空白のレビュー・感想・評価
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彼らを叱りつけたくなった僕もあなたも同類だ。
一人の命をきっかけに、登場人物みな、狂ったように正義を押し付ける。
何かを求め感情で動きまわるが、何一つ得られないどころか、信頼を、店を、大切な誰かを失ってしまう。。
古田新太も最後は良いおじさんになったように見えるが、きっかけは死人が出てからだというのは忘れてはいけない(脱線ですが日本の不祥事ってこんなのばっかりですよね)。
娘の交通事故は巡り巡って自分のせいでもあると、こてんぱんにやられて初めて気づくのである。
日常で、何かを言いたくてしょうがない人は世の中たくさんいるけど、自分に返ってきて初めて、愚かさに気づくのだろう。
僕らは決してこの映画をバカにすることはできない。
しかし、ここまでグロテスクな末路の反面、映画館を出ると妙に気持ちがすっきりしているのはばぜだろう。
最終部の、苦しみは時が解決する、真面目にやっていれば良いところを見てくれる人はいる、そんなありきたりな主張がとても心地良く、救われた。
死にたいほど辛くても、一抹の希望は必ず現れ、また立ち上がれる。ものすごく婉曲だが、そんなメッセージが伝わってくる映画だった。
ワイドショーの再現ドラマ
本作は、巷間、非常に評価が高いようですが、誠に狡い作品です。
冒頭の漁のシーンからラストまで、終始手持ちカメラで撮られており、映像は常に微妙に揺れ続け、観客を車酔い状態に陥らせます。更に寄せカットの連続、人の顔のアップばかりでカットが割られ、全体を見せる引きカットは殆どないため、アップされた人物の表情と感情のみに視線は引き寄せられざるを得ません。その上、息抜きや気分転換になるBGMが全くないので、映画はドキュメンタリーフィルムのように進行します。
本作で描かれるのは、半径数百メートル圏内での出来事に過ぎず、あまりにも狭域での狭小な事件であり、観衆にとっては、夢のような別世界の話ではなく、ごく身近な風景の中で起きたことです。それゆえに切実でありながら、一方で所詮は他人事ゆえに大いにゴシップ的な興味が煽られることになります。
カメラの視点は、明らかに作中でも頻繁に表れるTVワイドショー目線、即ち世間の野次馬目線、興味本位のみの第三者目線です。いわば、本作は延々107分に亘るワイドショーの再現ドラマといえます。
人は、己とは無関係の、悲惨で凄絶な他人の不幸な出来事や他人同士の揉め事に対して、残念ながら生来持っている下賤でどす黒い好奇心が強烈に、且つ歪に掻き立てられます。
本作は、被写体を古田新太扮する添田充、松坂桃李扮する青柳直人、寺島しのぶ扮する草加部麻子の三人に絞り込み、常に各々の狂気の様をデフォルメして映しており、核となるスジがブレず、従い観客の好奇の眼を集め続け、好奇の心を掴み続けることに見事に成功しました。
ほぼ1時間半の間、観客は息つく間の無いままに異常な忘我と陶酔状態に置かれ、心にずしりと重い充足感を得たのが、本作への高評価になっているのではないかと思います。
尚、映画のキャッチコピーでは、「日本映画史に残る息の止まる感動のラストシーン」とあるのですが、ラスト10分間での明らかな映像の変調、人物の言動の劇的変化は、私には、よく意味が分かりませんでした。
あくまで私見ですが、カメラの動き、寄せカットの多用、身近な狭域世界の深掘り、それらによって醸し出された緊張感等により、テレビで観るには傑作といえますが、そのスケール感、そのシンプル過ぎるカメラワーク等により映画館で観る映画としては、やや疑問を感じるしだいです。
キャスティング
テーマは重いが、ところどころ笑いを入れてくるので吉田恵輔作品は毎回観に行く
キャスティングが絶妙で、片岡礼子ここで使うか〜とか膝をついた(加害者の娘とか、寺島しのぶのボランティアの娘とか)
ブルーハーツの「トレイントレイン」の歌詞で「弱い者たちが夕暮れ〜さらに弱い者を叩く〜🎵」の一節を思いだした
諸悪の根源はお父さんの気質
こういう人いるいるだけど、この映画ではその誰もがそれぞれの個性の度合いが普通を過ぎている感じで、だからこそこのストーリーが出来上がったのだろう。最初からみんなが折り合いをつけられる人なら、ただの交通事故で1人の少女の命が失われた、それだけ。でも行き過ぎた個性のぶつかり合いは関わった人たちの人生を狂わせた。私はずっと、お父さんの激しい気性が諸悪の根源と思って観ていて最後も結局謝らないのかい💦と突っ込んでしまった。もしかして最初に心に折り合いをつけられたのがお父さんとしたらこれも不公平なんじゃないか、とか娘を失い一番辛い人に厳しいことも思ったけど。。。いつ自分に降りかかるかもしれない、或いは巻き込まれるかもしれない災難、これは怖いなと心底思わされたこの映画。重かったけど、強くて柔軟な心を持ちたい、こんなことを考えさせられてこの先の人生の教訓にしたい、見てよかった。
破滅的なことを予感させたが
