「護ることが出来なかった者たちの鎮魂歌」護られなかった者たちへ シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
護ることが出来なかった者たちの鎮魂歌
東日本大震災で、生き残った人たちの悔恨と魂の救済をテーマにした重厚な社会派ドラマです。瀬々敬久監督は、こう言うドラマでは抜群の腕前で、生活保護制度の矛盾を声高に叫ぶのではなく、震災時と震災後の登場人物の苦悩を丁寧に描いています。この抑制の効いたタッチとエンタメ性のバランスが絶妙で、ドラマとしてとても見応えがあります。役者は主演、助演共に好演ですが、阿部寛の虚無感漂う瞳、佐藤健の抜き身の刃のような瞳、倍賞美津子のどこか暗い瞳など、眼の演技が印象的でした。
コメントする