劇場公開日 2021年2月5日

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「オチが意味不明」哀愁しんでれら おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オチが意味不明

2021年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ワンデーフリーパスポートの1本目

今回初めてイオンシネマのワンデーフリーパスポートを利用してみました。一日中、映画を観て、しかもフリードリンク付きで2500円とは、お得すぎてびっくりです。そんなわけで、上映時間をきっちりチェックして鑑賞プランを立て、1本目に選んだのが本作です。

本作は、「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 2016」でグランプリを受賞した脚本の映画化らしいですが、そのコンテスト自体を初めて聞いたぐらいで、予備知識ゼロでの鑑賞です。

ストーリーは、不幸のどん底にいた女性が、ひょんなことから出会った医者と結婚し、裕福な暮らしと幸せを手にしたかに見えたが、夫の異常性に引きずられてしだいに壊れていくというもの。

前半は、主人公の小春が、仕事のつまずき、家族の急病、自宅の火事、彼氏の浮気と、一気に不幸のフルコンボを食らったかと思えば、たまたま知り合った医者の大悟と結婚し、一気に玉の輿の階段を駆け上っていきます。少女マンガにありそうな出会いから恋に落ち、結婚に至るまでがテンポよく普通に描かれます。土屋太鳳さんのかわいさとまぶしい笑顔にやられ、もうこのままハッピーエンドでいいじゃん!と思えてきます。

しかし、結婚後、徐々に不穏な空気が流れ始めます。なんとなく感じていた、田中圭さん扮する大悟への違和感が確かなものになり、これまでの幸せ全開の雰囲気が一転して、サスペンスフルな緊張感が漂います。いったいこの家族に何が起きるのか、どのような結末を迎えるのか、観客の興味がそそられます。

それなのに、終わってみれば、「なんだこのオチは!」というような意味不明なものでがっかりでした。親はどうあるべきか、子供への愛とは何かを問いかけそうなテーマを感じていましたが、実際にはそこになんの主張もなく、投げっぱなしな感じです。タイトルの「しんでれら」も、前半はともかく、後半の展開にどう結びつくのかわかりませんでした。

小春、大悟、ヒカリのバックボーンがしっかり描かれていれば、もう少し共感したり理解したりでき、作品のおもしろさが増したかもしれません。そういう意味では、この脚本がグランプリ受賞したことにも、いささか疑問が残ります。期待していただけに、やや残念な印象の作品でした。

おじゃる