今、同じような事件があったとして、作品中であるような報道のされ方があるかというと、まずない。リアリティを出すためには、舞台を昭和にする必要があったと思う。
そこはおいておいたとして、父親の暴走は尋常でなく、破滅的なものを予感させた。破滅的な結末から観客が何かを感じる。そんなストーリーを想像していたが、違っていた。
娘を突然失った父親の喪失感というのは想像できる。その父親が、喪失感を埋め合わせるだけの娘の思い出を持ち合わせていないとなると、外に向かって感情を爆発しないと心の均衡を保てないのかもしれない。
添田は、全く知らなかった娘のパーツを一つ一つ拾い上げて理解していく。この作業にようやくたどり着いて、過去との折り合いをつけるスタートラインに立てた。
100%善なる人間も存在しないし、100%悪なる人間も存在しない。相手の中にある善なる部分に希望を持つことが赦すということなのかもしれない。
あの日に見た白い雲
乗用車の女性、そしてそのお母さん。ここ一点に関しては☆5 。それに纏わる、後半導入以降がどうにも雑に感じてしまって少し残念。それでも、そこに辿り着くまでの、重苦しく引っ張り時にサラッとエグ味を混ぜてくる感じは素晴らしかった。特に導入部なんて「孤狼の血 2」を楽しく鑑賞出来た自分ですら、声を漏らして目を背けてしまうえげつなさだった。だからこそ、あの女性に感情移入してしまったのだが。哀し過ぎるよ…。
観て感じて考えて、話し合う。そんな時間にはうってつけの作品でした。
「やきとり弁当」一目見たかったな(笑)
昔バイトしていたスーパーの話を思い出した。
日芸に入学したての頃、その頃校舎が航空公園にあり、付近にアパートを借りて住んでいた。
学生プライスなので和室12畳にガス焚きの小さな風呂がありシャワーなどもなく夏も湯船。
アパートの扉を開くと目の前はお茶畑で、二つ隣の部屋には同じ映画学科在住の小林幸子と同姓同名の子が住んでいて長閑な学生生活を過ごしていた。
そんな長閑な学生生活でバイトしていたのがハニーマートという、この舞台になった様な地元密着型の小さなスーパー。
店長が若干パワハラ気味で、同じパートのお姉さんに少しずつ攻められてる気もして慌てて辞めたのだが、数年後、そのスーパーの店長が刺されたと言うニュースを観たのを思い出した。
僕自身、数奇な人生を送っているが、今回のこの映画、緊急事態宣言で街に人が溢れかえるのを逃げる様に、過去にパワハラで話題になったアップリンクで鑑賞。
物語は淡々と進む。
今まで色々なことを自分で乗り切ってきたために、自分が正義だと疑わない父親。
受け継いだスーパーを惰性で続けつつ、全てがルーティンになり、実は常に綱渡りだったスーパーの店長。
田舎特有のエスカレーター方式で教師になってしまい、自分に対して落ち度はないと思いそれ以上踏み込めない担任。
そして、たまたまそこに居合わせたために引いてしまった女性。
その周りに渦巻く様々な人たち。
善とは、悪とは、正義とは、正解とは。
それぞれの主観が吐き出され、父親も振り上げた拳の落とし所を探すかの様に、目の前にある物を殴り続ける。
店長も殴られて、力尽きやがて倒れる。
救い謎ないのではないかと、物語の中でのもう一つの葬式の場で、古田新太は、凛とした母親とその気持ちで打ち抜かれる。
そこから話の流れは一気に変わり、バラバラになった人々が少しずつ寄り添う様になる。
なんて優しい映画なのだろう。
決定的に、赦しに向けて何かが始まるという描写は無いものの、最後の娘との心の繋がりに気付けた父親の姿でそっと優しく幕を閉じる。
僕は二つ目の葬式から涙が止まらず、食事の時に古田新太が謝罪したシーンから感情を掻き乱され続けていた。
娘の形跡を追う事で、初めて娘の姿を垣間見て、彼もそれを認めたく無いとは思いつつも、やがて事実を受け入れ始める。
Netflixで「息子のしたこと」という海外の映画があり、そちらは父親がそのまま暴走して、加害者側を殺した上に、事実を隠蔽して終わる。
あの後味の悪さを一度経験していただけに、今作の優しさに救われた。
同時に、少し前の、池袋のひき逃げ事故の事も思い出した。
様々な感情が揺さぶられ、古田新太の芝居に酔いしれる良い映画だった。
P.s. 数年前に新馬場の仕事で道端でキャップに缶バッチじゃらじゃらで邪魔なオッサンとすれ違い思わず舌打ちしたら古田新太でした。その節は申し上げございません。
それぞれの苦しみ、からの…
物語の肝となる部分が映らないので、本当は何が起きていたのかは分からず
登場人物たちの言動や雰囲気から、どんな印象を持ち、誰に何を感じるかで
観た人それぞれ捉え方が違うだろう、と。
物語も“そうなりかねない、そうなるよね”という絶妙な展開で
冷めたり飽きることなく、最後は少し救われる部分もあり、
とても濃密な作品でした。
もの凄ーく個人的な好みなんですが、藤原季節さんのたばこ吸う姿って
なんか味があってすきなんですよね〜…🚬
松坂桃李は結局やったのか?やってないのか?
