「アニメが良いかも知れない」映画 文豪ストレイドッグス BEAST Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメが良いかも知れない
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◉痩身の青年群が駆ける
文学作品のタイトルやイメージを異能=超能力にした着想は、ギャグ的な笑いも含め確かに面白い。前作の「デッド・アップル」のシュール感に惹かれて、今回も観賞。
ベースはヨコハマを舞台にした闇の組織の抗争劇。その中で、命懸けの戦闘に身を晒す文学青年たちは皆、痩せギスの魅力的な存在でした。
◉世界の規模
物語を構成する世界と、物語に直接に関わらない周辺まで含めた大きな世界のバランスで、ファンタジーは出来上がっていると思います。作品によっては周りが描かれず、必要な要素が示されて、筋書きがとっとと進んでいく。
文ストもその範ちゅうのファンタジーで、舞台はポートマフィアと武装探偵社にほぼ限られていて、ヨコハマの街中や他のグループとかは出てこない。
こうした作品の場合、第一作のデッドアップルみたいなアニメの方が良かったのではないでしょうか。実写はどうしても、回りに目がいったり、現実と見比べてしまう。アニメなら心に覆いみたいなものがかかります。
異能の表現については、「羅生門」の技に幾つもバリエーションがあるのはかなり愉しめたけど、中島敦の虎や泉鏡花の夜叉白雪はいかにもお粗末、芥川の歌舞伎じみたメイクや顔の動きも鬱陶しかった。
別の世界の異能者が、世界の上書きを狙う次回作があって、そのテーマには期待してしまう訳です。やっぱり、前回で激情も鎮静も巧みに表現していた、スタイリッシュなアニメでお願いしたいかなと思いました。
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