空白のレビュー・感想・評価
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演技力で入り込めた。
新田新太演じる古典的な頑固親父、スーパーの店長役の松坂桃李とその周りにいる人たちに起きたお話。
題材が気になったので見にいきました。
まず良かった点と悪かった点を。
良かった点
とりあえず役者さん達の演技力は抜群に良かった。モンスター親父、気弱な店長、パートのキモいオバハン、後悔している先生、引いてしまった女性etc演技がとにかく素晴らしかったです。嫌がらせ行為など現実であるような描写が良かったです。
誰もが被害者になり加害者にもなる。と言うようなメッセージが込められているような気が個人的にはしました。
悪かった点
映画の短い時間の中で親父と店長以外の人たちにもフォーカスを微妙に向けてあるせいで、中途半端なことになっている。おばはんとか船員の気持ちとかいるかな?と思いました。親父が店長を追い詰める、まじで全く同じ手口とセリフの繰り返しでした。
マスコミの報道がめちゃくちゃ。これが一番おかしい。作者のメディア嫌いが込められてるのかなんなのか、偏向報道が過ぎてました。そして特にそのことには触れずに話も進んでしまうありさま。
痴漢の話とかも出てきたけど、下心があったんだろ!くらいしか触れない。そこには親父怒らないんかい…
不意に出る良いセリフなどはあって、要所要所良かった部分もありますが個人的には微妙です。
まずワイドショーは観てはいけない
スターサンズがまた社会派と聞いて、こりゃまた名作の予感と思い、早速見に行った。
今回は娘を失った、異常なほどに気が短く洗いおじさんがいかにその怒りをぶつけ、そして変わっていくか、が描かれていた。
冒頭のシーンがリアルで一気に心をつかまれたので、ストーリー的にもかなりの結末が待っているのでは、と思ったが、思ったほど後半伸びしろがなく終わった感じ。
勝手に期待した私が悪いが、なんかふわっと終わった感じがした。
あの添田というおじさんは本当に沸点が低く、正直見るに堪えない。
逆にスーパーアオヤギの店長は不器用で優しくて、一番かわいそうと思ってしまうが、やはり世辺りは下手。
いちばん胸が苦しいのは故意に轢いたわけではない加害者側になってしまった娘さんの母。片岡礼子さんが見事に演じていた。
しかし、あの添田というおっさんはあの片岡礼子さん演じる母のあの葬儀での一言で変わるのか、はなはだ疑問である。多分時間が経てばまた戻るのかもしれない。
絵が好きだったり、と意外な一面はあるものの、あの他人に対する常に八つ当たり気質は、私にとってはとても脅威で、ちょっと同情するには値しなかった。あのモンスターを演じた古田新太さんは凄い。
この作品、主要キャスト、みんな何かしらに行き詰って途中で他人に怒ったり怒鳴ったりのシーンがあるが、優しい人ほど怒りから覚めるのが早い、という事も描かれている。松坂桃李さん演じる店長はまさにそう。結局、優しさや怒りのバランスなのかな、と思ってしまう。しかしそれも環境や状況によって少しずつ変わるものかもしれない(一気には変わらないと添田のおっさんで示している)。
ただ、あのワイドショー。あれはやはり害悪である。もう結局この映画、ワイドショーの害悪さを語りたいのでは、と思った。これは昨今の日本における一番の社会問題でもあると思う。
コロナ禍になって如実に浮き彫りになっている。偏向報道。悪者を常に作りたがる報道。そして、あのワイプでしかめっ面をしてまっとうな人間を演じて見せるどこかの専門家だの評論家だの。
もちろん、一人一人が悪だとは思わないが、自分ならそれに加担していると思ったらあんな仕事やりたくない。
そして「私テレビなんか見ない」と言いながらネットのニュースに誰かを中傷している傍観者。結局はそのニュースの根源はワイドショーであることが多い。
もうこの映画を観たらワイドショーなんか観るのやめてほしい。百害あって一利なし、とまで言わんでも90害くらいで占められているのがワイドショー。最近は番組内容を見るだけでも吐き気がする。
後半はワイドショーへの怒りが出てしまったが、これも私の誰かを悪者にしたいという悪い部分が出たのかもしれない。もう何が正しいのかわからない。でもワイドショーは観ない方がいい。
空白の意味
空白って結局何だったのかなと考えてみたけど、多分花音が亡くなってから、充が娘のことを調べていく中で、娘のことを全然わかっていなかったことを知り、皮肉にも亡くなった後に娘のことを知っていく中で、その空白を埋めていく物語だったのかなと思った。
最後のいるか雲は親子の見えない絆がというか、繋がりが見えてよかった。
事故はリアルすぎてちょっとトラウマになるレベルでかなり注意が必要。
バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ
古田新太と寺島しのぶのバトルが勃発した瞬間、何かが頭を駆け抜けた。人間の間抜けさや哀しさが苦笑いを誘わずにはいられない。ハイペースで傑作をものにする吉田監督に今後も注目です。
ドサクサに紛れてkiss
これが1番の人間の恐怖でしたわ。なんで突然笑笑
今作は古田新太の演技がすさまじい、とにかく似合うんです、鬼気迫る役柄。
他の役者さんもとにかくキャストがピッタリの配役でして皆がいい演技で心が揺さぶられました。
今作はとにかく運が悪い、あんなお父さんがいてママも離婚してれば娘は萎縮する。
そこに万引きからの事故。
そんな店長やる気ない役どころなのにあんな追いかけるか?
