劇場公開日 2021年8月27日

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「子供にしかウケない」劇場版 アーヤと魔女 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5子供にしかウケない

2021年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

新コロ未だ衰えないどころか若者中心に絶賛拡大中、自粛自粛の窮屈を強いられたコチラ田舎では映画すらマトモに楽しめない状況(越境自粛のため)。そのためヲタ向けのニッチな作品は地場では無理なので遠征となるため鑑賞できません。そんな中、当初予定してなかった当作品を鑑賞しました。

まずCGアニメと云う訳でその画質・動画はナカナカ綺麗…と言える程ではなく、技術的には申し分ないのにデジタルを使っただけで更に上を要求してしまう欠点とも云うべき『もっと出来たのでは?』感が漂うビジュアルでした。特に髪の毛の質。
オールプラのフィギュアのソレは予告編の『ミラベル〜』の後に観てしまうと技術力の差が透け増々無機質な印象に。とは言えその辺言い出したらキリがないので問題にしない事に。毎度申し上げてますが面白ければソンなモンどーでもよくなります。

聞けばハウルと同じ作者の原作。その時点でかなり敷居が上がります。何せ感性が外国人と日本人では当然違い、ソレをどれだけ互換できるかが腕の見せ所&かなり高度な能力が問われると考えてるからです。残念ながら、宮崎吾朗の今作にその辺は巧く行ってない様子。
とにかくシーンの繋ぎ合わせの展開、抑揚に乏しく単調、主人公アーヤが常に一本調子で全体的に物語性が薄いです。原作がそうなのであれば表現で補い、改変は駄目ですが何某かのローカライズで補わないと、仕上がりとして結局凡作になります。

何と言うか、敢えて述べるに『子供騙し』に思えた作品でした。
冒頭から結末まで常に『何故?』がつきまとい、そしてソレらは大した問題ではない・察してとばかりに展開し幕を閉じます。要するに子供は個々のシーンが面白ければ充分でしょうが、自分の様なヲタはそうはいきません。結局観る作品を間違えたと云う結論にたどり着くなら自分のせいです‥‥

個人的に、宮崎吾朗は物語をどうにも巧く創れてない気がします。脚本の良し悪しも判断できてないのでは? 一方でシーンの描き方や動かし方は父親譲りの感性でよく動きよく表現されています。なのでこんな仕上がりになるのが寧ろ非常に不思議。スタッフの相性とかの問題でしょうか??
唯一良かったトコ、エンディングの手書きビジュアルが綺麗でした。そのためナゼこの絵を動かさなかったのかが謎として残りました。父親・駿と比較されたくないのかも知れませんが、企画がフルCGありきで先行したのでしょう‥‥

今回、中の人はもはやジブリ慣れした面々。こんなモンでしょうが、相変わらず悪い癖もシッカリ忘れずに搭載。この辺は本人だって本業以外の所でdisられて不本意でしょうし考えて頂きたいところです。

※文中敬称略

Geso_de_Nyoro