アナザーラウンドのレビュー・感想・評価
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効能とリスク
マーティン役のマッツ・ミケルセン、見覚えあるけど思い出せませんでした。「007/カジノ・ロワイヤル」(06)のル・シッフルだったんですね。いや~、あの敵役は手強かったし、まさに適役でした!どことなくイ・ビョンホンに似ているって思ってしまいました(笑)。本当に飲んで酔ってるように見えるけど、さすがに演技なのかな~?選挙に投票する問題、なかなか面白かったです。僕も3番を選びましたが、当然、オチがあるわけで、印象に残りました。お酒を飲んで羽目を外すと一気に人間関係の距離が縮まったりしますが、逆効果の場合もあったりします。やはり、飲んでも飲まれてはいけませんね。
興味深い話ではあったが
キャラクターの設定がとても良く、みんな多少酒が入った方が調子よくいく、っていうところは結構面白かった。興味深い話でネタとしてはなかなか面白かったが、全体的にやや間延びした感が否めない。
人生は思い通りにはいかない…。深い懐をもって登場するすべての人の存在と感情を肯定。
酒好きな北欧デンマークらしい酒にまつわる物語。今年、米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した本作は奇妙な前向きさとエネルギーにあふれていて、思わず自分の人生を振り返りたくなるほど示唆に富んでいました。
「1、2杯引っかけた方が調子がいい」。酒飲みならきっと覚えがあるのではないでしょうか。それもそのはず、そのあたりが血中アルコール濃度0・05%で、その状態を保つとリラックスし、やる気と自信が漲ってくるのだという説を実際に提唱したノルウェーの哲学者がいたそうなのです。その哲学者フィン・スコルドゥールは「人間は血中アルコール濃度が0・05%足りない状態で生まれてきた」という理論を説きました。本作は デンマークのトマス・ヴィンターベア監督(おそらく飲んべえなのでしょう(^^ゞ)が、この理論からヒントを得た、ちょっと風変わりな陰りを帯びた喜劇になっています。とはいえ、既存の依存症映画とは異なります。
歴史教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)は、このところ気力が減退。授業中もほとんどの生徒が私語ばかり。本人も自分は教師に向いていないと疑問を持っており、やる気はゼロ。生徒と親から大学受験に受からないと授業にダメ出しされ、家では仕事で忙しい妻のアニカとも心がすれ違い。妻と2人の息子はそんな父を見限っていました。何をやってもうまくいきません。
けれども思わぬ転機が訪れます。
ある日、同僚の心理学教師、ニコライ(マグナス・ミラン)の誕生祝いが開かれました。しかし水ばかり飲んでいるマーティンにあきれたニコライは、スコルドゥールの説を語り、「君に欠けているのは自信と楽しむ気持ちだ」と説教。仲間に促され酒を飲んだ。するとこれまで味わったことにない高揚感に感動したのです。
スコルドゥールの0・05%理論に興味を持ったマーティンは、こっそり酒をあおって教壇に立つと、驚くほど快活になって、魅力たっぷりの授業ができたのです。
マーティンの変化に意を強くしたニコライは、0・05%理論の実証を論文として発表することにします。そのため、ほかのふたりの同僚教師にも声をかけて、4人の教師がそれぞれ酒瓶を隠し持って授業に臨むことなりました。
マーティン以外の他の3人も似たり寄ったりで、中年の危機に瀕していました。それがアルコールの影響下で寛容かつ大胆になり、気分高揚、周囲の雰囲気も明るくなります。4人とも授業は大受け、家族との歯車も合って、実験は順調に進むのでした。
しかしもちろん、うまくはいきません。酒飲みの第2法則、ほどほどではやめられないもの(^^ゞ。調子に乗って血中濃度を少しずつ上げていき、濃度を0.12%に上げると、その結果もてきめん。しかし泥酔は誰の目にも明らかで、ほろ酔いから本格的酔っ払いへ、さらに依存症へと変貌していきます。こうなれば、あとは悲劇が待ち構えているだけでした。
こう書くと、酒の効用と危険を対比させて警告しているみたいですが、そんなに単純で道徳的な教訓話ではありません。それだけで終わらないのが本作の良いところ。行動に責任が伴うことを描くと同時に、それでも彼らの前に差し込む一筋の光明石描かれるのです。そして酒をきっかけに4人が直面している悲喜こもごものエピソードを点描し、「生きることとは何か」を語りかけてくるのです。
老犬の介助や、子供のおねしょにてんてこ舞いするそれぞれの家庭の些細な実情は、さらっとした描写なのに伏線となって心に響きます。そこに漂っているのはやるせない酩酊感と苦しいほどの寂寥!
