ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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閉塞感
必要悪、なんて言う言葉すら許さない現代の閉塞感。令和になってからのスクリーンの画角が狭くなったように感じた。単純な正義や常識からはみ出した存在を悪と規定し取り除いたところで、それは形を変えて生き続ける。ひょっとしたらもっとタチの悪い何かになっていくかもしれない。
ヤクザを擁護する訳ではないけど、聖と俗、清濁を合わせのみ、許容することはいけないことなのか…
今は誰もが社会に意見を開陳する手段を持っている。それは束の間、快感や娯楽をもたらすのかもしれない。でもその快感や娯楽で、自分の存在を誇示出来て、あたかも自分が解放されたように感じているなら、あまりに一面的で、その快感や娯楽が、自分を気味の悪い閉塞された空間に押し込めることもあることを意識するべきだと思う。おそらく、この物語のように、それは突然それぞれの身に降りかかってくるものなのだろう…
単純で不躾で独善的な正義ばかりが、大きな顔して闊歩する現代の怖さ、哀しさを感じました。
シノギをかけての切った張ったの世界
シノギをかけた切った張ったの世界はヤクザだけでないと感じました。
後半尾野市原が職を無くします。コンプラという時代ヤクザもシャバも変わりないと思い。
役所もやがてはAIに変わり産廃も福島原発最終処分場など時代の変化に?
生き残りをかけた人間同士の切った張ったの世界になるかも?と思い。誰にでも居る場所など無くなるのかと?冷たい時代を巧く描き我々に問いかけます。
親父という存在がこの日本から無くなり随分たちますが大ラス若い2人が親父の幻影を語ろうとして終わる。本当に夢のある国にして欲しいとねがわずにはいられず。
新聞記者同様に平成史を巧みに使い。今の我々に問いかける監督にはキツイけど参った。
舘ひろしの、時が静止するような佇まいを堪能する一作。
綾野剛、舘ひろしをはじめとした主演俳優が、暴力団構成員という難しい役どころを演じただけでなく、20年にわたる人生の移ろい(いわゆる「老け役」)も演じた作品。綾野剛は序盤の暴走する若者の危うさだけでなく、初老にさしかかった男性の疲れた佇まいも見事に演じています。
舘ひろしの苦み走った男の演技は、もちろん手慣れたもの。専用のスタイリストさんによって、どんだけ老けてもヘアスタイルだけはビシッと決まっているところはさすが!中盤以降は他の出演者がどんどん老いていくのとは対照的に、舘ひろしだけは時間が止まっているという、なんとも『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』な状態に。
前半は綾野剛が組織の中で成り上がっていく、という良くあるピカレスクロマンの展開。だが物語の核心は、長い時間的な断絶を経た後半部分から。ここで現在の暴力団がどのような状況にあるのか、構成員達の境遇から明らかになっていきます。表題は「家族」を前面に出しているけど、本作で取り上げられる家族とは、まず暴力団という「疑似家族」的組織を指しており(もちろん物語の周辺部分では、それ以外の家族像も描かれるわけだけど)、むしろ「疑似家族」と一般的な意味での「家族(世帯)」の関係は切り離されています(舘ひろし演じる柴咲の人物設定からも明らか)。この点に、少しテーマに対する踏み込み不足を感じました。
いわゆる「暴力団対策法」によって、暴力団構成員がほとんど人権侵害に近いような状況に置かれていることを、個々の登場人物の生活描写によって示していく、という演出ももちろん大事なんだけど、どうも「あれもこれも暴対法」と、台詞で片付けられる場面が続くため、どのように法的な問題があるのか、という、より大きな問題として捉えにくい、とも感じました。「警察も同じような奴らなのに、のうのうとしているじゃないか」というエピソードも、いかにも陳腐というか、暴力団側の悲哀を強調するためのとってつけたような要素にしか見えないんだけど…。
こうした、藤井監督の前作『新聞記者』(2019)でも垣間見られた、ちょっとイメージが先行しがちの演出がなくもなかったけど、長めの上映時間を中だるみもなく作り上げた構成力はさすがです!
