「キャラは魅力的だが…」モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け 七さんの映画レビュー(感想・評価)
キャラは魅力的だが…
特典目当てもあり、内容も1回では把握しきれないので2回観ました。(YouTubeの試写会含め実質3回?)
ゲームはやってるので当たり前ですが知ってるキャラクターが活躍するだけでも見応えはありました。動きや表情もハイレベルなCGで細かく表現されてて、バトルシーンなんかも盛り上がってて良かったですし、声優さんもベテラン勢なので感情が篭ってて安心して観れました。そしてオペコがかわいい。(重要)
ただ後になって思い返すと色々疑問に思う点がありました。まずは生命の樹が復活しなかった理由について明確な理由がなかったのが腑に落ちない。おそらくスルガトの一撃が甚大で既に修復不可能・またはビナーの目論見でビナー自身も悪しき天聖にカウントされて復活出来なかったと勝手に考えてます。
そして劇中のクイーンステラに会いに行くキッカケになったゼフォンの寝言ですが、仮にゼフォンがクイーンステラの存在を知ってたとしてもタイミングといい寝言にしては無理矢理な気がしました(笑)
そもそも個人的にゼフォンはクールビューティなイメージだったので、天界で治療されてる時に取り乱してる姿に少しイメージが崩れて残念に思いました。それとルシファーはゼフォンが裏切ると予測してたと言ってますが、そうなるとクイーンステラの存在はそもそもルシファーかカエサルから聞かされた可能性も浮上します。それならゼフォンがオラゴン達にクイーンステラのことを告げ口する体で裏切りを予想してたなら納得ですが…それなら別に最初から教えず仲間に加える必要もなかったのでは?とも思いました。まあルシファーが見た未来の中にゼフォンがいたとなれば分かりますが…なんともハッキリせず歯痒いところ。
そして最後の問題点はラストのオラゴンとビナーとの掛け合い。正直どちらの言い分も同意せざるを得ない理由がありました。オラゴンは今まで繋いできた出来事(思い出)・ルシファーの思いを無駄にしたくないに対し、ビナーは天聖の裏切りで実質無駄死にのような結果になった姉の命をやり直すために世界を創り直そうとしますが、ぶっちゃけビナーの言い分の方が結果的にみんな復活して大団円な気がしました。まあ観客という視点では納得できませんが、当人達からすればその方が一番の解決策な気もします。
ですがオラゴンは食い下がらず「 お姉さんに託された希望の光を絶やしちゃダメである! 」的なことを言いますが…極端に要約すると「 自分はルシファーに未来を託されたから、ビナーがお姉さんの跡を継いで生贄になるである! 」と言ってるようなものかと。オラゴン自身、生命の苗木から世界を創り直すのにビナーが犠牲になるとは知らないかもしれないですが、結果論としてビナーは苗木に取り込まれる描写とお姉さんに再会するような描写があったため犠牲になったとしか…。その割にはみんなルシファーに感謝するばかりで決心して元の世界を復活させたビナーの覚悟に対してはあまり触れてないのが引っ掛かります。ビナーは自信がないだけで彼女なりに一生懸命姉の代わりとして頑張って戦って…それでも生命の樹(姉)を再生出来ず、絶望してしまって唯一の解決方が見つかったから実行しようにも思いとどまってオラゴン達を救ったのに最後の扱いが雑な気がしてなりませんでした。ビナーも可愛いのに…(本音)
本当にハッピーエンドにしたかったなら、わざわざビナーを黒幕にするのではなく別の方法で生命の樹を復活させる脚本で良かったと思います。
それらを思うと劇中泣けそうなシーンもありますが、観終わった後の消化不良感が否めません。せめて後日談でビナーは実は生きててみんな仲直りして終わってほしいと切に思います。