マスコミの汚さもよく表現されていた。
事故を起こしてしまった、女の人、悲劇だよね、悲劇は悲劇を生む。スーパーの店長も精神的に追い込まれる。
トラックの運ちゃんはどうした?捕まってるのか?
どう考えても前で事故があったならもう少し止まれたような。
そこはお縄ちょうだいと認識しましたが。
かなり重い話でしたが、絵のシーンとか時折はさむ笑いが面白かった。
古田新太の頑固さは強烈でしたがしだいに少しだけ変化していく様はよかったです。
ホストやるとか言ってた下っぱの兄ちゃんがわりと人としてしっかりしてるのもよかった。
ラストシーンはじーんときました。
個人的には事故をした娘さんの母親にぐっときました。
名演技に引っ張られる…けど…
皆さん演技が素晴らしく良かった ホント演技で一気に観客を感情移入させる
怒り、悲しみ、やるせなさ、気付き、落ち着き…
泣けるような作品ではなかったけどまさにありそうなヒューマンドラマに入り込んだ感じで満足度は高かった
けど報道の様子が盛り気味だったり何より主人公が元々気性が荒くて結構クズ(思い込みが強く弱みを見せない)で全く自分と正反対なんで入りのリアリティが低くて序盤は冷めちゃってた…
まあでも終盤にかけて上がってきて満足できたし良し!
イルカ雲
恐ろしかった。
哀しくもあった。
怒りすら沸いた。
次第に人の温もりを感じていった。
そして最後は感動した。
あらゆる感情が揺さぶられた。
事の発端は小さな事故。
が、当事者たちにとっては大きな事件…。
漁港のある町。
漁師の充は口が悪く、荒々しい性格。
中学生の娘・花音と2人暮らしだが、無関心。ある夜、娘から何か話事があったにも関わらず、聞いてやる事も無く。
そんな娘が突然、死んだ。
スーパーで万引きの疑いを掛けられ、追い掛けて来たスーパーの店長・青柳から逃げようとした所を車とトラックに轢かれて…。(これは酷すぎる…)
若い命はここで終わったが、物語はここから始まる…。
娘を失った父。
責任に押し潰されるスーパー店長。
庇うパートおばさん。
充の元妻。
最初に花音を轢いた若い女性。
花音の通う中学校、担任。
マスコミ…。
その文字の如く、波紋が拡がっていく…。
渦中に居るのは言うまでもなく、充。
本来ならば、悲劇の父。ぐちゃぐちゃになった娘の遺体と対面した時の嗚咽など、嘘偽りの無い感情だろう。
が、前述の通り充は気性が荒い。ずっと無関心だった娘の近辺を調べ始める。学校でいじめはなかったか。
とりわけ矛先が向けられたのは、スーパーと店長の青柳自身。
本当に娘は万引きしたのか。青柳の対応に否はなかったのか。
徹底的に、徹底的に!
娘を失った父親の悲しみや怒りは分かる。(でも、こんな事を充の前で言ったら激怒されるから要注意!)
しかしこれは、生前無関心だった娘への罪滅ぼしになるのだろうか…?
