「モノクロで際立つ"立場"と"心情"のギャップ」パラサイト 半地下の家族 モノクロVer. わたろーさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロで際立つ"立場"と"心情"のギャップ
パラサイト 半地下の家族。カラー版を外出自粛前に鑑賞し、モノクロverも鑑賞してきました。どちらにも良さがあったように思います。
物語については「出来るだけネタバレの環境を避けてとにかく見に行くべし」というスタンスです。何度も見ることで、どのセリフにも伏線に繋がったり、観賞後の余韻に浸ったりできるヒントがたくさんあります。突き抜ける強引さは過去作の方があって好きですが、完成度で言えばポンジュノ監督の最高傑作と言って良いでしょう。
モノクロverの良さとしては、白と黒が二項対立のように使われることで、それぞれの家族の"立場"と"心情"の格差と複雑さのギャップぶりが際立つことにあると思います。
日射しが照りつけるシーンはそれぞれの登場人物にどう見えているのか?予告編にも出てくる血に生命力はどれほど宿っているのか?外面は明るく見えるけど、内面は?上の立場にいるとされる者が必ずしも幸福度も上だと言えるのか?考える余白が増したように思います。
そう思えるのは、カラー版を見たからかと言われれば、そうなのかもしれません。だとしたら、モノクロverが作られた意義も明確にあると言えるでしょう。
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