おろかもののレビュー・感想・評価
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登場人物の掘り下げ方、関係性の展開が秀逸
両親の死以来、支えあって生きてきた兄と妹。そんな兄が結婚することになるものの、どうやら兄には他に浮気相手がいるようだ。本作はまさにその現場写真を妹が望遠レンズでカシャリと激写する場面で幕をあけるが、探偵のように兄を尾行する妹の関心は、いつしか相手側の女性へと向けられていく————こうして文字にするとどこか薄暗さや閉塞感すら感じるかもしれないが、本編から受けるイメージはむしろ真逆だ。素晴らしい人間描写。巧みな関係性の展開。決して押し付けがましくもなく、軽妙さと誠実さとの合間にあるタッチで観客を物語の内部へグッと引き込んでやまない。「結婚」というまさに家族のかたちの変容する過程に着目し、あえて妹のモヤモヤした視座から物事を見つめることで、刻一刻と深度を増す彼女の気づきと発見と洞察が一人一人の人物を実に魅力的に輝かせていくのだ。各々の感情のせめぎ合いをじっくり長回しで収めた場面も見応えがあった。
落ち着いている
邦画にありがちなセリフの絶叫が少ない。
結構な事件が起きても淡々としている。
ある意味、現実的かもと思った。
村田唯さんが気になり検索してみたら印象がだいぶと違くて驚いた。
劇中ではいかにも泥棒猫という感じがしたが、役作りとはいえ脱帽した。
兄に対する妹の感情みたいのものがあまりわからないけど、ある意味で...
兄に対する妹の感情みたいのものがあまりわからないけど、ある意味では、姉になる人への複雑な両義的な感情もあるのだろう。
とても妹っぽいと思う。
主人公の子がいい。
お兄さんもとても偽善的というわけでもなく、駄目なやつなんだろうけど。
空気感はいい。
最後のシーンがいい。
でも、男の駄目さに優しすぎてつまんない。
不思議な空気感、知らずと引き込まれる
結婚間近の兄の浮気相手と仲良くなって…と展開されるストーリー。主人公の妹視点を中心に展開されるが、兄の浮気相手やスパイス的にクスリと笑いを提供する中国人の友人などが非常に魅力的な人物でキャスティングと演技が良かった。ドロドロ恋愛修羅場を想像しますが、そうならない展開も斬新。
妹が婚約者に兄と浮気相手の写真を見つけられたシーンで、妹は尾行して写真を撮っただけの設定なのに、相手の名前までスラスラしゃべっているのは違和感を感じました。
クズ兄
両親が亡くなってから9年。兄・健治(イワゴウサトシ)は1ヶ月後に結婚するというのに別の女性と浮気を続けてて、その現場を妹の洋子(笠松七海)が目撃してしまった。洋子は好奇心で浮気相手を尾行し、彼女が入ったレストランに乗り込み、その女性・美沙(村田唯)と対峙するが、美沙のたたずまいや柔らかな対応によって彼女に興味を持ってしまった。そして衝動的に、美沙に結婚式を邪魔しよう、と提案し共犯となるという話。
あまりみかけない展開で興味を持って観れて良かった。
笠松七海と村田唯のコンビが世間一般的には良くないことをしてるのになぜか応援してた。
クズな兄がなんとも憎めない、のほほんとしてたのが印象的。
笠松七海が江口のりこや室井佑月に似てて、これから良い女優になりそうな予感がした。
女優陣の素晴らしさが際立つ
ストーリーがシンプルに面白し、キャスティングが秀逸!
主演の女優2人(笠松七海、村田唯)の素晴らしさは勿論、新郎に裏切られる新婦役の「猫目はち」のクセの強さったら!