ただ自分のやり場の無い苛立ちを当たり散らしているにしか思えなかった。
その行為はどんどんエスカレートしていく。
学校へは半ば脅し。
スーパーには営業妨害。
青柳本人には嫌がらせ、ストーカー的な行為。
さらにはすぐカッとなる性格が災いして、“暴力行為”とマスコミに報じられてしまう…。
悲劇の父親から一転、キチ○イ親父。
それでも充の常軌を逸した暴走は止まらない。
充を単なる悲劇の父親ではなく、嫌悪や哀れも抱かせる描き方が秀逸。
人は誰だって、良くも悪くも、様々な顔、複雑な感情がある。
それは他の登場人物にも言える。
青柳。
急死した父親の跡を継いで店長に。
物静かで真面目。好青年。
しかし、それ故に…。
終始おどおどし、相手の目を見て話す事も出来ず、言いたい事もはっきり言えない。
唯一繰り返すのは、ただ一つ。
すいません、すいません、すいません、すいませんでした…。
それがまた充の怒りに油を注ぐ。
嘘か真か、充は青柳のあらぬ噂を掴む。
娘に何をした!本当の事を言え!
小市民…いや、小心者の青柳。精神的に追い詰められていく。
一人の少女を死に至らしめ、責められる立場の青柳。
弱々しい姿は同情的でもある。
その根暗な性格が災いして、無愛想。何考えてるか分からない。
見てて苛々もしてくる。
ある時、遂にブチ切れる。八つ当たりする。そりゃあこんなに追い詰められた時に、特選のり弁が普通ののり弁だったらキレるよ。(でもその後すぐ謝罪)
ある時、胸の内をさらけ出す。何もかも苦しい、と。
よくこういう時、気持ちや心を強く持って、と言うが、誰しも出来る訳ではない。弱い者だって、居るんだよ…。
パートのおばさん、草加部がまさにそう。支える所か、お節介。充とは別の意味で存在が重い。彼女は彼女で青柳に特別な感情を…。
充の元妻、翔子。離婚後も花音とは連絡を取り合い、娘の死を悲しむ。充の暴走を制止しようとするが、彼女は現夫との子を妊娠中で、娘を失ったばかりの充にとって癇に障る。
最初に花音を轢いた若い女性。彼女も責任を重く感じ、充の元へ何度も何度も謝罪に訪れるのだが…。
学校ではおとなしく目立たなかったという。それを努力してないと咎めた担任。しかし今にして思えば、彼女なりに努力していたのでは…? 適切な指導だったのか、行き過ぎた指導だったのか…?
いじめは無かったと報告しても一向に引き下がらない充。困った学校側は青柳に関するある噂を吹聴する。充を学校から追い払う嘘なのは明白。…いや、物言いはっきりしない青柳が隠しているだけなのか? そもそもの始まり、万引きも含め、何が本当で、何が嘘なのか、もはや分からない。
そして、周囲を嗅ぎ回り、ネタの為なら真実を歪めた悪質な報道だってするいつもながらのマス○ミ…。
彼らが見せる怒り哀しみ、罪悪感、喪失、やり過ぎ…埋められぬ“空白”が虚しい。
しかし、皆が魅せる渾身の熱演には心震えた!
個性派だけど、映画やTVドラマでは助演が多く。バラエティーではおっさん…? が、
古田新太、こんなに素晴らしい役者だったとは…!
その演技、その存在感から一瞬足りとも目が離せない。
この夏はワイルドな孤狼の漢を魅せた松坂桃李だが、半年も経たずして180度違う役柄。その役の振り幅に驚かされると同時に、本当に同世代ピカイチの演技派。
寺島しのぶのウザさ、田畑智子の人間臭さ、巧さは言うまでもない。
充の船に乗る若い漁師・龍馬役の藤原季節も良かった。当初はすぐ怒鳴る充を毛嫌い。が、周囲が充を叩き始めると充を理解し擁護する。徐々に交流を深めていく充と龍馬…。あるシーンで龍馬に守られた時の、充の表情が忘れ難い。
そして、片岡礼子。あるワンシーンで鮮烈な印象を残した。
皆が魅せる渾身の熱演、最上級のアンサンブル!
