劇場公開日 2021年10月1日

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「今、この時だからこそ」護られなかった者たちへ nazionaleさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今、この時だからこそ

2021年10月1日
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思うにこの作品に真の意味での悪人というのはいなかったように感じる
それぞれの立場や正義があり、どの考えにも正当性が存在する
全てを救うことは出来ないということも事実であるだろうし、原理原則に乗っ取る というのは不正受給や過度な業務量などを鑑みても致し方ない部分もある。

ただ、救われなかった。最後の頼みにすら見放された人々の思いは計り知れない。
もしかすればそれは逆恨みなのかもしれない。
それでも社会の最下層に取り残された人々の声は、そういったことでしか届かないのもまた事実だ。そう強く考えさせられた。

震災によって潰えてしまった命、そして生き延びたけれども社会の隅でかき消されてしまった命
救いの手を差し伸べられたかもしれない
そういったひとつひとつの命に手向けるような、作り手の思いを感じました。

コロナ禍という未曾有の事態の中、困窮する人々が全国的に溢れている今だからこそ
そういった人々を社会がどう護ってくべきなのか
改めて響くものがある。

nazionale