「It’s happening in...」ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
It’s happening in...
安易な選択をするのではなく、自分が信じられる部分を己に見出せるまで探し求めよという若者への檄文のようでもある。グッドウィルハンティングを想起した。
東洋系女子と白人青年というあまり記憶にないバディーが実に楽しい。ポール青年の屈託のない笑顔(絶対コイツが書いたメッセージじゃない)がコメディ感を高める。
田舎町を切り取る美しさもこの作品の特長である。天然温泉で仰向けに浮かび、その半身が水面に映り込む姿は美しく、この作品タイトルも連想させる名シーンである。後、何気ない衣装にも興味。エリーのカラフルなボーダーインナーやアスターのジージャンの着こなしが楽しい。衣装といえば、狂気のピンクのマフラーに笑ったが、mud kingと馬鹿騒ぎする白人コミュニティのトラッシュぶり、他方、ゾンビ映画を笑うアスターと分断表現が顕著である。
ラストシーンの出来の良さで作品全体を温かく仕上げている。なんでもないようなことが幸せだったと思う。エリーに幸あれ。
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