劇場公開日 2020年8月21日

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「過去と現在をリンクさせてるのも良かった」きっと、またあえる つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 過去と現在をリンクさせてるのも良かった

2025年11月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

アクの強いキャラクター、笑い、熱さ、そして感動と、ちょうどタイトルもわざと似せているであろう「きっと、うまくいく」と同じような感覚の作品。
エンドロール中以外のダンスシーンがカットされているみたいで、そこはちょっと残念。3時間超えでかまわないから全部見たかった。
むしろインド映画はダンスシーンも含めて楽しみにしているので本当残して欲しい。

他の作品のレビューで、先が読めてつまらなかったというのを見かける。
極端な話、本当に先が読めない作品なんて100本に1本もないのだからその意見には賛同しかねるが、逆に本作ほどラストが確実に決まっている作品も珍しい。見始めの時はまだしも、競技会の話が出た頃にはこのエンディング以外あり得なくなる。

分かりきったエンディングで、驚きも気付きもなく、そんなに深いメッセージでもないにもかかわらず、なんか感動しちまったとなるのはいくつか理由があると思う。

まずは単純にストーリーの盛り上げ方が上手かったというのはあるだろう。
失敗や成功、トラブル、魅力的なキャラクターを上手に動かして盛り上げた。

そして、過去の出来事を話して聞かせるという形をとっているが、要は青春ストーリーなのだ。それも邦画でよくある部活頑張る系の青春映画だ。
多くの日本人は学生時代に部活なり文化祭なり、学校によっては音楽祭や芸術祭なんかもあっただろう。それらを「頑張った」経験があると思う。
そんな熱さとか懐かしさがダイレクトに刺さってくるんだと思うんだよね。
それが作品内ではアニの息子という受け取り手がいることで、自分の中だけじゃない、言葉だけじゃない、形として実っている感じが良いんだよ。

同じ釜の飯を食うなんて言葉がありますが、同じ負け犬だった、同じ頑張った仲間がアニの息子のために集まるのもまた良いんだよね。
意味がないかもと思われる過去話を聞かせることは彼らにとって今また仲間と共に「頑張る」行為なのかもなと思った。

あとは余計な話で。
エンドロール中に現在と過去のキャラクターが同時に踊るが、合成が自然すぎて、すごくよく似ている別人が演じているのかと思った。インドならそれもあり得る?

つとみ
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