アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のレビュー・感想・評価
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学園祭のノリ
結局、ラスト20分の感動を味わえなかった人間です。
まず囚人に劇をさせるまでは良かったですが何かが緩むとこうなってしまいます。
勿論、彼らの熱演に対してプレゼントの検査や身体検査は失礼かもしれないですが、そもそも彼らは犯罪者です。
舞台の評価が良く緩む雰囲気となって起こった結果に対して俳優の演説は自分の中ではシラケてしまいました。
ゴドーは好きです。
戯曲自体よく知らなかったけど
ゴドーを待ちながらは読んだことも、お芝居を見たこともない。この映画は、実際スウェーデンであった事件をモデルにして作られたことを知ったけど、フランスらしい作りの映画だったと思う。
そして、ゴトーを待つこと、それを囚人たちに被せる意味合いの向こうには、毎日毎日スーツを着て会社に行き、賃金が安くても文句一つ言わない日本人も、どこかでゴトーを待ってるのかなあと言う気もした。
それにしても、最近見る映画フランス映画が多い印象。
ハリウッドの勧善懲悪ものは、なんか飽きてきたところはあるなあと、ジェラシックワールドをパスしてこれを見た自分は思ってしまいました。
起承転結の転→結のもって行き方がお見事
予想外のラストというふれ込み通り、転の部分はやはり意外だった。その直前のハカの後だっただけに、あの転は「うそ?」と思わされた。 が、実際の意外なラストはその後に訪れる結の部分だったんですね。 転→結へのもって行き方がお見事です。 あと、実話のためエンドロールの際に写真でご本人登場があるんだけど、映画の役者さん達より、本人たちのビジュアルが良かったのはビックリ。
何が彼らの『大勝利』なのか?
矯正プログラムとして囚人に演劇をさせるお話しで、冴えない中年役者の指導のもと囚人たちが演技に目覚めていき、予定調和的な展開かと思いきや、最後に意外な結末を迎えます。とは言え、登場人物達の心境の変化の描き方が浅く、細かい問題もスルーして、なんか展開に唐突感があります。悩んでいる割には、主人公は囚人達の演技指導をあっさり引き受けるし、最高の舞台で囚人達が恩人の舞台監督を裏切る暴挙に出る、決定的な心理がイマイチ納得できず、なんか後味が悪いです。もう少し彼らの切羽詰まった内面のエピソードを細かく積み上げてほしかったです。全然知らない役者さんだけど、主役のカド・メラッドの情熱的な演技は、なかなかよかったです。
待っても結果が来ないものねぇ
囚人たちに向けて語る。 「待っている気持ちを表現すれば良い」 確かにそうかもしれない、そしてそれは演技には生かされるのだろうけど、一旦外の世界に触れた受刑者たちが元の世界に戻ったって、舞台で投げかけられた称賛はなんの足しにもならないものね。 そう考えればラストは想像の範疇かとも思えましたが、それが未だに語り継がれ舞台の演目になっているのは、当時相当の衝撃や感動をもたらしたのでしょうね。 俳優さんが演じているのだからもちろんのことなのでしょうが、演技にどんどん磨きがかかっていくのが見応えがありました! 清々しい作品でした。
全てはラストのオデオン座のステージの為に作られた作品って感じ。
