マイルス・デイヴィス クールの誕生のレビュー・感想・評価
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一回目は吉祥寺の小さな映画館、二回目はNetflixで
三回目の鑑賞になる。一回目は吉祥寺の小さな映画館、二回目はNetflixで。何故また見るか?いつの間にかレビュー消されちまった訳さ。さて、
・『いつか王子様が』が白雪姫とは?恥ずかしながら、始めて気がついた。それぞれ、別の曲で、題名を深く知らなかった。
・『ビッチェズ・ブリュー』実は僕は大嫌いな曲だった。この映画を見て改めて聞く亊にする。
・ジョン・コルトレーンやエリック・ドルフィーを愛する僕としては、彼を受け入れる事は長年出来なかった。でも、この映画を三回鑑賞して、彼の偉大さを理解出来たかも知れない。ビートルズに於いてジョン・レノンが、唯一の牽引者と見る向きに対する異論と同じだと思っている。ポール・マッカートニーを忘れていませんか?と言う思いと同じだ。
・僕がJAZZを聞き始めたのはBig Bandの時代で、マイルス・デイヴィスはすでに『ビッチェズ・ブリュー』を発表した後で、酷評を受けていたと記憶する。僕はそれに『ならえ』したわけである。それは間違っていないと思うが、しかし、彼を作った黒人としての魂をすっかり見落としていた。この映画でそれをわずかばかり取り戻せた。
何度も観たい…
15歳の頃から聞いて親しんだジャズ、そしてマイルス
こんな音出す人やっぱり他にいないんだな…
と2時間の映画に凝縮されたものを観て思った
一緒に50年代60年代70年代と演ってきた人たちのインタビューも本当に貴重で
今思えばクインシー・ジョーンズはマイルスより随分若かったんだな、と…
もっばらマイルスのプライベートには興味なかったけど
こんな恋愛体質だったのね…でなきゃあんなバラード吹けないか…(笑)
新しい彼女でファッションセンスまで変わるとは面白い
けっこうな時間ブランクがあったことも知り
その復活には驚きと喜びを感じたほど
ビバップ→モダン→フリー、ファンク、エレクトリックと
マイルスだけでジャズの変遷をつぶさに見てとれる
素晴らしい映画を作ってくれたな〜
石岡瑛子展でTUTUのジャケットを見て
あ!マイルスの映画まだ観てなかった
と思ったらNetflixに上がってきた…
ありがとうNetflix
この日「スティーブ・ジョブズ」と
二人の天才の映画を観たんだけど
映画としてはこちら、ものすごく感動
天才の苦悩
マイルスディビスのドキュメンタリー映画。
ジャズはあまり興味が無かったから、名前は聞いてるくらいで、作品は聴いたことが無かった。
トランペットで良い音させてるのは分かったし、色んな新しいチャレンジをしたミュージシャンなのもわかった。
でも、やはり、薬に手を出して、パートナーに暴力振るってたんだね。
すごい人なんだとは思うけど、ミュージシャンのドキュメンタリーってこんなのばかりのような気がする。
天才の苦悩なんだろうか。
名前くらいしか知らなかったマイルスディビスの事をある程度知れたのは良かった。
It never enterd my mind こんな事になるなんて思ってもみなかった
学生時代ジャズでコンバス弾いてました。地元交響楽団の第一コンバスの方に師事。シマンデルの非音楽的な練習課題を綺麗に弾ける様になるのが嬉しくて、自分自身をしごき倒す生活。あれって、なんて言うの?かっこ良く言うとストイック?現実はマゾだったよねぇ、ただの。自虐生活だよ。それでも、三連の裏に潜り込む様に他の誰よりも早く音を出して作り出すビートに、皆が後から付いてくるスリル感を味わうと、ジャズ、と言うか4ビートは止められない。完全に中毒。クラシックを除けば、おそらく全ジャンルのベース弾きは、同じスリル感を味わってるはずです。
就職を機に演奏は停止。音楽を続けていると、多分、仕事辞めちゃうだろうな、と言う予感があったんで。キッパリと演奏は辞めましたが、定年退職したら再開したい。と。女房に話したら「バカなの?無理よ」と言われました。何が無理なん?「家で音を出すな」だって。ケチ。山奥まで行け、一人で行け、そのままそこに住め。くらいの事はいわれそうなので、引き下がりました。今ね、無音コンバスってあるの知ってる?完全無音じゃないけど。Bodyがソリッドなんっすよ。これ、買っちゃおう。
という事で。ジャズの話になると長いです。戦史の話も長いけど。
映画が始まって直ぐに、自分がマイルスの私生活の事を全く知らない事に気づいた。妻?子供?全然知りませんもん。Someday~ のジャケット写真が当時の奥さんのフランシス・テイラーだったなんて、初めて知りましたから。うっげぇ、です。君のプリンスは俺だろ?ってうそでしょ?Milesが、そんなロマンティストだったなんてw
インタビューには登場しないけど、さすがにマイルスともなるとフィルムに写る面々がすご過ぎます。若き日のビル・エバンス、ちらりと登場。ちょっと待って、そこでフェンダーローズの前に座っとるの、痩せこけたボサボサ頭のメガネ君はチック・コリアじゃあーりませんか!