特にうつろな目でぼそぼそと話していたマーティンが、自信に満ちた男に変身するのを見るだけで、もう十分に面白かったです。下戸の人には「なにをバカなことを」と鼻で笑われそうですが、けっこう説得力がありました。
職場で飲んでよいものかと一瞬ためらい、飲酒して朗らかに振る舞うしぐさは実に自然で、納得!名優ミケルセンをはじめ、俳優陣は酔っ払いを演じきるため、撮影前にどのくらい飲酒したらどんな酔い方をするか、実際に飲んで確かめ、演じ方を真剣に論じ合ったそうです。
ミケルセンとヴィンターベア監督は、ぬれぎぬを着せられた無実の男を描く「偽りなき者」でもタッグを組んでいますが、本作はぐっと軽やかなんです。酔ったマーティンたちが若者たちに向けて発するのは、ほとんどが励ましや包み込むような温かい言葉でした。
その説得力を支えているのがリアリズム重視の「ドグマ95」という手法です。ヴィンターベア監督は 提唱者の一人とあって、酒飲みの描写が迫真なんです。
「ドグマ95」とはセット撮影、人工照明、効果音などを禁止するルールに則った映画改革運動のことです。それにそうなら本来は照明効果は禁止ですが、本作ではそれと分からない光源を当てて撮影しています。それでも「ドグマ95」風に見えてしまうのは、若い撮影監督の腕がいいからでしょう。
タイトルは英語で 「もう一杯」という意味。「失敗を恐れずに挑めば、人生の新しいスタートを切ることができる」ということでしょうか。自分の歩んできた人生を見つめ直し、輝きを取り戻す方法は、何も酒とは限りません。そこに思いをはせると、ただの「酔っ払い映画」ではなく、全ての悩める人への応援歌であることに気づかされます。ラストの高揚感に包まれたシーンには、希望が溢れていました。
人生は思い通りにはいかない…。本作には出会いと別れ、希望と諦観、笑いと涙などなど、あらゆることがつまっていて、今にも溢れ出しそうなのです。そして、深い懐をもって登場するすべての人の存在と感情を肯定するのでした。
最後に流れる曲の歌詞は語りかけてきます。「誰が何と言おうと人生は最高」だと。そしてこの作品をアイーダに捧げるというテロップで終わっていました。その時はなにも気にかけなかったのですが、マッツ・ミケルセンの娘役を演じるはずだった実娘のアイーダが、撮影4日目に交通事故で亡っていたそうなのです。「娘が生きていた証し、記念碑として完成させると決めた。」という監督の悲しみと決意を後から知って、涙が止めもなく流れました。
それでも「誰が何と言おうと人生は最高」なのでしょう。(2021年9月3日公開/117分)
マッツミケルセンにほろ酔い!!
血中アルコール濃度0・05%で授業する教師たちの実験。
なんとも穏やかでない!
これってもしかして実話?!
