「常に更新し続けるアメリカ映画」ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
常に更新し続けるアメリカ映画
市内はどんどん地価が高騰し、家賃もうなぎ上り。そこで、それまで黒人を中心とした貧しい人々が暮らしていた都市周辺に白人層が移り住んで来て、黒人たちはそこを追い出されてしまう。そんなサンフランシスコが舞台。行き届いた設計の瀟洒でクラシックな家を「これは俺の爺さんが建てたんだ」と主張して住み込んでしまう黒人青年のお話です。
黒人 x 貧困のお話というとタトゥーを入れたマッチョな男達・ドラッグと暴力のお話がヒップホップの音楽に乗ってという展開を想像しがちですが、最早定番化したそんな設定を意図的に避けて静かにお話は進み、自身の物語に縋り付かざるを得ない男を穏やかに見つめます。このタイトルの意味が明らかになる終盤が切ないな。
激しさはないけれど、常に更新し続けるアメリカ映画を実感する事ができました。
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