ミッドサマー ディレクターズカット版のレビュー・感想・評価
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底知れない不気味さ
ジャンル映画の模倣をメジャー・スタジオがやってはいけない....
なんか、それなりに高評価のような噂だったので、折角だから3時間近いディレクターズカット版の方で観たのですが、長ったらしいしキモチ悪いだけで、内容は先読みが出来ちゃう過去作品の二番煎じなレベルで、正直、何も面白くなかった。
最後をどうするのかだけ気になったので、我慢して観たが、むしろギャグだった方がまだマシって感じ。
最後の笑顔は「ワンス・アポンナ...」のデニーロかい、って?
取り敢えず、余りにも有名なジャンル映画、カルト作「ウィッカーマン」+「悪魔のいけにえ」+「ナチ女収容所モノ(イルザさんのやつ)」などに、ポルノ映画まで盛って、モロモロの過去B級ジャンル映画のごった煮して、ビデオ・オタクが自分でやってみたくて再構築しただけの、いかにも今的“おまとめ”作品(?)ってとこ。
旧作に関して知り得なかったり、映画史を理解しない輩や、(メジャー作以外観なかったような)ゴミ映画をスルーしてた世代にはウケたってことかな??
まあ、単純に言ったら「カルト教団」ネタ的なので、オウムの事件を思い出してゲンナリし、更にイヤな気分にさせられ、後味最悪感です。
それと、ポスターのビジュアルや予告等の範囲内では、このような「ゲテモノ作品」である事を明かしていない(隠している)手法も相当にあざとい。
知らないで観てしまう事でイヤな気分(トラウマ)を味わう人が出る可能性があり問題がある。
本来、ジャンル映画は既に「え〜、こんなの観るのー!?」的にわかっちゃいる状態な心の準備出来た人だけ観るべきで、そうだと知らないで観せて「どうだ、驚いたかー!」みたいなインパクト狙ったゲスな手口はどうかと思う。
スルーしても良い、時間の無駄なおバカ映画に過ぎないかと。
これ観るくらいなら、前述の元ネタ作の旧作観た方が良いよ。
予算的にもスケール的にも、メジャーに太刀打ちできない分、キワモノ的なアイディアで勝負しようという意気込みを感じる、その気概の方を私なら買う。
美しい狂気
心の居場所
面白い!
ネタバレ読んだ後の方が面白い映画
田舎は怖い!この一言につきる
お金や将来の不安、人間関係の問題なんかが多くある現代社会の中でストレスや規則に縛られて、生きているのであるが、田舎では自給自足で自然と共に、のんびりとした時間が流れていて、ストレスなんて感じないという考えから、田舎に移住したりする人は、日本でも海外でもいたりする。
一見、非の打ちどころのない楽園のような場所。確かに都会や現代人の抱えるストレスは感じないかもしれないし、その中では、大した問題ではないと感じていまう。しかし、村のしきたりや風習は、私たちの想像を超えたものであるが、一般的視点と村人たちの視点は違い、それを恐ろしいこと、異質であることとは思っていない。村のことしかしらない人が都会に来て恐怖体験をするという逆パターンもあるが、このパターンはコメディになることが多い。
今作のコンセプト自体は、昔からある古典的な王道ホラーだと言える。若者たちが訪れた場所が実はヤバい所だったというのは、『悪魔のいけにえ』『食人続』『サイレン』『犬鳴村』などなど…各国のホラーでよくある設定だ。
今回、何が恐ろしいかというと、殺人鬼がいたりするわけではなく、村の風習に知らないうちに参加させられてしまうという、悪意のない恐怖が連発するということ。それは村人にとっては、普通のことであため、何をされても、その村内では、人格的に異常者ではないのだ。
私たちの常識は、国が違えば通用しないことなんて、よくあるし、また他国の中でも限られた場所の村となったら、想像しきれない風習があってもおかしいことでも何でもないのだ。世界のおかしな風習を疑似体験するという点では、ヤコペッティにも通じている作品だと思う。
アリ・アスターのド変態的世界観であるから、更に次に何が起こるかわからないという、恐怖なのか緊張感なのか、実はワクワク感なのか…なんだかわからない期待を自分自身がしてしまっていることに映画を観ていれば気づくだろう。
アリ・アスターという監督は、インテリのような人だが、実はそういう人こそド変態だったりするという象徴のような人物像である。
映画制作という点でも、いくらスウェーデンがかつて行っていたといわれるものを題材としているといても、基本的には完全オリジナルな民族の風習を描いているため、自由度が高いことからも、「とにかくお花を散りばめてみたら…」とか「飲み物に何かよくわからない草でも入れてみたら…」と楽しさが伝わってくるのだ。
今作を体感するという意味でも、ネタバレしないで観た方が絶対いいと思う。次に何が起こるかを知りたいという欲求をもったまま観た方が今作は楽しめるに違いない。
