「“愛”と“死”がテーマなのに爽やか」Summer of 85 あささんの映画レビュー(感想・評価)
“愛”と“死”がテーマなのに爽やか
フランスノルマンディー地方のノスタルジックで風光明媚な風景とともに奏でられる美少年達の恋と失恋と死。
魅力的な舞台と美少年達の恋といえば、ティモシー・シャラメ主演で北イタリアを舞台にした『君の名前で僕を呼んで』に似ているかなと思ったけど、本作は“死”も描いているから、また違った瑞々しさとディープさが味わえる。
ダヴィドの束縛されたくない、自由にしたいといった気持ちも共感するし、一方のアレックスの片時も離れたくない、二人っきりの世界にどっぷり浸かりたいという重い気持ちも分かる。二人の関係を見ているとかつて自分も経験した10代の頃の恋愛を思い起こさせてくれる。
死体安置所での女装シーンや、墓の上で踊るシーンはコミカルかつシニカルでシュールでもある。
“愛する人の死”を乗り越え自分の物語を生きるというテーマが奇しくも同日公開された「ドライブ・マイ・カー」と同じ。
苦しみを乗り越えて自分の物語を生きるしかないのだ。それにしてもダヴィドのモテっぷり、守備範囲の広さに脱帽だわ(笑)
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