劇場公開日 2021年11月3日

「どのベクトルで観たらよいか若干微妙な部分もあるが、基本的には高評価。」劇場版 きのう何食べた? yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0どのベクトルで観たらよいか若干微妙な部分もあるが、基本的には高評価。

2021年11月3日
PCから投稿

今年160本目(合計224本目)。

今日、文化の日はこの映画の公開日で、大阪市ではtohoシネマズ系でしかなく、ほとんど埋まりの状況をなんとか抑えてみました。

この映画ですが、色々な要素があって、どの視点で見るのか難しいかな…とは正直思えます。
タイトルの通り、「料理映画」と観ることも可能だし、ギャグ映画と見ることもできるし(実際、笑い声は絶えなかった)、あるいは、主人公の1人が弁護士の方なので、その方が受け持っている刑事事件に関すること、と見ることもできるし、あるいは、もちろん、「同性カップルの受容・考え方」という視点もあるでしょうし、いずれのみかたも可能です。
それらをこの時間帯に入れて、全部が等分して登場するので、どの軸で見るのかを決めないと、大混乱しそうな気がします。

とはいえ、おそらくは、「料理映画」と見るか、「ギャグ映画」として見るかのどちらかだろうとは思え(主人公の1人が弁護士役という事情もあるので、同性カップルに関する色々な事情に関しても、憲法等を踏まえても妥当な描写がされています)、そのどちらかで見るのが妥当だと思います。そうするとどちらの軸でみても「関係のない描写」は色々出ますが(上記通り、ほぼ均等に出るため)、そこはもう無視するしかないのだと思います。色々、人権問題になりやすい同性カップルの議論など含むと、とてもではないですが収まりきりませんし、それまで考慮して視聴すると、本当に「軸が不明」になってしまうからです。

 個人的には「料理映画とギャグ映画を足して2で割った」感じで観ました。他の部分(同性カップルの在り方、弁護士としての活動に関してなど)は「それらのおまけ」として見ました(同性カップルの在り方、という見方ももちろん可能。それを否定するのではなく、どの軸で見るか決めないと、本映画はタイトルからも混乱を招きます)。

採点は下記を考慮はしましたが、満点にしています。

----------
(減点0.2) 主人公の1人は弁護士役です。この方はとある刑事事件の弁護士としても登場します。その刑事事件は第一審(地裁/裁判員制度)まで描かれます。
ただ、どこまで考慮するかは微妙にせよ、やや量刑相場を逸脱しているかな(さらに、その加害者の「属性」を考慮したとき、そのような判決が妥当かどうかという議論)という点は強く思いました。この点に関してはフォローがなく(第二審以降の話は一切出てこない)、この観点で見ると、裁判員制度自体は「だれしも関わりうるもの」であり(司法書士以上の資格を持っていると、なれない。行政書士合格者だと対象にされうる)、その点のフォローがやや抜けていたのは残念でした。
----------

yukispica