そもそも。
ハンコック+ショーター+ロン・カーター+トニー・ウィリアムスと言う、私ら世代から見れば夢の様なカルテット(フレディー、ごめん)の若い事!トニーとか17歳?何やて?考えたことも無かったけど、トニーとハンコックの年齢差なんて。10代でマイルスのユニットに参加してたんですね。カッコ良過ぎです。バスドラとハイハット以外、全部オカズ。しかも無茶苦茶切れてるw
クインシーと言い、ギル・エバンスと言い、若いしカッコ良い。クインシー・ジョーンズはアレンジャーとして、現在の音楽シーンに多大な影響を与えました。Stuff Like That や Dude なんて、今聞いても無茶苦茶かっこ良い。ギル・エバンスは、マイルスみたいに、ハコが休みのMonday Nightに、77th Str.のSweet Basil に新進気鋭のミュージシャンを集めて演奏会をやってて、これが死ぬほどカッコ良い。コンダクターとして、若手や陽の目を見ないスタジオ・ミュージシャンを集めて、有機的に発展する音楽を創り出す。って、マイルスがやった事と同じです。
コロンビアへ行きたくて、マラソン録音されたプレスティッジ4部作。コルトレーン、ガーランド、フィリー・ジョー、ビリー・コブ。痺れるなぁ。It never enterd my mind も Stella by Starlight もMiles が演ればクール。普通に演れば、単にリリカル。それ以前に、あまたある映画音楽から、これらを持って来る感覚がクールだす。にしても、コルトレーン、すでに往ってます。もう、手が付けられないw
とにかく、見終えて思ったのは。
俺もやりたい。
これだけです。この歳になって仲間を見つけるのは、しかも広島で。難しそうだけどw
就職で、こっちに来た時、実はコンバスが恋しくて、仲間を探してJazz喫茶周りをしてたんですけど。なかなか嗜好の合う、かつ実力的に俺でも大丈夫な人が居なくて。いずれにしても、女房を説き伏せて楽器購入しなくては、事になりません。作戦練らなきゃw
そうそう。
ローレンツ・ハート作詞による「It never enterd my mind」は、失恋した女性のイタイ心を歌ってるんですが、裏には「自己の出自を隠さなければならないユダヤ人」の状況を、自虐的に表現していると言われている歌です。ローレンツ・ハートもユダヤ人なんですね。
イエス・キリストの言葉に耳を貸さないどころか裏切ってしまったことで、イエスはゴルゴダの丘で磔となる。「It never enterd my mind」=「こんな事になるなんて思ってもみなかったんです」
歌詞の中にある”and now I even have to scratch my back myself"
「今では、自分の背中を自分で掻かなければならないの」なんて、失恋した女の子が言う?
背中=ウシロメタサを自分自身でかき消さなければならない=過去(の罪)をかき消さなければならない
ちょっと意味深な歌詞の曲を取り上げたマイルス。このプレスティッジを去るためのマラソン録音で。思うところがあったんでしょうかね。
と、マーカス・ミラーもマイク・スターンも老けたなぁ。
なんて他人の事は言えないでしょ!