怒りでしかこの悲しみを発散する事が出来なかった充が変わり始めたのは、あの出来事だったと思う。
ある人物が自ら命を絶った。最初に花音を轢いた若い女性であった。
その女性は母親と共に何度も何度も充の元を訪れ謝罪を申し出るが、充は一切無視。充の攻撃の矛先は、青柳。
謝罪すら受け入れて貰えない…これって責任を重く感じている者にとっては辛い事。さらに、その女性は心優しく、繊細で…。
責任、重さ、辛さ、悩み、苦しみ…それら全てに堪え切れず。
葬儀。充が現れる。喧嘩腰。元々の原因はテメェら。
女性の母親(片岡礼子)が対応するのだが、この母親の言葉が充の胸に響いた。
同じ娘を亡くした親として。
それまでは娘に何があったか、娘の死の原因ばかりを探ろうとしていた充。
娘と直に向き合い、無関心だった娘本人を知ろうとする。
そうか、娘は美術の高校に行きたかったのか…。
画を描いてみる。チョー下手だけど。娘の顔…? イルカ雲…?
娘が好きだった少女漫画も読んでみる。よく分かんねぇ。
しかしある時、娘の部屋から見つけてしまう。
娘は本当に…。
俺は娘を信じる余り、間違っていたのか…?
決してただのイイ着地に終わらない。
各々が抱えた空白の先に…
青柳は一連の発端者でもあり被害者。何もかも失った。今すぐは無理かもしれない。でも、彼にも、きっと…。
草加部。確かにお節介。でも、誰かの力になりたい根はイイ人なのだ。そんな彼女も、きっと…。
翔子。娘を失った悲しみは消えない。が、これから産まれてくる新しい生命と共に、彼女にも、きっと…。
いつか皆、救われる日が。きっと…。
そして、充。
翔子に対してぶっきらぼうだった彼が掛けた言葉。
思わぬ場所で青柳と再会。今の彼なりの誠意を伝える。
担任が学校にあった遺品を持ってくる。
それは、娘から父への贈り物と言っていい。
やはり、父娘。同じものを見ていた。
イルカ雲。
空と白。
以前の作風は人を滑稽かつ、愛おしく。
近年は人の本質を抉るように。
本作ではヒリヒリとするような始まりから、まさか感動で終わるとは…!
しかもこれを、2時間弱で収め、オリジナル脚本で。
新作を発表する事に“最高傑作”を更新。
本作は紛れもない。
𠮷田恵輔監督最高傑作!
…だけに留まらない。
『ヤクザと家族』『浜の朝日の嘘つきどもと』『孤狼の血 LEVEL2』『シン・エヴァ』と並び、今年の邦画のBEST級。
今年の邦画は凄いぞ!
(まだ見てない『すばらしき世界』もあるし)
どこを切り取っても重苦し過ぎる・・・
auマンデー『空白』
予告観てたら松坂くん主演だと思ってましたが・・・・
古田さん主演でした^^;;;
まぁ誰も救われない奈落に突き落とされたままの2時間は、月曜日には重すぎました><;
万引きした女子高生が逃走し・・・交通事故で亡くなるわけですが・・・
追いかけた店長の悲劇・・・
亡くなった女子高生の親父の暴走・・・
急に飛び出してきた女子高生を最初にひいてしまった女性の悲劇・・・
マスコミの切り取り報道・・・
それに立ち向かうパートのオバさん・・・
学校や友達の対応もシラっ〜とリアルで。。。
いやぁ、、、何も書く気にならないってのが本音です。
孤狼の血LEVEL2では、主演男優ノミネートされるであろう松坂桃李くんの助演男優賞
古田さんの主演男優賞ノミネート確定かな!?
過失が生む悲劇
コレといった悪意がないのにあまりにも凄惨な事故...
怒りも悲しみも謝罪もどう表したらいいか分からない感じですよね、父の古田新太はモンスター化しましたが、気がおかしくなって当然かも知れません。
店長の松坂桃李の「わからないんです」には理解ができる。
自殺した女性の母親の謝罪はちょっとレベルが高すぎてスゴイとしか言えないかな、正解かもしれないけど私だったら言えないなー
ただこの謝罪から父親古田新太が変わっていくんですよねー
出演者は皆良かったです。
全員印象に残る感じでした。
スーパーの店長松坂桃李出てきた時は
「ももちー!」
と心の中で叫んでました笑
本当絶賛大活躍中ですよね。
寺島しのぶは絶対なんかやってくれるこの人!と思ったら期待通りでしたし笑
漁船のお兄ちゃんもいい味出してました!
