劇場公開日 2022年7月15日

「素晴らしい出来に涙が出そうになった」キングダム2 遥かなる大地へ しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5素晴らしい出来に涙が出そうになった

2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私はキングダムについてはマンガもアニメも見ていない、単純に映画だけを見ている立場。そして第一作目は個人的に推しているアクション俳優が出ることを知ってそれでみようと決めた、というレベル。
なので続編としてその俳優が出ないことで、アクションの出来に要らぬ不安を感じてしまったことも事実。しかしいざ自分の眼で見てみたら...先の不安なんてどこ吹く風、スクリーンに釘付けになってしまった。主演の山﨑賢人のアクションは前作から大幅に成長していた。カット割りが少なく、それだけ素早く鋭い動きを長時間保つことのできるトレーニングを積んできたのだろうことがバシバシ伝わってきた。
私が見たいアクションはずばり、かっこいいよりもスゴイ、これに尽きる。
その意味で、前述の山﨑賢人も、今回初登場の清野菜名も、素晴らしすぎて文句などあろうはずがない。とりわけ舞台裏の話として、前作で左慈を演じた坂口拓のお弟子さんである真琴さんが、スタントダブルを務めたことで、仕上がりの素晴らしいパフォーマンスとなっていた。
そして劇中で、信と5人一組を組む他のメンバーの個性の輝きも忘れてはならない。怖がり屋や大人しい人、勇ましい人それぞれがキャラが立っていて、そのどれにも一定の共感があってハラハラドキドキを提供してくれた。ついでながら、今作は作中に展開する時間の幅がギュッと短くなっていて、それだけ濃密に映画体験を堪能出来たように思う。
以上アクションの素晴らしさを思いつくままに書いたが、もうひとつ予想外に素晴らしくて泣けてきそうになったのが、ズバリ騎馬戦の迫力!!!!!!!
これはすごい!本当にすごい!
旧来からの映画ファンなら分かってもらえるだろうが、かつてハリウッドにあった歴史超大作の「ベン・ハー」で有名な戦車レースがある。あの迫力に勝るとも劣らない戦いが繰り広げられたことは、映画ファンの立場としては涙を禁じえない。蹄の轟音、騎乗する戦士たちの迫真の表情、画面いっぱいに疾走する馬、馬、馬!!!!!これこそ、各劇場が誇る特殊音響やIMAXで堪能すべき映画ではないだろうか、いや絶対にそうである。もしこれを、いまは亡き黒澤明監督が見たら、きっと喜んでくれるのではと思えた。
私は時間の都合でごく通常の上映環境での鑑賞だったが、IMAXで見るべきだったと少し悔しくもあったw
とにかく、キングダム2は個人的にベストオブザイヤーの候補入り。文字通り、日本映画の本気をまざまざと見せつけてくれたことに感謝してもしきれない。

しんかいぎょ