護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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利根(佐藤健)は役所に放火して服役していた。 動機は生活保護制度に対する憤りだった。 出所してすぐに工場で働き始めた。 周囲を寄せ付けないヒリヒリするような態度が際立っていた。
動画配信で映画「護られなかった者たちへ」を見た。
2021年製作/134分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2021年10月1日
佐藤健
阿部寛
清原果耶
林遣都
永山瑛太
緒形直人
吉岡秀隆
岩松了
倍賞美津子
瀬々敬久監督と言えば「楽園」(2019)がよかった。
中山七里原作と言えば「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」(2020)
林民夫脚本と言えば「空飛ぶタイヤ」(2018)、
「白ゆき姫殺人事件」(2014)がある。
利根(佐藤健)は役所に放火して服役していた。
動機は生活保護制度に対する憤りだった。
出所してすぐに工場で働き始めた。
周囲を寄せ付けないヒリヒリするような態度が際立っていた。
そして、生活保護を担当する役人
(永山瑛太、緒形直人)が次々と拉致されて殺された。
捜査の結果、利根が浮上する。
笘篠(阿部寛)と蓮田(林遣都)は利根の仕業と断定し、
その所在を追う。
利根は逮捕されたが、また誘拐事件が起こる。
容疑者は意外な人だった。
なかなかのミステリーでサスペンスだと思う。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
『社会から護られる者と護られない者』
『社会から護られる者は護られない者の差は何なんのか』
当時被災地宮城県では
「特定新興宗教団体関係者だけが優先的に支援を受けている」現実を目撃している。
映画では
支援物資の配給の際主人公の女の子が列に『並べよー』と列の最後尾に追いやられ配給を受けられない状況が描写されている。
それと重なって見えた。
同じ様な事は
市役所の生活保護の手続きや介護保険受給の審査でもあると恩師より聞いている。
日本人の宗教観と倫理観は一体どうなっているのか?
『仲間意識と差別の境界』は何処にあるのかと考えさせられる映画だ。
「地域のため」「公正公平」「世界平和」を声だかだかに謳っても本音は建前でしかなく実際は差別の正当化にしか寄与していない現実。
考えさせられる。
声をあげること
☆☆☆★★★(ちょい甘💧) 原作読了済み。簡単な感想。 予告編を見...
☆☆☆★★★(ちょい甘💧)
原作読了済み。簡単な感想。
予告編を見ていたので、原作からの大きな改変があるのは事前に了承済み。
以前から、この監督だと原作からの改変は必須だろう…との予想は出来ていた。
結論から先に言うと。原作の良い部分は残しつつ、原作では足りない部分を補完してはいた、、、一応は。
「じゃあ良い作品になってるんだよね!」…と言われたなら「まあ…そこそこには」、、、と言わざるを得ないかも💦
この監督作品の場合、以前から(原作の改変を)少しやり過ぎてしまうきらいがあるのを気にはしていたので…
原作では《全ての人は護られる資格がある》との視点から物語は語られる。
しかしながら、映像化された本編で優先されていたのは〝 震災で亡くなった人々への鎮魂歌 〟の意味合いが強く出ていたように思える。
思うに原作者目線では、せっかく社会的弱者を救う制度でありながら、不正受給やヤクザのシノギ(映像化だと千原せいじの場面)等の隠れ蓑となり本当に必要な人には届かない。
その原因として。申請しても上限が決められている為に、より多くの人を振い落とした者が評価されてしまうお役所体質への批判が描かれていた。
しかしながら、映像化された作品で重要視されていたのは【震災】
映画本編は、あくまでも震災に心を押し潰された人達の苦悩に寄り添い、そんな人々の近い将来に訪れて欲しい《希望の光》を描いては、感動作品として描きたい、、、との思いが見て取れる。
それが良いか悪いかは、作品を観た人に委ねられる訳ですが。
とにかく、原作部分の多くで細かな改変があるのですが。1番デカイ改変部分は、やはり最後に明らかになる◯人像でしょうね。
原作だとちょこちょこっと登場するだけに、真相が分かる場面では「ああ、なるほど」…と言った感じではありました。
でもこれを映像化してしまうと、《如何にも◯人感》が強く出てしまい。「なんだかなあ〜」と、文章だと読者の想像の範囲内であるものが、映像化すると映像ではっきりと見えるだけに。大胆な改変が、逆に仇となって(如何にもな2時間ドラマっぽい)薄っぺらく見えてしまうのが本当に勿体ない。
とは言え、映像化には映像化の良さがあったのは書き込んでおきたいと思う。
…とその前に、原作の1番ダメな部分として、連続殺人が起こる時期の都合の良さがある。
何故この時期に?