2020年(デンマーク)監督:トマス・ヴィンターベア。
アカデミー国際長編映画賞を受賞したデンマーク映画です。
デンマークの国民的スター・マッツ・ミケルセンが主演しています。
題材に選んだテーマが、斬新でした。
「アルコールを適量飲んで仕事をしたら成果は上がるか??」
企画の勝利ですね。
とても考えさせられ、また泣き笑いする、とても良い作品でした。
中年男性の悲哀を感じました。
若い頃に較べて日々体力・気力・感覚の衰えをを感じ、仕事にも飽きて、妻にも新鮮味を感じない。
一番の問題は、彼らの教師としての授業が退屈なことです。
仕事への情熱が失せたため、生徒から受けないし、
授業に魅力が無いのです。
マーティン(マッツ・ミケルセン)は歴史の教師です。
脈絡のない授業に生徒はスマホをいじったり、途中で抜け出したり・・・。
遂には情熱のない授業に父兄からダメ出しを食らいます。
同じ悩みを持つ同僚の音楽、心理学、体育担当の4人で実験開始です。
やってみるとリラックスできるし、授業はノリノリで面白くなリ、
教室は笑い声で沸き立ちます。
合唱の授業でも生徒は素晴らしいハーモニーを響かせることに。
気を良くした4人はアルコール濃度をあげてみます。
マーティンは、更に限界に挑戦すると言い出す始末。
さてエスカレートした実験の結果は?
(ほろ苦いです、ビールより苦い)
高校生の若さは眩しいです。
若さは宝物と気付く映画でもありました。
挿入曲がセンス良くて映画を盛り立てます。
「デンマークに生まれて」の美しいこと。
デンマーク人は愛国心に溢れてますね。
そして何と言っても、マッツ・ミケルセンです。
ラストで見せるダンスの格好良いこと。
(なんとバレエアカデミー出身なんですねー)
黒いスーツの下の身体の線の引き締まってること。
(体操の選手だったこともある)
デンマークの宝は、くたびれた中年男役でも、その魅力を隠せなかったです。
お勧めです。
人生は美しい
面白い試みだなと思って観てました。
マッツミケルセンの枯れた演技が素晴らしく、
前半はこの先生の授業つまらなそうだなと言う感じ
をヒシヒシと感じました。
血中アルコール濃度を0.05に保つと精神的なバランス
が良くなると言う仮説を実証して行くのだけど、
好転するコントラストをもっとハッキリ見せて欲しかったけど、それだとコメディになっちゃうのか…
まぁ想像通り、酒を飲んで仕事して行き着く先は
地獄だろうなと誰もが思うのだけど、
どうやらデンマークは高校生も酒を飲めるらしく、
この辺りの風刺にもなってるのかなと思います。
学生のキルケゴールの話がこの映画のテーマとも
思え、不安や失敗から何を学ぶかが大切であり、
この試みを全て否定しないラストも良かったと思います。
それでも人生は素晴らしい。
つまらない人生をつまらないで終わらすのではなく、
何かやってみることもまたら大事なのかもなと思える
映画でした。
だけど、自分の場合
お酒を手に取ることはやめておきます。
メガネ坊 行け!
