「ジャンル映画の模倣をメジャー・スタジオがやってはいけない....」ミッドサマー ディレクターズカット版 アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5ジャンル映画の模倣をメジャー・スタジオがやってはいけない....

2020年7月23日
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なんか、それなりに高評価のような噂だったので、折角だから3時間近いディレクターズカット版の方で観たのですが、長ったらしいしキモチ悪いだけで、内容は先読みが出来ちゃう過去作品の二番煎じなレベルで、正直、何も面白くなかった。

最後をどうするのかだけ気になったので、我慢して観たが、むしろギャグだった方がまだマシって感じ。
最後の笑顔は「ワンス・アポンナ...」のデニーロかい、って?

取り敢えず、余りにも有名なジャンル映画、カルト作「ウィッカーマン」+「悪魔のいけにえ」+「ナチ女収容所モノ(イルザさんのやつ)」などに、ポルノ映画まで盛って、モロモロの過去B級ジャンル映画のごった煮して、ビデオ・オタクが自分でやってみたくて再構築しただけの、いかにも今的“おまとめ”作品(?)ってとこ。

旧作に関して知り得なかったり、映画史を理解しない輩や、(メジャー作以外観なかったような)ゴミ映画をスルーしてた世代にはウケたってことかな??

まあ、単純に言ったら「カルト教団」ネタ的なので、オウムの事件を思い出してゲンナリし、更にイヤな気分にさせられ、後味最悪感です。

それと、ポスターのビジュアルや予告等の範囲内では、このような「ゲテモノ作品」である事を明かしていない(隠している)手法も相当にあざとい。
知らないで観てしまう事でイヤな気分(トラウマ)を味わう人が出る可能性があり問題がある。

本来、ジャンル映画は既に「え〜、こんなの観るのー!?」的にわかっちゃいる状態な心の準備出来た人だけ観るべきで、そうだと知らないで観せて「どうだ、驚いたかー!」みたいなインパクト狙ったゲスな手口はどうかと思う。

スルーしても良い、時間の無駄なおバカ映画に過ぎないかと。
これ観るくらいなら、前述の元ネタ作の旧作観た方が良いよ。
予算的にもスケール的にも、メジャーに太刀打ちできない分、キワモノ的なアイディアで勝負しようという意気込みを感じる、その気概の方を私なら買う。

アンディ・ロビンソン