Family und .....
以外に奥が深いのかも。(笑)
やくざの世界。(笑)
初代がいて、とりまきで、その下、そしてその下。(笑)
時代とともに、社会の変化とともに。(笑)
初代の方法がなかなか使えなくなってきて。(笑)
そんな移り変わりと、いろいろと。(笑)(笑)
スクラップ アンド ビルト と。
もっとはやく解散していればよかったのかどうなのか。(笑)
まあ仕方がなかったし、あれはあれで最適なのかどうなのか。(笑)
アクションなど昭和な感じで。(笑)
ある種の深さと、それゆえの、伝統的な、ヤクザ映画なのかどうなのか。(笑)
ある意味、深いようなどうなのか。(笑)(笑)
ヤクザ映画に新しい方向性を示したような作品
正直当初は観る気は無かったんです。
が、お嫁さんが面白かったと言ってたのと、レビュアーさん達が思いの外好印象だったから足を運んで観てきました。
こうゆうのちょっと気になると観たくなりますよね。
で、結論から言うと観に言って良かったです。
いわゆるヤクザ映画とは違い、でもそれらはちゃんと踏襲していて新しいヤクザ物になっていたと思います。
それぞれの世代を三遍に渡って描いたのは中々の試みだったと思いますね。
それとオープニングとエンドに見られる構成。そう、まず思ったのはスコセッシを彷彿とさせる作品作りだった事でした。
もちろん意図したものでないかもですが、それらをヤクザ物に落とし込んだのはとても面白かったです。
前半と後半でガラッと変わるのもメリハリがついて観やすかったし、感情移入しやすかったですね。
それと主演の綾野剛。芝居というか表情の切り替えが自然ですごく良かった。
メイクでなく、芝居で時間の経過が感じられるのはすごい。舘ひろし他、役者陣も良かったですね。
物語は皆家族という場所が欲しかっただけなのに、気がつくと指の間からこぼれて行く。
そんな連鎖を自分の世代で断ち切るかのような描写、少し悲しくもとても良かったです。
エンドロールでの歌も作品の最後に相応しく、深みを増していたと思いますね。
何か、ヤクザ映画に新しい方向性を示したような作品でした。
いや、とても面白かったです。
えんとつ町のヤクザ
『ヤクザと憲法』というドキュメンタリー映画で今のヤクザ世界をかいまみていたおかげで、物語に入りやすかった。今時ヤクザをやっていても食っていけないという言葉は事実なのだろう。そして、構成員を辞めた後でも5年間という厳しい縛りが待っているのだ。
かつて任侠映画、ヤクザ映画、実録モノといった作品群もヒットしていたけど、これだけヤクザ社会を美化していない映画も珍しい。しかもとてもリアル!アクション中心の作品ならば、まるで虫けらのように人を殺していくのに、この作品は違う。命を奪うことの恐怖、躊躇、虚脱感が漂ってくる。言い換えれば命の尊さまでもがメッセージとして感じられる社会派作品ともとらえることができるのです。
1999年のシークエンスはさすがにやんちゃな雰囲気でしたが、ここでも命を奪われる恐怖を経験した山本(綾野)と子分たち。家族がいないことで親子の盃を交わすこととなり、ヤクザの道を突き進むことになる。女に対しては純情なキャラもかつての高倉健を彷彿させる綾野剛だが、ムチャクチャ強いわけでもない。他に何もできないプーだったからヤクザに誘われ、義理と人情の世界にどっぷり浸かることになるのだ。