アルコールを制御しようと思っても、既に酔っている状態でそこの判断は出来なくなりドツボに嵌ると。アルコールで楽しい授業が出来るなら、素面でもなんとかならんのかなぁ。社会科教師は効果的面みたいだったけど後の皆さんはそこまででもなさそうだったけど。妻の不倫も、寂しかったのでみんな許されるのなら不倫天国。いいんかーい。友達皆で飲んで騒いで楽しそう。
デンマークの試験が終わってからの合格とすぐに決まり、帽子を渡され卒業からのみんなでパレードして騒ぐというのは?ながらもいい雰囲気だなぁと。監督の娘さんのお話があったか余計そう思ったのかも。
鑑賞動機:マッツ6割、アカデミー賞2割、あらすじ2割
もっとおバカなコメディかと思っていたら、そうでもなく。デンマーク人は飲んだくれが多いの? 「酒臭い」と全く言われないのは目を瞑るところか。
普通の高校教師なのに、マッツさんが飲んだ時にちょいちょいセクシービームだしてくる。元ダンサーだったとのことで、ラストの見せ場も納得。えっレフン作品とか『ローグ・ワン』とか出てたっけ。
監督は「ドグマ95」(懐かし)にも参加していたとのことで、手持ちカメラなのか、学校などの臨場感ある撮り方好き。
それにしても当時から揶揄されていたけど、エリツィン(笑)。
行き詰まったときの仲間
仕事にも家庭にも行き詰まりを感じていた中年教師の同僚4人組が、実際に存在する飲酒実験を自分たちでやってしまうなかなか奇想天外なストーリー。
飲酒しながらの授業はかなりうまくいくものの、職場にいつバレるかとヒヤヒヤしつつも楽しく観た。
仕事に悩んでる風に装っていたけどやはり夫婦関係がいちばんだったね。そうだね、そういう年代だよね。うんうんわかるよ。
↑↑一旦アップ
コメディを期待するなかれ
ポスターヴィジュアルはとても陽気なイメージだが、そこはヨーロピアンコメディ、全然期待してはいけない。
主人公たちは散々な目に遭ったはずだが、「お酒は怖いよ」というメッセージを残すでもなく、結局のところ「お酒は怖いけど楽しいよ、やめられないよ」というお話。とことんヨーロッパ映画らしい。
「偽りなき者」のような辛マッツでなくて良かった
同じ監督作品「偽りなき者」が余りにも辛マッツだったので、ストレスなく観れて良かった😌。デンマークの法律に飲酒に関する年齢制限はないんですね(;゚Д゚)!。マッツいつ踊るんだと思ったら、ラストまで焦らされた〜元ダンサーだけあって、さすが美しい🕺👏✨💕。
中年たちの悲哀
カメラワークと音楽が素敵で演者さんたちがとても良かった。けど、内容はややパンチの弱いものでした。
キルケゴール 「死にいたる病」デンマークの哲学者。
「絶望」は人間だけがかかる病気で、それは人間が動物以上の存在である証拠。だから誰でもそこに陥る。あとは、それに対して目を背けずに、自分がいかに主体的に関わっていくかが重要なのだと、彼は解いてる。
人は絶望する生き物。だからたまにはお酒に頼るのもいい。友人や家族と心を通わせて自分の弱さに酔いしれるのもいいと思う。ただ、それに溺れない強さが必要。
この4人の男たちの絶望あるあるに対する向き合い方と、その結果の違い。と、まだ絶望予備軍の学生たちのお酒との関わり方の違いに、この監督さんのシニカルさが出ていたかな。
絶望がテーマだけど最後に少し希望のエッセンスを入れて前向きに仕上げてるのか良かったです。
しかし、絶望できるから人間なんだというのはちょっと悲しい。
この映画を観て、酒との距離感を測れ‼️❓
酒飲みの端くれとして、ゆうべきことがある。
血中濃度だの、酒に力で生きるだの、胡散臭いことゆうなよ、それがこの映画の主題。
酒は楽しむもんであり、それ以上でも、それ以下でも無い。
だからこんの映画では、酒でえらい目にあう、それでよし、わかるならよし。
なら、酒でひどい目にあう、楽しむ、それだけで良い。
人生はそれと別に考える、べし、別に考えて、家庭がうまくいくなら、良し、そうでなくても良し。
つくづく、良いことも悪いことも、酒のせいにはしなさんな。
デンマークみたいに年齢自由で酒を楽しむも良し、日本みたいにいじめで殺されるより、マシだね。
いいじゃん、短い人生なんだし、迷惑かけんで、呑めたら良いじゃ無い。
酒飲み万歳でいいじゃんし🙌
今、飲んでるけど、ええやろ、え。
酔っ払いです。
たとえ、仕事の効率が良くなる、楽しく仕事が進むなどという結果があるとしても、学校の先生が酒を飲んで授業するとはダメダメですな。生徒にも勧めるのはもっての他。
でも、仲間と愚痴を言い合い,馬鹿騒ぎしながら酒を飲むシーンはまさに楽しそう。観ているだけでも楽しそうだし、自分は女だけれど、女だって友達とワイワイ飲むのは楽しいし、気持ちはとても良くわかります。
でも、やはり限度があります。オネショしたり、道端で寝込んだり、家族に迷惑をかけるのは限度を超えています。
飲み過ぎには気をつけましょう、と言っている映画と思える。(映画に全く興味のない旦那に観せて感想を聞いてみたい映画です)
人生に乾杯!