感動ではなく圧倒されたラスト! 役者のエチエンヌが刑務所の囚人に演技を指導して、囚人達を舞台に立たせる実話ベースのストーリー。 本作を鑑賞する前に「ゴドーを待ちながら」のお芝居のあらすじを確認した方が良かったかも。 この演目を囚人達が演じるけど、このストーリーが全く頭に入って来ない(笑) やる気の無い囚人達と徐々に一体感が生まれ、芝居の素晴らしさが徐々に認められる展開。 役者の誰もが憧れのオデオン座でお芝居をする事に。 ラストは鑑賞前に想像してたけど、そのタイミングが早すぎた(笑) 期待を裏切られた感があったけど、そこからのシーンに圧倒。 あそこまで圧倒された感じは、最近観た山田杏奈さんのBL系映画の体育館の壇上のシーンより凄い(笑) 刑務所の持ち物検査はかなり厳しいのに、それ以外の警備はかなり緩い感じです( ´∀`)
【不条理演劇の”ゴドーを待ちながら”を劇中劇として使用し、ラストは囚人たちに演劇指導していた売れない俳優が、見事に大劇場で”演劇”を締めくくる作品である。】
ー 不条理演劇の”ゴドーを待ちながら”は、恥ずかしながら鑑賞した事が無い。だが、今作を鑑賞する上で、詳細を知る必要はないと、私は思う。
何故なら、今作で囚人たちに演劇指導する事になった、エチエンヌ(カド・メラット)の姿を見ていると、十二分に不条理感を味わえるからである。-
◆感想
・エチエンヌが、囚人たちの矯正プログラムとして選ばれた5人の囚人たちに、不条理演劇の”ゴドーを待ちながら”を、六か月間で指導し、一度だけ劇場で演劇させることが決まるシーンから物語は始まる。
ー だが、囚人たちは、多士済々であり、中には文盲の男も居れば、息子に会いたいがために強引にメンバーになる牢名主の様な男もいる。だが、そんな彼らを、半年でエチエンヌは劇場に立たせなければならないのである。-
・最初の公演は、可なりハチャメチャであるがそれ故に、評判を取りエチエンヌ達は、次々に公演を重ねて行く。
ー 時には、メンバー同士の諍いがあったり、息子が来ていない!と、牢名主の男カメルが切れたり・・。又ある時には、公演20分前まで全員が呑気に床屋で喧嘩しながら散髪していたり・・。だが、評判は評判を呼び、ナント、パリのオデオン座での公演が決まってしまう・・。-
■当然、観ている側は、彼らがオデオン座で見事に”ゴドーを待ちながら”を演じきり、満員の観衆からスタンディングオベーションで迎えられる姿を、期待する。
勿論、私もそうであった。
だが、開演前になっても、囚人たちは会場から消え去り、パリの街中のあちこちで、自由を満喫している。エチエンヌへの感謝の想いを持ちながら・・。
<満員の観衆(その中には、協力してくれた女性刑務所長(マリア・ハンズ)や、エチエンヌの娘、法務大臣までいる。)の前で、お詫びの言葉を述べるエチエンヌの、”囚人たちを貶すのではなく褒め称える”言葉の数々は心に沁みる。
一年に亘り、素人同然だった彼らの努力を観客に訴える姿。文盲だった男が3ページにも渡る長台詞を言えるように成った事、牢名主の男が息子会いたさに、懸命に演じていた事・・。妻を愛する男が、妻に会いたくて台詞を覚えていた事・・。
そして、エチエンヌのスマホに掛かって来たカメルからの電話に、エチエンヌが、満場の観客からの喝采の声を聞かせるシーン。
満場の観客たちは、エチエンヌの言葉から、”その場には居ない囚人たちのそれまでの頑張り”を認識し、賞賛したのである。
冒頭に流れる、”今作は、実話である。”と言うテロップも、ラストに効いてくる作品なのである。>
<2022年7月31日 刈谷日劇にて鑑賞>
功名?
114本目。 実話?と思ったら、やっぱそう。 最後にとか、上映前に見てしまうと半減だよと思ってけど、そんなの全然。 怪我の功名、災い転じて福となす、とでも言ってもいいのだろうけど、逃げた面々のその後が気になる。
実話ベースなので普通のラストかと思いきや!