暴対法が施行されてからも肩身の狭い思いをする中で、やっぱり抗争や義理・人情は捨てられない。元々シャブには手を出さなかったクリーンさも観客を惹きつける要因だが、復讐の感情だけは抑えきれない。出所後の2019年には柴咲組のイメージの落差も凄かった。組員も激減し、幹部までもがしらすの不法漁猟によって食いつないでいる有様。さらに除籍になってからの産廃業者の若者にネットで拡散・・・
オヤジ(舘ひろし)との家族関係もさることながら、殺された元オヤジ木村の妻(寺島しのぶ)と息子の翼(成年:磯村勇斗)との関係や、由香(尾野真千子)と娘、細野(市原隼人)と妻子の関係もクローズアップされていた。反社と繋がりのある者もみな排除。だったら警察との癒着や政治家との繋がりもあるだろうに・・・と、某元総理にまで憤りを感じてしまった。結局は権力者がその地位を守るためにヤクザも生き延びてたんだから・・・
なんといってもこの作品の完成度はオリジナル脚本の緻密さに加え、役者の好演にも依るところが大きい。迫力ある恫喝や繊細な心、みんな素晴らしい演技。結局、人間の弱い部分も見せてくるから感涙してしまうんだろうなぁ。
最近はいないけど、元ヤクザのタクシー運転手は多かった。大手は刺青禁止だし、接客・サービス業として地位を確立したから、敬遠してしまうのだろう。まぁ、チンピラっぽい運転手はたまにいるけど。
ヤクザが激減して平和になったか?翼の仲間ように半グレみたいなのも増えているし、彼らには義理人情なんてものがないのが普通だから、また藤井監督にも頑張ってもらいたいところ。その翼に絡んだ終盤の展開もよかった。悲しかったけど・・・
ヤクザも家族。家族も家族。泣けるヤクザ映画。
ヤクザ映画と言えば、金、力、女をメインに据えて勢いのある映画が多い中で、この映画はヤクザとして生きる弱い人間にフォーカスして描かれており、ヤクザの人間らしさを非常に感じ取ることができる映画だった。
ヤクザ映画で泣いたのは虎狼の血以来だが、あの時はヤクザ側の義理人情に泣かされたこの映画は人間側の義理人情に泣かされる。
そんなに長いこと生きていないが、移り行く時代とヤクザの対比があることで、実際にその年数を生きてきたように見ることができる構成にまずは驚く。
その時代の切り方と、綾野剛のヤクザとしての強さと人間としての弱さ、社会情勢が相まってスッと感情移入できたことで泣けるヤクザ映画と感じることができた。
ラストシーンが特に良かったな。
時代ごとに移り行く人間たちの点の感情が集まる。それはすぐに壊れてしまうものだが、心の底には義理人情が残っていて、感情の高まりが起こる。
良かったんだけど、ちょっと長いと感じたので☆4つ。
戦いと人間のシーンでメリハリがあるのは非常に良かったが、
少し間延び感が否めない。
綾野剛ももちろんよかったが、磯村勇人も最高に良かった。
尾野真千子の学生は笑ったが、ラストの涙は泣けた。
小宮山莉渚はメモっておいた方がいいかもしれない。
リアル
柴咲組の年配の舎弟2人と見習いみたいな若者の身なりや動きが、ヤクザと憲法にでてきた人たちとそっくりで面白かった。てことは、かなりリアルってこと?
