「思ってたよりあっさり」護られなかった者たちへ もや子さんの映画レビュー(感想・評価)
思ってたよりあっさり
震災、貧困、孤独、疲弊、復讐と悲しくてやるせないテーマたくさん。金曜ロードショーとかでやってたら家でぼーっと観たい系の映画。
面白いといえばおもしろかったけど率直に言うとストーリーが自分の想像通りだったのと、少し前に重すぎた映画「空白」を観たからか何かテーマや役者さんのスケールのわりにあっさりしてて物足りない気持ちになってしまった...
清原果耶ちゃんはあの若さであんなに哀しい顔を見せれるの最高だし、ちょっとしか出てないけど内田慈さんの途方にくれた顔とか怖いなって思うくらいリアルだし、倍賞さんの「え」が「い」になっちゃう田舎のお婆ちゃんの話し方優しすぎて愛しいし、細かく言うと所々は大好きなんです。
が、全体が、情報少ない阿部寛と無口すぎる佐藤健メインで進むので感情移入しきれずさらっさらーとしてしまったような。
阿部寛は主役ぽいわりに警察としての活躍や、過去、家庭の思い出のシーンも特にないから最初から最後まで印象薄くて、何でお前だけが急にこの事件に執着してでしゃばってる風になるんや?他の警察官も被災者では?その態度なん?こんな態度ならどうせ良い父親でもなかったのでは?って何か反発心のようなものさえ芽生えてきて特に入り込めなかったw原作の二人の刑事はもっとまともだったと思うんですが、謎の変更いります?
相方の林君は、キャリアとか苦手意識とか小言言うシーン結構あったけどそもそも話にそんなに必要な存在だったのかも謎いから捜査シーン全て薄くて謎い。林君がいらないわけじゃないけど代わりにもっと健と果耶ちゃんと倍賞さんの尊いシーン見たかったかも。
佐藤健はふてくされ兄ちゃんからの回想シーンの優しい「行ってきます」が温度差凄い。高低差ありすぎて何とかかんとかよ。でも最初セリフなさすぎるし、序盤ほんと不審者。パンの配給受取プッツンも冷静に考えると不器用通り越してやばい奴なのよ。
あと瑛太の役の性格設定やばない?良い人としても公務員としても成り立ちがわかめ。
あとあと私の心が疲弊してるからか、もう桑田佳祐さんの歌をまともに聞けなかった。明日は今日より素晴らしいって、何かもう励まし疲れ?なのかエンディングで息がつまってしまった。