「ダイバーシティでもダメなものはダメ!?」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ sweet back mantraさんの映画レビュー(感想・評価)
ダイバーシティでもダメなものはダメ!?
私って90年代に小プロやメディアワークスなどが翻訳したアメコミを読んでいた程度の知識で
イオンシネマにて鑑賞しちゃうんです。
ほら、株式優待券を持っているからその程度の知識でもイオンでシネマ出来ちゃおう訳で。
もちろん前作は観てますけどね。
あ~、優待券で食べるポップコーンはうめぇなあ。
という軽い自慢をしてからのレヴューです。
時は90年代…、あの懐かしい雰囲気がスクリーンで観れるのかと涎が垂れそうになりながら釘付け。
…白人男性と黒人女性のカップルか。あの時代って異種カップルは今ほど多くなかったような気がします。
そして現代が舞台に。あれ、刑事さんが補聴器をしている。
キャラとしては珍しいな、色々な所への配慮かな。
(後に伏線であることがわかる)
ここで私はダイバーシティ的な視点での鑑賞になりました。
設定がさ、考え方が別々なのに共存している主人公エディとベノムさんとか、
互いに惹かれあっているクレタスとフランシスだけれどフランシスの能力がカーネイジさんと相容れないとか、
もうこれはダイバーシティ。
よし、これは寛容性ある人間になるための授業だと思うのだが、
開始10分程度で、「あー、でもベノムさんが私に寄生されたらムリかも」状態。
だって偉そうで(実際に知識と体力すごいし)、暴力的だし。
エディもそう思ったらしくベノムさんと仲たがい。
私はエディなら共感・受容できそう。
なぜならエディって一見は計算機付きマッチョメンかと思わせ、ただの落ちぶれメンだし。
無意味にバイクをウイリーさせるし、アンに未練があるし。
エディが無意味にバイクをウイリーさせている一方で、
相方と喧嘩別れし感情が昂ってしまい、クラブのパーティで多様性について一席ぶつベノムさん。
そしてそんな姿をあいつに見せたかったとうなだれるベノムさん、むむむ、愛らしいではないか。
TPOをわきまえず、道徳的説教をしたことでフィメールMCを困らせたことも許せそう。
ここからグッと親近感がわく。二人ともがんばれ~。
で、仲直りのためにアンに寄生しているベノムさんに謝るエディ。
いや、どっちもどっちの喧嘩だと思うけどまずは謝った方が大人だよね。
相手が意地っ張りだとなおさらね。
しかし本当は頭の良いベノムさんがアンに対してもエディが謝るように仕向けたのかもしれません。
素直に伝えられないからね、エディは。
(だってアンはミー・ウィズアウト・ユーにも主演していたイカレ娘だからね)
で、キスをしてアンとエディは元鞘で、ベノムさんはいつも以上に口角が上がりニンマリ…、
とはなりません。この辺、リアルだよ。この感じいいよ。ダイバーシティだよ。
お台場シティにしけこめないんだよ、リアルは。
そしてカーネイジさんとベノムさんのバトル。
もう40近いオジサンだけれどたまにこういうの観たくなるんです。
でっけぇマッチョが殴り合っていろんなのを破壊しまくる。
BGMはIQが下がれば下がるほど良いラウドな音楽。
そこでコーラとポップコーンを下品に胃へ放り込む。
心技体ですよ、これ。
最後はカーネイジ側は共存できず、ベノム側が共存できている、その差でベノムが勝利。
(具体的になぜ勝てたのかはよく分からんけど、そんなことを気にするのは野暮ボーイ)
まさにダイバーシティの勝利。
そんでクレタスがエディと「友達になりたかった」発言。
ここもダイバーシティアンサーが聞けるのかと期待。
「いやぁ、難しいね…」という返答を頭を食いちぎるという表現とともにするエディ。
まさにRHCD(リアルハードコアダイバーシティ)。
まとめると
倫理観もあり、コメディ的な部分もあり、アクションもあり、美女もいて良い映画です。
私はアンがベノムさんをおだてるところが好きでした。