お酒は好き?
好き。
毎日飲む呑兵衛ではないけど、仕事終わって夜ご飯に飲みたい時は飲むし、友人らとの飲み会はやっぱり楽しい。
飲む量は適度に抑えて飲んでいる。好きなのは、缶チューハイ1~2杯か、梅酒1~2杯か、生ビール1~2杯。その時の気分に応じて。
まあ勿論、二日酔いになったり、リバースしたり、過剰な飲食が原因で身体を壊した事もあったけど、適度に飲めばウキウキ楽しいし、いい気分。
お酒は飲んでも飲まれるな。
さて本作は、そんなお酒に纏わるユニークなデンマーク映画。
昨年度のアカデミー国際長編映画賞受賞作。
(この場を借りてだけど、『ドライブ・マイ・カー』、本年度アカデミー国際長編映画賞受賞、おめでとうございます!!)
冴えない高校教師のマーティン。授業内容はつまらなく生徒から不人気で、保護者からも槍玉にあげられるほど。
家庭でも妻子とすれ違い。
これらを改善出来る何かいい方法はないものか…?
ある時、友人らとの飲み会で面白い話を聞く。
それを友人らと実験。…いや、“実飲”。
ノルウェー人哲学者の理論で、
“血中アルコール濃度を常に0.05%に保てば、仕事の効率が上がり、人生が楽しくなる”。
…って、本当??
要は、ほろ酔い気分のまま仕事するって事でしょ…?
私の職場じゃ絶対NG。必ずアルコールチェックをするので。反応あれば、その日の業務は出来ない。強制的に。
と言うか、全ての仕事が基本そうだけど。
0.05%というのは劇中の説明では、ワイングラス1~2杯。でも、お酒の種類(アルコール度数)によっては当てにならないと思うけど…。
しらふで仕事なんかやってられるか!…とよく言うけれど。(言うか…?)
一応ルールは決めて。飲むのは仕事中だけ。18時以降と週末は飲まない。
でもねぇ…。
しかし、実際やってみたら、あら不思議!
つまらなかったマーティンの授業が、ほろ酔いのお陰か面白く評判となり、人気に。
家族との関係も円滑良好に。
活気や活力が出て、お酒様々!
嘘みたいに実験成功。
監督トマス・ヴィンターベアは、世界の歴史で酔った人が偉大な功績を残した事実に興味があり、本作の起点になったという。
人とお酒の仲は大昔から。言わばお酒は、人の運気を上向きにする友。
…でも、いい事ばかりじゃない。その“友”に溺れてしまったら…?
アル中。
いつぞや日本の大臣が世界が見る中で、へべれけ醜態を晒した事あったっけ。
飲酒運転が起こす悲しい事故。
お酒の飲み過ぎで、自分の身も心も、周囲も崩壊させる。
お酒を飲む人なら誰だって分かる筈。
お酒を飲み過ぎると、ついもっと飲んでしまう。
実験は成功。すると、ついついお酒の量が増えていってしまう。
歯止めが効かなくなる。0.05%までだったのが、いつの間にか0.1%を超え、さらに…。
目に見えて酔った状態。ふらふら、呂律も回らない。
校内で酒瓶が見つかってしまう。
デンマークでは飲酒の年齢制限が無い故、学校で生徒たちの飲酒が問題視されているという。一昔前の不良ならまだしも、日本じゃ考えられん…。
生徒の飲酒とされたが、まさか飲んでたのが先生…!
