「護られるはずの者たちへ」護られなかった者たちへ おばさんさんの映画レビュー(感想・評価)
護られるはずの者たちへ
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公開2日目で早くも鑑賞できたけど、土曜日のレイトショーで結構人が多かったな。私は震災等の被害の少ない地域に生活してるので報道や特番等の情報でしか認識する事出来なくて、本当の意味での被災の悲惨さは理解出来無いのかも。安易に大変だねなんて、安全な場所で生きる自分が言えるはず無いと思っていて。この映画は震災によって生活が一変してしまった、特に高齢者や身体的精神的に障害を持っている人を対象にした生活保護に焦点をあわせていて。本来保護を受けるべき人が受けられないという現実、権利があってもそれを利用しようとしない理由、観てとても考えさせられた。殺人事件も起きるんだけど血が飛び散るような凄惨さはなく、でもじわりじわりと時間をかけて追い込んで行く手口が、生活困窮者の訴えに思えて逆に怖かった。そういう悲しい時間の中で、利根君とカンちゃんとケイさんの血の繋がりの無い心の家族の触れ合いが余計に涙をそそった。最後の阿部さんの「助けようとしてくれて有り難う」って言葉は、息子に対してだけの言葉では無かったと私はそう感じた。
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