「当たり前とは何かを考えさせてくれる、刑事ドラマとして、そして震災を通じて生活保護の意味を訴えかける作品」護られなかった者たちへ かずくんさんの映画レビュー(感想・評価)
当たり前とは何かを考えさせてくれる、刑事ドラマとして、そして震災を通じて生活保護の意味を訴えかける作品
あの日あの時、大勢の人が犠牲になった震災で誰もが疲弊していたあの瞬間。
心の余裕などなくて如何しようも無い中で、見ず知らずの他人同士で心を通わせ「幸せ」を実感する瞬間。
生活保護という「当たり前」を保証する制度を通じ、保証されていく人とされぬ人。
凶悪な事件を皮切りに、過去に起きた悲惨な災害を思い返す刑事ドラマとしての一面。
この三者がバランスよく盛り込まれ、「何が当たり前なのか」、「何を当たり前とするのか」、「誰が当たり前を保証するのか」を描いた作品。
守るではなく「護る」だからこそ意味がある、涙無しには観れない映画でした。
劇場という大スクリーンでだからこそより感じる、恐怖、失意、希望、そして未来 。
一見すると描き切るのが難しい内容を丁寧に描写し、その中にも伝えたいことを軸に、様々な人の思いを少ない時間の中でも伝えきった素晴らしいものでした。
是非劇場で観てほしいです
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