「正義のない世界で堕ちる二人、純愛になる時の衝動」本気のしるし 劇場版 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
正義のない世界で堕ちる二人、純愛になる時の衝動
ドラマを再編集したとは思えない濃度。それでいながら無駄のない仕上がりに度肝を抜かされた。脳内トランス状態から、純愛を感じた余韻へと一気に落とされた。
出てくる登場人物に全くもって共感が出来ない。人間臭さが感じられても、自己を第一に回す輩ばかりだ。そんな中でも最もひどいのが、主人公の辻。できる顔したモンスター。女をその気にさせるだけさせて、見返りを生まないモンスター。そんな奴が、嘘つきばかりの浮世に堕ちてゆく。
複雑に絡み合いながら、周りの人々すべてを振り切ってでも愛す。前半は、この混沌とした恋愛模様に脳内はトランス状態。気持ちが悪いくらいだ。しかし、後半からは、その糸をひとつひとつほどいていくように、関係が精算されていく。残った純愛に、あなたは余韻と衝動に駆られるはずだ。
ドラマとしてはあまりにも重く、映画としてはあまりにも出来ている。ナンバーワン級の衝動を感じること間違いなしだ。
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