「ちょっと変わってるけど今週(8/20~)本命な筋」Summer of 85 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと変わってるけど今週(8/20~)本命な筋
今年101本目(合計165本目)。
まず、タイトルから誤解しやすいのですが、この映画、フランス映画です。英語も一応出てくるところはありますが(ガールフレンドのところ)、全体でみれば95%以上がフランス語です。
また、原作が存在するので(「特集」で書かれている通り)、「墓場で踊る」という一見すると???な行為も、元ネタがあるのだという点をちゃんと理解しないと意味が分からなくなる展開は結構多いです(知っているだけでも全然違います)。
内容は多くの方が書いている通り、ある夏を描いたBLもの。ただ、BL(ボーイズラブ)といっても表現は緩めで(だからPG12扱い)、実際にはBLものでもなくても本筋自体は成立はするはずです。ただそこをそうしたのは原作を参考にしたから、なのでしょう。そのため、その観点でそれ(いわゆるLGBT問題)を提起しているシーンはないか、ほぼないというところです(辛うじてあるかなと思えるセリフが数か所あるのみ)。
私にとっては、高校生の夏休みなんてもう何十年前の話だし、ましてやフランスの海岸がある町(?)を舞台にした海岸ものの夏休み映画なんて本当に羨ましいなぁ…というところです。自然の描写もきれいだし、PG12だからといって「意味もなく」変なシーンも存在しませんし、フランス映画って時々こう、「何を伝えたいか、各自に考えさせる」映画が多いように思うのですが、これもその類型かな、と思います。
いろいろな解釈が可能だし、またこの問題はいろいろな考え方の方もいますので、この話はそこまでにしておきましょう。今週(8/20~)は新規の映画の放映数が妙に少なく、よって本命か準本命に来てしまうと思うのですが、観て損はない映画かと思います。
評価は下記を考慮して満点にしました。
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(減点0.3) この映画はフランス映画です。
タイトルこそ Summer of 85 (意訳すれば、1985年の夏、くらい)ですが、映画内ではただ単に ete 85 と出るだけです(ete(仏)=夏)。フランス映画を多く扱っている映画館もあるので(大阪市だと、テアトル梅田さんなど)、混乱するかなぁ…という気はしました。
また、字幕が一部抜けている部分があり(物語の序盤~中盤にかけて出てくるお店。お店のドアにある表示を「裏返すと」「閉店」と表示されることから、字幕が「ない」ほうは、「開店」だということがわかりますが、このように字幕がなく各自で類推しなければならない点が結構あります。フランス映画は、日本では一つの映画のカテゴリですが、かといって誰でも仏検1級とか準1級とか持っているわけではないと思うので(少なくとも、英検1級、準1級持ちとは桁のレベルで数が違うはず)、字幕がもっと丁寧だと良いかなという印象です。
(加点0.2) よくある「最後に映るQRコードを読み取って、映画の感想を投稿すると何とかプレゼント」とかやっている映画は多いですが、この映画は三密回避なのか、そのチラシ(QRコードが刷ってある)が先に配られます(ほか、プレゼントにクリアファイルがありました)。この工夫は地味ながら今の映画館の事情を鑑みればよいなと思います。
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