始まりは衝撃的ですが、
最後はちゃんとオチがあって感動しました。
予告の印象とだいぶ違う
事故死した女子中学生の父親と事故の原因となったスーパーの店長のお話。予告から受けた印象は悲しみと怒りに狂った父親が店長を追い詰めていくお話で圧倒的強者となった事故被害者側と弱者にされた万引き被害者の逆転現象を描いた社会派な作品なのかな?って感じだった
実際に私もどうにもならない言葉の暴力で追い詰められる覚悟をして観に行ったがこの映画はすごく冷静に観ることができた
予告だと主人公は店長に見えたけど
この映画は事故に関わったために人生が変わってしまった人達を父親の視点で描いたものにみえた
私には救いを描いた映画に思えたけれど消えない罪と苦しみの映画と捉える人もいれば被害者からのパワハラによって人生を狂わされた人の映画と感じた人もいると思う
とても悲しいお話だけどあまり嫌な気分にはならなかった
演者の力量によるものだろうか
なんとも不思議な映画であった
少しはあった嫌な部分
マスゴミの捏造印象操作!店長のインタビュー映像の編集、あれは観ていて怒りを感じました
それとインタビュアーの女!ワザと転んだんじゃないの?(ぷんすか)
余計な一言
予告では娘を失った父親はモンスターに…とありましたが
1番のモンスターは草下部さんだなぁと思いました
二言目
トラックの追撃はいらなかったんじゃないかなぁ
焼き鳥弁当といるか雲
辛いシーンが多くて心が痛くなる前半。
登場人物ひとり一人の想いが伝わってくる。
寺島しのぶの役割も重要だと思う。
最期に主人公の二人に救いがあってよかった。
二人ともホッと肩の荷を下ろしたたラストの演技は素晴らしい。
人の不快な部分を抉り溶かすように導く、圧巻の脚本
グーッと首を締めてくるような序盤に耐えられないと感じていたのだが、ホントに素晴らしく、フッと心が軽くなった。噂通りの良作。
万引き未遂による逃走で事故にあい、娘に興味のなかった父が暴走する。そう聞けば猟奇的でダークな雰囲気を連想する。しかし、実際は倫理観を揺さぶり葛藤する個々のドラマなのである。だから、その中でうごめき回る気味悪さを常に浴びている。その状況に本当に耐えられなく、この映画は何処が良いのか分からなくなりそうだった。
だからといって、じゃあ劇的なモノがあるかと言われるとそれも違う。時間が解決する訳でもなければ、報われる訳でもない。個々が少しずつ向き合っていくだけなのである。しかし、それがいかに難しいかなんて容易に想像が付く。これはその空白と対峙する人たちの物語である。
父親を演じる古田新太は圧巻の一言に付きる。定期的に誰かにキレてるバイト先の商管を思い出すくらい、矢継ぎ早に相手を追い詰めていく様は恐怖そのもの。その中にも不器用なのが滲み出ていて、それがジワーッと広がっていく時に涙が止まらなくなった。松坂桃李の虚無な雰囲気も上手いし、寺島しのぶの気味悪い善人面は初めから耐えられなかった。他の人が言うように藤原季節がいなかったら自分も取り乱すくらい耐えられない映画だったと思う。
最後に思うのは、娘の万引きはやっぱり悪いし、マスコミは相変わらず自己的で面倒。だが、それでも当事者にならないただのニュースでしかない。そんなに他人に興味が無いように。
ひとまず、完走できて良かった。そして、何故かこちらまで救われた気さえしてくる。これからもそれぞれの想いを背負って歩いていく姿を観たくなる。
重たい話、胸が苦しくなりました
見るかどうか迷っていた作品
結果見て良かった!見れて良かった!
登場人物それぞれの気持ちを感じ取れました
最初から最後までまでずーっと頭が重く胸が苦しくなりました
この作品は私的に今年のベスト5に入りますね…たぶん
何度も見返したくなる作品ではありません
一度でもいいから見て欲しいです
あなたの人生に役に立つのでは?