過度の飲み過ぎが遂に家族にバレ、思わぬ事態に…。
飲酒で上向きだった仕事や人生が一転、下り坂に…。
お酒は人の“友”ではなく、人を惑わす“麻薬”…?
名作『偽りなき者』のヴィンターベア監督と主演マッツ・ミケルセンの再タッグ。クオリティーはお墨付き。
ユーモア、シリアス、悲哀、しみじみを織り交ぜて、風変わりな題材や登場人物らの悲喜こもごもを見つめたヴィンターベア監督の演出が絶妙。
抑えた演技に“酔いどれ演技”…ミケルセンの名演も言うまでもない。お酒を飲む姿や仕草だけでも絵になる。
失敗事を、お酒のせいにすればいい…と何かで聞いた事があるが、そうは思わない。
お酒を飲むのは、自分自身。
失敗も成功も、自分の責任、自分の賜物。
本作は何も、お酒を飲み過ぎちゃった中年愚者たちの哀れさを咎めたものではない。
監督は、お酒云々ではなく、人生を前向きに生き生きと過ごす事がどんなに素敵な事かを描きたかったという。
ラストのダンスはその表れ。人生に喜びを見出だして。(元プロダンサーというミケルセンの華麗なステップにも注目!)
撮影中に不幸に見舞われた監督の心情も込められている気がした。
ミケルセンの娘役で監督の実娘が出演する筈だったが、交通事故で死去。
どんな気持ちだったろう。本当は撮影など手にも付かないほどだろう。
が、気心知れた盟友たちの支えで、作品を作り上げた。
何かを失っても、穴を埋めてくれる何かが人生には必ずある。
人生には様々な味のお酒がある。失敗、悲しみ…苦い味。成功、喜び…この上ない美酒。
それらへ込めた人生讃歌。
人生に乾杯!
どこの国も酔っ払いに甘い
高校教師が授業に行き詰まり、ある論文をもとに、常に血中アルコールを0.05%に保つことにする。
授業が面白くなり、生徒の評判も良くなり、更にアルコール濃度を上げることに。
そのうちアル中になるのが怖くなり・・・。
アルコールと麻薬はどう違うのだろう。
酒は飲んでも、呑まれちゃダメよ
お酒を飲むことで、力と気力がみなぎるかどうか」同僚と実証し合う。
最初はどれだけ、と決めていたのに。だんだん上限がなくなっていき。
その末路やいかに、という。
「ヘミングウェイは、夜8時以降と週末は飲まなかった」
「チャーチルは、“朝食前には飲まなかった」云々。
屁理屈三昧。でそれを真似する=仕事中に飲む・・・。
もう開いた口が塞がらない。むしろ「どうやらかす」か目が離せなかった。
WOWOW座・小山薫堂さん曰く「酔っ払ってくれる仲間がいたんだね」。
同僚との酒をめぐる友情みたいなものは、全編にありました。
私お酒は好きじゃない、飲めないわけじゃないんです。飲まないだけ。
ワープの中にいるような感覚のまま、食事の後片付けするのが嫌だし。
第一、空き缶・空き瓶誰が始末するんですかという←そこw。
「最近ちょっと家呑みしすぎちゃってるんだよねえ」な方。
この作品で学んでください。多分減らせられるかと。
#16 デンマーク映画は劇場で観たい
ただの個人的趣味と思うけど、本作は映画館で見逃してて、3月にはWOWOWで放送されるから、その前に絶対映画館で観たかったんですよ〜。
結果、多分テレビだったら観なかったかもしれないけど、やっぱデンマーク映画は独特で良いですね。
もちろん主演のマッツ・ミケルセンあっての日本公開だと思うけど、酒好きで酒の効能が語られているところは若干嬉しい。
でも飲み過ぎは絶対身体に良いわけないからこの落ち。
この落ちがデンマークっぽい。
映画館じゃないとこのこの感じ、味わえないでしょ。
ウチのテレビじゃ無理でしょ。
スケールとか音声とか関係なく、映画に集中できる映画館で観て欲しい作品。
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