはどうだとか……トリュフを好んで食べるような富裕層は勝手なことを言っているが、トリュフを獲っているトリュフハンターたちは命がけだったりもする。それでやっと見つけて、獲ってきたトリュフが、形が悪いなんて言われたらどうだろうか……. 中間バイヤーから富裕層に渡る過程で、誰が獲ってきたものかといった情報は、ほとんど伝わらない。 トリュフの獲れる環境に住んでいるトリュフハンターにとっては、近所でトリュフを獲ってくるだけで、楽にお金が入ってくるなんて思っていたら大間違いで、常に苦労の連続であり、トリュフハンターという職業自体も高齢化で絶滅しかけているという問題にも直面しているのだ。 今作はトリュフハンターや取引現場に密着したドキュメンタリーである一方で、トリュフハンターにとって大切な存在も映し出されている。 それは、トリュフを探すには、鼻の効く犬は不可欠ということ。 その犬との信頼関係が必需となってくるのだ。時々、犬の目線になるなど、人間と犬の関係性にも焦点を当てている。だからこそ、テイストが『狩人と犬、最後の旅』に似ていると思った要因なのだ
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