少なくとも私には役立った作品です
気になるなら見てください
とてもきつい
子どもが事故で亡くなる、しかもむごい様子なのは、直視していなくてもきつい。
かのんを最初に車で撥ねた女性のお母さんの、古田新太に対しての態度がすごい。人間の大きさを容赦なく見せつける。
かのんをまるで存在しないかのような印象を抱く同級生が、素直すぎて残酷だ。
担任の先生の顔がかわいい。
古田新太の恫喝や罵声がいちいち決まっている。漁業で癒されそう。
子どもとはちゃんとコミュニケーションを取らないといけないなと思う。
一番の被害者は、、
花音ちゃんを運悪くひいてしまった女性の様に思えた。
それとカレーを溢した女の子、、
どちらも気が弱いという点があるけれど。
一番悪意を感じたのは中学の校長?先生。
根拠のない話をモンスターお父さんを追い払う為に流布するとか、、教育者の劣化を見た。
虐めはああやって隠蔽されるのかと。
最後の方、自殺してしまった女性のお母さんが咽び泣いて、詫びた所から、充さんの態度が変わっていった。
そこから、悪意ばかり感じて見るのが辛かったが、
善意やわかり合いが見えて来た。
彼女はスケープゴードのようで本当に気の毒に感じた。
松坂桃李をただ観に行っただけでしたが予想以上でした。
レビューを私なんかが書くのは軽くなりますが…
エンターテイメントな映画ではないですが重く、暗い映画なんですが凄くいい映画です。
娘や周囲と上手く付き合えない古田新太。万引きに悩む気の弱いスーパーの店長の松坂桃李。この二人だけではなく周囲の役者さんもすこく丁寧に演じていて凄く引き込まれた。
特に片岡礼子さんには圧巻の演技で泣かされました。罵倒するかと思われたが詫び、それでも娘を思う母親で存在感を残したと思います。
前半の暗く重く恐怖でしかない空気を娘の事何一つわかってなかった父が娘と同じ景色をみていたイルカ雲の絵がこれからの光に思えよかったです。
添田の絵は唯一のほっこり。
私の空白の受け取り方。
重かった。ひとつの死をきっかけに関わった人々の日常が壊れてゆく。失って初めて娘と向き合うことになる父の充。なぜ娘は命を奪われたのか。あらぬ妄想を膨らませ行動がエスカレートしてゆく。しかしこの世の中に目も当てられぬ無惨な姿になった我が子を前に正気を保てる親なんていないだろう。何かしていなければ狂ってしまいそうな日々の中で娘の幻影を追い続ける。
一方スーパーの店長直人。気弱で自己主張が苦手。自称頼られる存在の古参パート従業員に振り回されている。その上事故をきっかけに充やマスコミ、そして世間から容赦なく責め立てられる。何度額を地面に擦り付ければこの後悔や罪を受け入れてもらえるのか。行き場のないストレスに今にも押し潰されてしまいそうだ。
古田新太と松坂桃李の息の詰まるような対峙に胸打たれます。そして少ない出番ながらも片岡礼子さんが圧巻でした。結局みんなどうしていいのか分からなかった。痛みや憤り、苦しみや怒りを誰にぶつければいいのか。
大切な人を失っても過ぎてゆく時間の中でそれぞれが新しい物を手に入れたり、些細なことに救われたりしながら、きっとそうやってこれからも生きてゆく。悲しいけれどいいラストでした。
最後にこの「空白」というタイトルの奥深さ。観る人によって全く受け取り方が違うと思う。さしずめ私はあの日手を掴んでから走り出すまでの時間だと受け取った。その空白に何があったのか。充が最後まで疑念が残ると言った直人のある疑惑。真偽は定かではないものの良からぬ過去の噂。実のところ私も充と同じ不安を拭い去れないでいる。
これは、、、
1時間40分の映画に心理描写が詰まった映画です。
出演シーンが僅かでも脳内補完し、こんな感情だろうと推察できるつくりになってます。
結局、こういう被害に遭うとお金で解決とかではなく、長い時間と自分との向き合いが大切になる。自分も似たような境遇にあったので、観ていてつらいところがありました。
マスコミの描写もあんなところかと思います。
切り取り報道の醜さをしっかり描いていて、原監督の河童のクゥと夏休みを思い出しました。
出演者の皆さんがどんよりと輝いている映画でした。
全414件中、221~240件目を表示