まあ、そうでなければストーリー的には盛り上がらん訳ではありますが、、、
そしてその順番は1番接触が難しい人物を最後に。
原作にはっきりと書かれていたのが「2人目の殺人が明らかになると(その繋がりがバレてしまい)3人目のターゲットは直ぐに知られてしまう」〝 だから急がなければ 〟とゆう事だった。
読みながら「だったら最後のターゲットを1番先にすれば良かったモノを!」…との感想しか浮かばなくなってしまう。
更には。この事件の発端は、震災による悲劇から生き延びた人達の辛い日々や苦悩があった。
それは事件を追う刑事の笘篠にも言えた。
原作には描かれてはいなかった笘篠の苦悩。
それを前半部分に伏線として映像化し、後半に回収する脚本は、原作での中途半端な描かれ方のモヤモヤを解消してくれていました。
それを映像化だと、ラストの或る人物の告白で【明らかになる真実】から。笘篠の心に澱んでいた苦悩が浄化されるストーリー展開に…
う〜ん!やっぱり少しやり過ぎかなあ〜と。
急に狭い範囲の話になっちゃってるしなあ〜(^^;;
ただ、、、それだけに、原作では震災部分は(詳しく)描かれないだけに。映像化では笘篠の過去の描写を描く事で、映画独自の伏線を生み。それらを後半で回収する事によって、映像化の狙いでもある【家族愛】の物語の側面を描く…とゆう意図はそれなりにしっかりとは伝わって来た。
原作では1番下衆な人物だったターゲットになる人物が、何故か人間味のある人物像として描かれていたのか?は1番の謎。
最後に明らかになる、けいが書いた障子の◯書は原作の方が良い。
(原作だと)けいの死体解剖結果で、胃の中にはティッシュペーパーしかなかった…事実を描かなかったのは、何かに配慮したからだろうか?
2021年10月8日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン4
プロフェッショナルな人たち
それは無理がないか?
理解できなかった者たちへ
ちょっとストーリーに無理矢理感があり過ぎました。本作の見どころは、それぞれの俳優さんたちの名演技、好演技。重いテーマの作品にある緊張感を途切れることなく、維持させています。
とは言え、利根くんやカンちゃんがあのような行為に至ってしまう動機が弱いというか無理矢理というか、個人的には理解できませんでした。不正や杜撰な対応に我慢出来ず、義憤に駆られ犯罪に至る、というのは分かるのですが、あんなに猟奇的でまるでSAWの病的な殺人鬼のような行為に至るって…、本当に理解できませんでした。
震災後のあらゆるトラウマや生活保護、不正受給、そんな重いテーマを真剣に考えさせるためには、ここまでのストーリーにしないと、みんな気づいてくれない、考えてくれない、そんな想いがあったのかもしれません。
原作とは「同名」の完全別作品です。
震災、生活保護に言及した社会派ドラマ
公務員の人に一見はしてほしい。
ストーリーなどは他の方のレビューがわかりやすいので割愛します。
私は生活保護担当ではないですが、生活に困窮する市民に対応する課に属する公務員です。
本作品を鑑賞する前は、自分の職種への意識などありませんでしたが、ストーリーが進むにあたり、その意識はより強く考えさせられるものへと変わりました。
本作品で出てくる行政業務における原理原則という考え方。これは、公平公正な行政を行うには特に重要な考え方だと思っています。不明確であったり臨機応変であれば、それはかえって、混乱や不平等を生みます。
そして、この考えに従った判断により、対象から外れることもあります。
本作品は、この対象から外れた人達に対して、原理原則だから仕方ないと終わるのか、それとも、終わらすべきではないとするのか、私自身もこの葛藤は業務の中であるので、凄く意味を持った映画となりました。
生活保護制度を通し、本作品のメインとなる対象者以外に、不埒な対象者、同情はできるがルールを破る対象者なども描かれ、原理原則の是非について考えさせられる作品でした。
最後に、終盤に犯人がSNSであげるメッセージがあります。これは本当に重要なことだと思います。
難しいテーマ 善悪とは?
登場人物、全員が『善人』である。(?)
Amazonプライムで視聴。
お勧めいただき、早速観てみました!
間違いなくいえるのは、良い作品でした!
役者陣がGOOD!
佐藤健、阿部寛は安定の…!ってところです(^^)
この作品は観る人によって解釈が違うと思います。
何が善で、何が悪か?
殺害される人も『善人』で、殺害する人も『善人』でした(?)
この『善人』の基準とは何か。
『この人は良い人、悪い人』の基準は人によって違う。
利害によって違う。
距離感で違う。
主観、客観で違う。
人•時•所で違う。
シチュエーションで違う。
そして、みんながみんな、自分の考えこそが『正義』だと思っている。無意識に。潜在的に。
『弱者は見捨てて構わない』と思う人もいる。
一方で『弱者を虐める、権力者からは搾取しても構わない』と思う人もいる。
さらに、『弱者を虐める者は殺しても構わない』と思う人もいる。
どれも間違いである。
いずれも、ここに欠如しているのは『愛』である。
お互いを『思いやる気持ち』。
本作の登場人物たちも、それぞれが『思いやる気持ち』がある『善人』達である。
しかし、立場によって、利害によって、『憎しみ』が生まれる。
本当に難しい問題だ。
この問題が、民族規模、国家規模の憎しみになると『戦争』になる。
この世界から『憎しみ』が無くなる日を願うばかりです。 『憎悪』を捨てて、『愛』や『許し』に変わる日まで。
映画最高!
阿部寛濃い演技はノーサンキュー
東日本大震災×生活保護
がどんな化学反応起こすのかなと思っていたが
拙的には落ち着いた感じがして
響かなかった良質な作品。
佐藤健もなんかすごくなったね。
うんうん
お前は父親か
60点
イオンシネマ草津 20211016
重いテーマだけど、キャストも素晴らしく良質な映画
震災の悲劇の根深さと社会の闇の根深さ。
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