売れない役者のエチエンヌが、刑務所の文化事業の為に、囚人達の演劇公演の演出をすることになる。楽しくする為のジャンルは寓話。話の中ではウサギとカメなど知ってるのも出てきたけど、エチエンヌが選んだのは、自分の知らない話「ゴドーを待ちながら」。この話、ベースを知らなかったのが少し残念。フランス人なら皆んな知ってんだろうな。 所長やメンバーや娘と、ゴタゴタしながらも信頼関係を築いてゆき、公演を成功させる。すると一回で終わりだったはずの公演に各地から依頼殺到。囚人なのに演劇ツアーをする事になる。それが各地でバカウケし、パリの大舞台が決定する。お〜!ナイスな展開じゃんと期待してたら、まさかのエンディング。 ウルウル〜。
劇中劇『ゴドーを待ちながら』が服役囚の人生に侵食し、現実そのものがカーテンコールのない不条理劇であることが静かに語られる、鋭利なエスプリに貫かれたずっしり重い物語
服役囚に演技指導する場面は意外とあっさり流されているのに、個性豊かな服役囚達の自由すぎるユーモラスなキャラクターと主人公エチエンヌが抱える憔悴を描写することに大幅に尺が割かれている時点でありがちな結末にはならないなと予感していましたが実際その通りでした。劇中劇『ゴドーを待ちながら』が賞賛されて次々と公演依頼が舞い込む中でエチエンヌは自信を取り戻し、服役囚達も束の間の自由を謳歌するが、カーテンコールの後に残るのは今までと何も変わらない日常。そんな興奮と空しさが繰り返される中で彼らの人生そのものに『ゴドー〜』が侵食し、彼らがずっと待ち望んでいた物語がパリのオデオン座で大喝采とともに完成する。ありきたりではない結末が実際に起こった事実であることに驚きますが、それを知った『ゴドー〜』の作者、サミュエル・ベケットの一言に滲んだエスプリにニヤリとさせられます。
受刑者の更生を通して、人生を考える
ネガティブで、後ろ向き発言の多い俳優が刑務所で演出家に?
いやいや始めた仕事なのに、何かが彼に舞い降りてきたんだね。
彼は受刑者の罪に興味がない。
何をして刑務所にくることになったのか、ではなく、目の前の男たちに興味をもったところが、彼の凄さ。
人と物語を繋ぐように見ているんだな。
だから決してネガティブな人じゃないんだ。後ろ向きでもない。
ただ、人生に躓いてもがいてる。
それを受刑者と重ね合わせていたのかも。
それに、彼らが逃げないと信じてた。
人は信じられると、応えようとするものだ。そこにこそ、更生のヒントがあるはずなのに、いまだに刑務所も少年院も変わってない。
さいごのオデヲンは、演出家のために用意された劇場。
彼のひとり語りだけで、オデヲンの観客を惹きつける語りが、彼のそれまでの人生を開花させることになる。人生、何が起きるかわからない。
謝罪のためにステージにたち、逃げ出したい想いのなかで、演劇や戯曲への情熱を語る姿は輝いている。
正直、受刑者である演者たちは、燃え尽きていたのだと思う。やりきった!それでよかったんだろう。さいごの晴れ舞台は演出家のために。
なんて、シャレたオチなんだろう。
実話
囚人たちへの演劇指導は、たいへんでした。
でも、舞台に立たせるなんてスゴいことです。
たくさん公演しましたね!
最後は、全員逃げた!ビックリ!
エチエンヌの謝罪に観客が大拍手。
素晴らしい作品でした。
ウサギはウサギ、カメはカメ
刑務所の囚人の文化活動の一環として行われている演劇の指導を行うことになった売れない舞台俳優と、受刑者達の話。
代理講師としてやって来た俳優が、市中の劇場で受刑者達による公演を行うと言い始めて巻き起こっていく。
刑務所での寓話の発表会だけでは物足りないという受刑者達に感化されたのか、自身の名や功績の為なのか、自身が思い入れのある戯曲「ゴドーを待ちながら」を教え込んで行く様をみせていく展開で、擦った揉んだはありがちな内容ながらなかなか面白い。
何でハカ、そしてカマテなのかは良くわからないけれど。
最初にやっていたのは受刑者達とではなかったみたいだけど良くわからないし。
実際の出来事を知らずに観賞したから、最後の展開はある意味意外ではあったし、残りの刑期について具体的には言っていなかったけれど、出所間近の模範囚ではなかったのか?
終盤までかな面白かったけれど、この終わり方では感動!とはならず、それまでの見せ方にちょっと違和感を憶えた。
嫌いじゃないです
いかにもフランス映画らしい。 嫌いじゃないです。 予告通り、ラスト20分は泣けましたよ! でも、アメリカ映画ならラストシーンは大成功で終わるのでしょう。単純な私にとっては、そっちの方がより泣けましたね。 フランス映画独特の人間模様、実はその方が現実的で、考えさせられてしまいます。 あと、フランスの刑務所制度を知らなかったので、最初は誰が囚人かわかりづらく…また、男の刑務所なのに所長や刑務官が女性というのも日本人には違和感があるかもしれません。 本編1時間くらいはそんなことで、混乱してました笑笑
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