ヤクザと憲法見た時も思ったけど、国家権力の方がよっぽどおっかない。
過去と現代の生き方
熱量あふれる渾身の一作
ヤクザってカッコいいな
大傑作の令和任侠映画
孤独なチンピラが家族を欲して家族を得るそして家族のために生きて家族に裏切られて家族に殺される。冬の華以来のせつない任侠映画の大傑作です。
斜陽産業の暴力団を令和の時代に映画にするとこういった世界観になるんでしょうね。仁義なき戦いは昭和ならではの世界。30ちょいでこれ作る藤井監督あっぱれです。
脚本も演出もキャスティング全て素晴らしい。とくに冒頭の綾野剛がこの世界に入るまでのあらすじもわかりやすく女性や任侠もの初心者でも乗りやすいと思います。
綾野剛はこういったアウトローの役は絶対外せません。市原隼人も今回は抜群に良かった。唯一気になったのは尾野真千子が女子大生に見えないだろうと違和感全開でしたが、綾野剛演じるケンジの「老けてんなぁ〜」のセリフで良い意味で帳消し。
河村プロデューサーの手がける作品の質の高さは驚愕の一言。脚本監督の藤井道人は30ちょっとでこれを作ってしまう才能は末恐ろしいです。
食わず嫌いをせず万人に観て欲しい傑作と断言いたします。
クラウンからプリウスへ
あまり、ヤクザ映画は好きではなく、本作も観る予定ではなかったのが、レビューが高評価だったので、鑑賞。現代の新しい視点でのヤクザ映画として、確かに訴えてくるものはあった。
時代の移り変わりと共に、ヤクザの車もクラウンからプリウスに変わり、次第に社会から排除され、落ちぶれたヤクザの哀愁を描いている。たとえどんな理由があるにしろ、人の道を外れてきたヤクザの末路としては、当然ともいえる結末。決して、美化してはいけないし、その点で感情移入は、全くできなかった。
しかし、ヤクザとして成り上がっていく主人公の短気で、不器用で、真っ直ぐな男の生き様を演じた綾野剛は見事!ヤンチャなチンピラの10代から、行き場のないヤクザとしての運命を背負った40代まで、陰を感じる風貌の彼だからこそ、よりリアリティもあった。
冒頭シーンで、物語のラストシーンもある程度見えていたが、そこに至るまでの主人公の紆余曲折を、藤井監督ならではのカットや演出によって、迫ってくる。しかしそれだけでなく、やはり脚本が素晴らしかった。
また、脇を固めていた、舘ひろし、北村有起哉、小野真知子、谷原隼人は、実際にこうした人物が存在するかのようなピッタリの配役。
その中で特に輝いていたのが、若手の磯村勇斗。これまでの甘い役柄とは、全く違うチンピラ役を、ベテラン俳優相手に、堂々と渡り合っていた。今後が楽しみな俳優だ。
ラストが.....‼️
最後まで引き込まれてしまいました😃
1人の役者さんが20年の歳月を演じても違和感を感じさせない、綾野剛に脱帽です。
本当は、☆4つにしたいのですが、ラストに主人公の山本がなぜあの修羅場から堤防に行けたのか⁉️山本を殺した細野は、なぜそこに山本がいると分かったのか⁉️
あり得ない設定に急に冷めてしまいました。
良く日本映画にあるのですが、今まで作り上げてきた世界観が一瞬で台無しになってしまって本当に勿体ない映画です‼️
あえて、☆2つにさせて頂きましたが、観る価値のある映画です🎬
ヤクザと家族 The Family
とにもかくにも令和になったらスクリーンサイズをスタンダードにして閉塞感を演出する発想だけでもスゴい⤴️⤴️
ウェス・アンダーソンの「グランド・ブダペスト・ホテル」とは真逆なんだもん‼️
大枠ではヤクザ映画ではあるが、どちらかというと社会派な映画。
単純なヤクザ映画では?と思い観ましたが、そうではなく社会派な映画です。
社会的にヤクザを淘汰していく、でも淘汰だけで彼らの人権というか、社会的な部分は無視されている。
それがこの映画でいうところの”家族”の部分だと思います。
ヤクザと関わる家族も、家族での存在意義があり、生活などもある。
でもなかなか社会は受け入れようとしない。
時代が変わることでヤクザな面影はなくなっていく。でも居残る人達への影響は大きい。
社会として遠ざけず受け入れていく、これは難しいところですが、もっと考えていくべきと感じました。
エンターテインメントというよりは社会的なテーマ。
私は社会的なテーマに共感しました。
非常に興味深い内容の映画です。
社会派映画が好きな人はお勧めします。
愛の形
主人公の選択の連続が結果的に主人公にとって悪い方向へ流れた。でもそこの選択には必ず愛があったように思う。私達の人生もそうだ。何かを得るには何かを切り捨てなければならない 。この主人公は愛する家族のために自分を犠牲にした。混沌とする現代を生きる私達にとって愛とは何か深く考えさせられる作品である。
SNSの怖さはヤクザ以上
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