良かった。最高でした。
今更ながら新しい
まだまだ新しいジャンルのjazzの帝王と言われる所以が垣間見れた。映画音楽の死刑台のエレベーターでの即興演奏はたまらなくかっこよかった。元妻への愛。激しい嫉妬。人嫌いと言うマイルスの実に人間らしい葛藤もある。ランボルギーニミウラがこれほど似合うキャラクターも居ないだろう。今夜はマイルスのどのレーベルを楽しもうか。
マイルスはクールの象徴だった
若かった頃の僕のなかでのマイルスの印象は、この映画でも映される晩年のちょっとサイケデリックなものだった。生野菜の旨さを知らなかったようにジャズの良さもわからなかったし、ましてや、ファンキーなファッションのマイルスがTVに出てても、なんだかイカれたオッサンがちまちまラッパ吹いてる、としか思えなかった。
歳をとってビル・エバンスやチャーリー・パーカーを聴けるようになってからマイルスを改めて聴いたとき、その洗練さに、目から鱗が落ちた気持ちになった。なんだこのカッコよさは??と。まず、そんな滅茶苦茶カッコいいマイルスが存分に出てくる。クールで、スタイリッシュで、エレガント。ソフトで、メロウで、センシティブ。猛禽類の獰猛な眼差しでいながら、愛をささやくようなメロディー。こりゃあ確かに夢中になるわ。
でも、彼も人種の壁にぶち当たる。おそらくマイルスを殴った白人警官は、人々を夢中にさせている黒人トランぺッターなんてもともと興味がなかったのだろう。もし知っていたとしたらかえって厄介で、それは憎しみの対象でしかなかったはず。だから排除されようとしたのだ。何を成しても、むしろ有名になるほど、差別の現実に打ちひしがれたマイルス。なんだか「グリーンブック」のような話だ。
それからのコカイン中毒はもはや、成功したミュージシャンの規定路線かよ、と残念な思いになった。裏返せば、それだけ追い詰められていたんだろうけど。
全編にわたり登場する、マイルスの人生を語る友人たちと幾人もの恋人。今まで知らなかったマイルスの人間味を存分に堪能できた。黒人社会にとって、ビシッとスーツを着こなして颯爽と人生を闊歩するマイルスがどれほど誇りであったろう。その支持は、晩年明らかに毛色が変わった音楽を奏でていても変わらなかった。でも僕にとっては、やはりクールな彼のままでいて欲しかったけど。
あぁそういうことだったんだ!
ジャズに詳しいわけでもなんでもないけど、
マイルスデイビスの音って不思議な官能感があって好き、けど、後期の彼の音はぶっ飛んでてちょっと付いていけない、
そんなモヤモヤが、あぁそういうことだったんだってなれた作品。
ジャズってその時代性から反骨的な気概を読み取りがちだけど、マイルスはあくまでスノッブに音を追い求めた人でした。
心に残ったフレーズ
「マイルスの音は、センチメンタルでないロマンチックに溢れてる」
懐かしいジャズ
昔、2年位ジャズばかり聴いていた。
その頃よく聴いていた曲にたくさん再会した。
不思議な感覚。
名前くらいしか知らないと思っていた。
お金持ちで、才能があっても、黒人としてアメリカで生きることのしんどさ… きっと今も続いている。
振り返らない生き方こそ
彼との出会い、それは私がトランペットを手にした理由そのものー。
彼を言い当てるという作業は困難そのものだ。その中で先ず、彼を語り尽くすには到底こと足りない2時間の尺で、近親者の言葉をベースに丁寧に紡いだ表現もヒップであった。書生ごときが帝王を語ろうだの滅相も無い事ではあるが、彼の人生に、取るに足りない平凡な一時は存在せず、それ故、まだまだ語り尽くされていないエピソードは多分にある。その中でも、彼の根底にある美意識や深層心理、アンビバレンスな一面を理解する点で苦労はいらないであろう、人間マイルスを確認出来る貴重なエピソードの数々は、正に音楽遺産そのものだ。バンドが移り変わる中でも、共鳴し合える若いミュージシャンとの創作や異ジャンルからの刺激、そして彼を支えた多くの女性との時間… 活動の源である彼等との交流の中で、彼は奏でるメロディーにそっと弱気を吐き出し、その事を恐れない。何よりもCOOLな瞬間である。理論から入ればフィーリングを失う…印象的な言葉も次々に飛び交っていく中、改めて“安定を嫌った挑戦者”であったことを突き付けられる。黒人としてのアイデンティティを含め「プライドの人」であったマイルス、永遠に色褪せない存在である。
初めてちゃんと知りました
マイルス・デイビス、もちろん知っていましたが、ちゃんと聴いたことはありませんし、
生い立ちもよく知りませんでした。
ただ「すごい人なんだろうな」とは思ってました。
観終わった感想・・・「めちゃくちゃかっこいい男じゃねーか!」です。
生き様が格好良い、
劇中の本人演奏の曲が格好いい、
映像の中の本人の佇まいが格好いい。
変化し続けることを求める・・・ある意味求道者だったのかなぁ?