ヒロインのダニーは、両親と妹の死で日々、不安感に襲われ取り乱すこともある。気分を変えるべく訪れた村でも不安感は増すばかり…しかし、異質である儀式や風習がダニーにとっては、今までの負の連鎖が浄化されている様にも感じられる。結果的に何か嫌なこっとがあったら田舎や自然あふれる場所に行こう!という考え方は、今作のダニーにとっては正解だったのかもしれない。
負の連鎖が浄化されたダニーの表情は、純粋そのものと思えるほどフローレンス・ピューが幼く感じられる。あの表情は、なかなか出来るものではないと思う。
なんじゃこれ
ありがちの域を出ない
結論として面白かったのかどうかは分からないが、約3時間のこの映画をまったく飽きずに最後まで見ることが出来たのは良かったとまずは言いたい。
しかしながら私は普段ホラー映画を見ないからか、この映画が何を表現しているものなのかよく分からないまま最後まで見ました。
通常版(?)は見ずにこのディレクターズカット版だけを見ました。
双方の視点を考えればおかしなことは特になく、ストーリーも当たり障りなく、ちょっとグロさがあるかなぁという感じのなんとなく不思議な感じの映画。特に新しさも感じませんでした。
主題が分からない理由としては、グロテスクな怖さを必要としている映画(なのだろうと推測)なのに、演出にそれを効果的にするものが無かったというものがあります。
ミッドサマーというのはこれが夏の出来事ということなのかそれともあのみんなて寝る部屋の事なのか何だか分かりませんが、みんなが半袖を着ているのは夏だからなのだろうと思います。だがそうした季節感もなく(要するに体感する温度の表現がない)臭いも味も表現されていない。
死体の腐敗、死臭、体臭、料理の味や香りなど、あと眠れない事による体調の悪化なども含め体感で感じることをほぼ表現していない。視覚のみの効果を狙っているかのようです。
あの道路、そして集落の入り口を示す標識から向こうはこの世とは違う世界であって感覚もこの世とは違うということなのだろうか。
何なのかよく分からないけれど、とにかくホラー映画とはなにかにつけて中途半端だなと思わざるを得ない。
ただあのホルガの風景というか明るい世界は綺麗で良かったと思う
確実に観る人を選ぶ、明るく(いい意味で)不快なおとぎ話
通常版と比べるとわかりやすさは上
DC版の★5じゃなく作品の★5ね!
サムネイルがラスト直前なのやめない?
ディレクターズカットとオリジナル版が別々になってるようだったので、オリジナル版の感想と同じものを転載します。
なおディレクターズカットをみるくらいならネタバレ気にしないはずなので警告も外してあります。未見の方はここで読むのをやめることをおすすめします。
ミッドサマーの評判の良さは、単に民俗学的な知識(いや知識ですらない。単に聞いたことあるかどうか)がない人たちの間でワーワー盛り上がってるだけのようだ。
5ちゃんの感想みてると頭クラクラしてくる。
共同体に外部から人が招かれて歓待される、民俗学でいうところのまれびと信仰、およびまれびと殺しについての映画。
5ちゃんに感想、疑問として「なんでよそ者が女王になるんだ?」などと書かれている。なるほどこういう人たちが見て面白がってるのね。
民俗学的にはむしろ逆です。
女王という地位は妬みを生む。共同体の中での争いや対立をなくすためには外部の人間こそふさわしい。女王はまれびとたるヒロインでなければならない。生贄みたいなもんです。
「外部から来た人に統治できるはずない」だろって?
そもそも統治させません。祀るだけです。用が無くなったら殺します。祭りの期間が終わるか、子どもを産ませるか、共同体にとって利用価値がなくなったら、それこそ生贄かなんかにして。
民俗学知らなくてもこのことを推測させる描写があります(当方ディレクターズカット版のみ鑑賞)。
若者が泊まる宿舎に歴代の女王の写真が飾られてます。あれ何枚ありましたか。パッと見で10以上はあったとおもいます。
写真が発明されたのはせいぜい150年前かそこらです。
あの村では72年で死ぬことが決まってるとして、女王はかなり早いサイクルで交代させられてることになりませんか。
仮に夏の時期の18〜36歳の間の18年間だとしても、18年×10人でも180年。写真や肖像画が多すぎる。
そもそもいつ、どういう基準で女王を降ろされるのか、直前の女王の姿を誰か見ましたか?
またいつから女王の写真や肖像画を飾りだしたのか。何の根拠も示されない。
90年に一度の祀りであるとか、村の側から提供される情報は基本的に疑ってかかるべき。
ちなみに村の女と彼氏がセックスさせられるのも「客人婚」といって民俗学でも珍しくないならわしです。血が濃くなることを避けるために旅人の子を産み、村の子として育てます。父親はいりません。
これは映画の方にはありませんが、昔の祭りで夜になると顔を隠してセックスしてわざと普段のパートナーとは違う人と交わったり、となり村の女をさらって嫁にするなど色々な方法でそれがなされていました。
古代の村落や原始宗教の価値観をいまの目でみると残酷なものであるという点はそのとおりだなとおもいますが、わざわざこの映画で確認する必要は自分にはないので。
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