いのちの停車場のレビュー・感想・評価
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いのちは誰のもの
原作を知らない40代後半、一児の父親です。
神奈川県の映画館には、朝9時から30代位~80代位までたくさんの「大人」が鑑賞しに
いらっしゃっていまして、最近は「子供と一緒に映画」しか観ていなかったので、
「一人で観る映画」がとても新鮮でした。
「いのちの停車場」という題名から、医療中心の世界の話であるとは思っていましたが、
いのちの終わり方が中心の話だと思ったのは、映画の中盤。
そこからは、ずっと涙が止まらず、周囲の方みなさん泣いていらっしゃいました。
私の場合は、特に「柳葉敏郎さん」のシーンに心を打たれ、「プラレールの音」と「息子に手を握ってもらうシーン」は、ずっと涙が止まりませんでした。
映画館で「すすりなく声がたくさん聞こえた」のが、とても新鮮で、年代によって、そのシーンは違っていたように感じました。
タオルやハンカチは、お忘れなく。
1945年生まれ同士が実の親子!?
自分は田中みん(変換できない・・・)の大ファンですし、根っからの金沢市民ですのではっきり言って相当この映画へのハードルは低いのですが、それでも吉永小百合と田中みんが親子という設定に無理がありすぎて、そのシーンの度にコントでも見ている気になってしまいます。恐らく吉永小百合を主演に何か映画を撮る、という企画が根本にあって、そこから脚本をつくっていってこんな奇妙な現象になっているのだと思いますが、そういう作り方をしている時点でろくな事にならないと思います。遠藤憲一がOL役みたいなことをこういう映画に持ち込んじゃ駄目ですよ。
松坂桃李の役の数々の行動は賛否両論だと思いますが、そこは映画なんだからあれくらい愚直な人がいてもいいと思いました。
金沢市ご当地映画としてですが、景色は時々見慣れた景色が出ておっとはなりますが、金沢市である必然性は感じられず、登場人物も誰一人金沢弁を話すことなく(大河の一滴の三國連太郎の金沢弁はさすがでした)、最先端医療は富山か福井に行かなければ受けられないと石川の医療だけ遅れている感じになっちゃってましたし、もうちょっとなんとかならなかったのかなと思いました。
ラストの主人公の医師としての判断の是非はともかく、最初7人しか患者がいなかったのを数十人に増やしておきながら辞めますはあんまりです。まほろば診療所もう終わりだなと思うととても悲しくなりました。
限りある時間をどう過ごすか…問われる映画
原作は半分だけ読んでから鑑賞した。
最近、在宅医療をテーマにした映画を何作か観たけれど本作でも色々考えさせられた。
咲和子先生と野呂くんと麻世ちゃん。
そして仙川院長。
まほろば診療所は温かなパオだった。
本作を通して学んだことはたくさんある…
どんなに人にも死は平等にやって来るということ。高額な最先端医療。安楽死への課題とか…
私も悩みながら向き合った親の看取り方。
その選択が自己満足で間違っていたのでは…と後悔している私にとって在宅医療はとても関心がある。
〝いのち”との向き合い方って本当に難しい。
相談できる咲和子先生みたいな医師がいたらどんなに救われただろうと思う。
主演の吉永小百合さんは初医師役。
とても品がいい俳優さんなので大学病院の救命救急医には見えなかった。
けれど、在宅医の優しい咲和子先生にはぴったりだと思う。
石田百合子さん、柳葉敏郎さん、南野陽子さん、田中泯さんなど豪華な俳優陣が素晴らしかった。予想以上に泣けた。
そして、咲和子先生を慕って診療所にやって来た元病院職員を演じる松坂桃李さんや訪問看護師を演じる広瀬すずさんという若手キャストが本当に素晴らしい。
特に看護師麻世ちゃん役は私の広瀬すず史上最高の演技だった。
ラーメン屋シーンは号泣。
金沢の美しい風景が彩りを添えて、患者さん一人ひとりのエピソードや生き方が輝いて見えた。
医師と患者と家族…大切な人との限りある時間をどう過ごすのか?
最期をその人らしく迎えるために何ができるのか?
〝いのちのしまい方〟を問う映画。
余談
天は二物を与えますよね。
作家として活躍する現役医師・南杏子先生が朝イチにご出演されていてポテンシャルの高さにびっくり!
医師作家は何人かいらっしゃるけど、お医者さんになるような方は小説家としても素晴らしいということなのかもしれない。努力家なんだ!
救命センターの吉永小百合さんの後ろに南先生が映ってましたよ〜
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