だから常にギラギラしていたのかなぁ?
いやはや、カッコイイ男でした。
このギラギラ・・・見習いたい。
クールな面構え
勇しくシャドーボクシングを披露する姿、なんとも傲慢な態度、女性に対する扱いや嫉妬心など、顔そのまんまで見た目どおりな人間性を感じる。
そんな反面、音楽に対する探究心と柔軟性が優れている印象が、理不尽に警官に殴られて血だらけな姿はショッキングで、帝王と言えど人種差別に苦しんだ現状が。
ギル・エヴァンスってビル・エヴァンスと関係が?ってな位にJAZZは敷居が高いイメージは払拭されない、二十代の頃に背伸びして買った「Sketches Of Spain」に「Bitches Brew」,「On The Corner」に映画館で観れた「死刑台のエレベーター」の話もあって一安心。
ボブ・ディランがフォークからエレキに、マイルスも同じようなことを、ジミ・ヘンドリックスやスライ・ストーンからの影響を、ジャンルを問わずに意欲的に活動をした姿に、当時のファンは何を思う、本作含め?
演奏するシーンや本人のインタビューなど、動くマイルスをもっと観たかった、皆、モノマネをするんですね、嗄れた声を??
映像で読むJazzの歴史とDavis’ biography
Miles Davisについて、すでにたくさんの伝記や自叙伝が出ていたり、数多くの映像や音源から、彼のパフォーマンスの素晴らしさやその功績をたどることは簡単にアクセスできる。本作はジャズや彼を知るための、あくまで入門編といった要素が強いかもしれない。
50年代以降のジャズの歴史は百花繚乱で複雑怪奇な世界だ。そのすべてを先入観なく理把握するのは不可能に等しい。
ハードバップからモーダルのジャズへと、ジャズそのものがもっとも輝いていた50s から60sにおいてMiles Davisがそのメインストリームを歩んできたことは紛れもない事実であり、彼の足跡を辿ることはジャズの歴史を概観する意味合いで大いに役に立つはず。
乱暴な言い方だが、彼の存在は戦後落語界の立川談志のそれに似ていて、「彼らの世界」に対する発展の貢献は計り知れないほど多大であり、決してstandardではなものではなく、すべてにおいて唯一無二の存在だ。
映画で気になったエピソードは、Milesのような「大物」でも、白人警官から不当な尋問と暴力を受けていた事実。しかもN.Yで。50s の米国なら当たり前の事実だったということか。
個人的なMilesとの出合いについて。パンクとハードロックにのめり込んでいた高校生の頃、友人から借りたMilesのCD「Kind of Blue」の中身に衝撃を受けすぎて、その日は全く寝つけなかったのを今でもはっきり覚えている。spiritualやfunk、club jazzに趣向が移っても、最後は彼のもとに帰っていく。
マイルス・デイビスの様々な影響や刺激に満ちた生涯といかに彼がストイ...
マイルス・デイビスの様々な影響や刺激に満ちた生涯といかに彼がストイックに未知なる新しい音楽を求めたか、そして皆マイルス・デイビスの真似をするときは声を異様なほどかすらせしゃがらせる。クールにブルーに大胆に、他の追随の許さなかった彼だけに見えていたものスゴイ進化論のスケッチ。決して衰えの知らぬ創造性どれだけクリエイティブなんだ! 転機となる出来事に浮き沈み、問題点。彼の熱狂的ファンから何気なく再生を押したであろう一見さんまできっと等しく楽しめるドキュメンタリー映画。例えば映画『死刑台のエレベーター』のサントラにまつわる逸話など彼らしいエピソード・武勇伝も色々出てきてスリリング。前衛的な挑戦の連続で野心的な真の表現者のあるべき姿がここにある、尖りすぎ。駆け抜けるように彼には常に"今"その時々しかなかった。ジャズに精通していなくても圧倒されてしまう。妻だったフランシスの若かりし頃のチヤホヤされまくった美脚モテ自慢話が止まらない、だって「また一人、私に惚れただけ」みたいなスタンスでカメラの前でご機嫌かつわ怒涛のように話し続けるからビックリしたものだ。それくらい実際マイルス・デイビスの人生に大きな影響を与えた人だったのだろうけど、多少切っても良かったのではと思ってしまった。昔の偉人についてのドキュメンタリー映画あるある、関係者の自慢話始まる。カメラを止めてくれ
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