登場人物全てのキャラが立っていて、どこか不思議ちゃんオーラが充満してる感じ。
そして、この日舞台挨拶で登壇された芳賀監督の映画愛も感じられた、素晴らしい作品だった。
個々に光るものを感じつつもあまりハマらず、初インディーズでいい経験に
舞台挨拶付きで鑑賞。おかげで汲み取れたところも多かったので、割とハマらなかったのかも。
不倫相手と妹が手を組み仕掛けるのは、結婚式の妨害。角度さえ違うものの、兄に対しての憎悪を武器に画策する。 そこから見えるのは、「不倫相手」という立場の人間味と、愛への問い。ニュースならば悪者として抹殺しておしまいとする、そんな人も「人間」であることを忘れてしまいがちなのだ。不倫相手の美紗から醸し出されるのは、人間として決して強いわけではない哀愁。洋子の持つ観察力から浮かび上がる姿が鋭くて痛い。そんな洋子だが、兄と二人三脚で駆け抜けて来たはずなのに、クズに堕ちた姿に呆れている。かといって、自分にこれといった人間性を感じられない。「真人間」を目指すくらいなのだから。そうした芯の無さが混沌とした感情に、蹴りひとつ付けられなくなっている。諸々映し出される息苦しさと小さな賛美を感じるのだが、チャプターの終わりがスパッといくので、なんだか咀嚼できないまま流れていくことが多かった。引き込まれていれば、もっとジーンと響くような気がしたが、そこが惜しかった。ただ、あのラストに不思議と正解を感じている。
インディーズの映画をちゃんと観たのは、何気に初めてだったかも。個々のキャラがしっかりと際立っていて、屈折しているはずの世界を受け入れられた。ある意味、これはこれでいい経験。
これは惹きつけられる作品だった
素直にいい作品だと思う。
両親が9年前に亡くなり、兄の健治と二人で生きてきた高校生の洋子。結婚を目前に控えた兄の浮気現場を目撃した洋子は、浮気相手の美沙と対峙する。
村田唯さん演じる美沙が凄く魅力的。洋子がその存在に惹かれるのも十分納得できる。家に出入りするようになった兄さんの婚約者も受け入れ難かったんだろうなぁ。
洋子と美沙は結託して結婚を阻止することになるが。
そこからの展開が秀逸だった。笠松七海さん演じる洋子が出ずっぱりで皆の思いを吸い上げていった。美沙の思いも、婚約者の思いも真っ当だった。洋子自身も自分の思いと向き合った。兄はだらしないが、彼とて憎めなかった。
それぞれに身勝手かもしれんが、皆前を向いていた。ポジティブなバイブレーションに元気をもらってしまう予想外の展開に感動した。
そう、『アルプススタンドのはしの方』を観たときと似た感覚。昨年公開の日本映画のベストの一本だろう。
レベル高い自主制作映画
狂気にまみれたドロドロな映画なのかと思ったら、今時の家族・人間模様・思春期青春物語なのね。気持ちがイイ?作中の人物に共感?不思議にいい具合に入り込めた面白い映画でした。
アジア圏の他の国でもウケそうな気がする。
すごく丁寧な映画
見終わった後に「おろかもの」というタイトルの意味がわかった。
男性が見ても女性が見ても面白く出来ている。
とあるシーンなんかまるで西部劇、ドキドキが止まらなかった。
自主制作ってのが信じられないくらいよく出来た作品。
スパゲッティ乾いちゃってるね
両親が他界して9年、以降2人で暮らしてきた兄妹の、結婚間近の兄が浮気していることを知った高2の妹が、浮気相手の女性に会いに行き巻き起こる話。
人の癖を見抜くのが得意な辛いもの好きの妹。作中で辛党って言っているけれど、辛党は酒飲みのことですよ。
兄を尾行し、密会相手を尾行し、浮気相手の女性に凸ったら、連絡教わっちゃって仲良くなちゃってと展開していく。
最初から相手も自分が浮気相手であるということを知っているし、知ったうえで付き合っている様な体で話が進むところにちょっと違和感。
投げかけて、あっさり知ってるよの返しがあった方が印象的だし、作風にあってる気がしたのは自分だけ?
まあそれはそれとして、高2女子には接したことのないタイプの彼女に何となく興味を惹かれ、シンパシーを感じて行く様な流れがユニークでとても面白いし、中国人の友達のキャラが、堅くならない様に上手く作用していて良い感じ。
ちょっとドロドロっとした様な内容で、どうなっていくのかと思ったら、山場の展開は???
コレはちょっと自分には良くわからないし、イマイチ盛り上がりませんでしたわ…。
まさか友達が発していたヤツの気じゃないよね?
エピローグの空気感は良い感じだったけど、なんだかちょろっとはぐらかされた様な感じ。
田辺弁慶映画祭
早くに両親を亡くした高校生の洋子、もうすぐ結婚する兄の健冶には、美沙という愛人がいた。
美沙と接する洋子の心情人間ドラマ。
思春期の女の子の洋子と大人の様で大人に成り切れてない美沙、
そんなふたりの心の葛藤と変幻など、
軽く明るく暖かく描かれる、
良い映画でした( ^ω^)
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#ライジングフィルムメイカーズプロジェクト
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