「団地の取り壊し」GAGARINE ガガーリン odeoonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
団地の取り壊し
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何故フランスの団地にソ連の宇宙飛行士の名前がついているのか気になって調べてみたら、当時1960年代初頭、団地のあるイヴリー・シュル・セーヌは、フランス共産党の強力な地盤でした、フランス共産党は、ガガーリンの功績を共産主義の理想や未来への希望、国際主義の象徴として捉え、団地に彼の名前を冠し1963年には、ユーリイ・ガガーリン本人がこの団地の落成式に実際に訪れており、住民たちが彼を歓迎したという記録もあるそうです。建物の老朽化が進んでいたことや、2024年のパリ・オリンピック開催に向けた再開発の一環として、2019年に取り壊されました。
映画は取り壊しが決まった団地で暮らす16歳の黒人少年ユーリの、取り壊しにもがく様を綴っています。タイトルにちなんだのかユーリは宇宙飛行士になるのが夢という設定、頭は良さそうですが学校に行っている様子もなく、シングルマザーの母親は男と暮らしていてユーリーを放置ととんでもない鬼母。友達や恋人はいるようですが観ていて哀れにしか映りません。ユーリーの抵抗もむなしく結局、団地は取り壊し。
フランス人には思い入れがあるのでしょうが団地を知らない日本人のおじさんにはどうということもありませんでした、残念。
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