最後まで古田新太が「モヤが晴れない」と言っていたところでハッとしたが、松坂桃李が添田の娘を事務所に連れていってそこでなにしてたか、これだけはわからない。
そう思うと学校長が言ってた「3年前に痴漢した」ってこれも本当なのかもしれない。(さすがに学校の責任逃れのための嘘としか思えないのだがもしかしたら?)
もし松坂桃李がほんとに添田の娘に痴漢まがいのことをしていたとしたら、それでいて松坂桃李が震えて謝りどうしたらいいかわからないって死のうとするなら?
そう考えて頭の中で映画を観返すとまた全然違う観方ができておもしろいなと思う。
まあそう疑いたくなるのは、わからないものを疑い続けるのは当然ながら、特にそのわいせつ行為とかそう言った可能性を最後まで捨てきれないのは、そういうのが父親心なのだと思うけれど。
「空白」ってなんのことか、考えるに父親の古田新太が事故について整理し冷静になってある種向き合うようになるまでに必要だった時間のことだと思うが、
松坂桃李と添田の娘が過ごした事務所での時間、これも「空白」なのではないかと…
と観た後思いましたが、上映中はダバ泣きでした。
松坂桃李はスーパーの店長向いてなかっただけだと思う。弁当屋として成功してほしい。
優しい映画
序盤の衝撃的展開から、その後はじわじわとマスコミだったりおせっかいだったり人間の嫌な部分を見せていくスタイルは実に近年の日本映画的とも言えると思う。
しかしその一連を無理なく少しの緊張感を持続させる監督の手腕はさすが!
終盤、運転者女性の死によって物語が一変、とはいかないが心境的には変化が訪れる。
そこからは自分と世間、お互いの思いを少しずつ変えるだけでこんなに見え方が違うんだと、いわば花音ちゃんと同じような子に対してのアンサーというかエールのようにも感じることができた。
YouTuberが絶賛していたのを何個か見て変な期待をして行ったから肩透かし感はあったけど
振り返ると、たしかにいい映画だったと思う。
そこまでハードルを上げて見るものではないな。笑
しかし寺島しのぶにキスさせる必要あったのかなとふと思う。笑
父親の成長物語
思春期の子供との付き合い方って本当に難しい。
何かが起きた時に自分にも悪いところがあったと省みる事ができるのか、全て周りのせいだと思うのか…。
生きている間に目を見て、向き合わなければ…亡くなってからでは遅い。もう会えないのだから。
テーマがハッキリしていて凄い
傑作と言って良いのではないだろうか?テーマが良い。「怒り」からは負の連鎖しか産まない。しかし人間は怒る事をしないと「怒り」がいかに無意味なのか分からないって話だと思った。
スーパーの店長にも父親にも感情移入出来て素晴らしい作品。
元妻の言葉や事故を起こし自殺した娘の母親の考え方が出来れば、争いなと起こらない。出来ないから生きにくいのだと思う。度を越す偽善者として描かれている寺島しのぶの役もこの映画には欠かせない。
戦争、争いがなくならないのは人間として仕方がない。しかし少しでも愚かな事と気づくには時間がかかるかもしれないがいつかは気付ける。
なぜ国際映画祭に出さなかったのが悔やまれます。
冒頭のぐらぐら揺れる全景シーンのとおり
全編に渡って観客の視点を落ち着かせてくれません。
吉田監督の巧さに脱帽です。
副題である”intolerance”、つまり「不寛容」をテーマとして見事に昇華してくれました。
マスコミと男性教師2人、ネットの中傷者(どれも多少デフォルメ過剰なきらいはありますが…)を除いて、どの人物に対しても一方的な肩入れやヘイトを生じさせないような巧みな視点誘導。
言ってみれば全員が被害者でも加害者でもあると。
加えて、起きてしまった結果やそれぞれが失ったものは取り返しのつかないわけです。それを容赦なく描くので、鬱展開の連続です。
寺島しのぶさん演じるパートのおばちゃんが象徴的ですが、登場人物全員が会話不能、一方的な主張の押し付け、言ってみればコミュ障です。
それを他者との関わりを通じて、世界を開き、ほんの僅かではありますが光明が見えてくるようなラスト回りは、悔しいかな完璧です。
事件の真相を敢えてぼやかした点。これは、まさに大英断ですね。
本作では「正しさ」の押し付けや、マスコミ等に象徴される無責任な糾弾を、ネガティブに描いているわけですから、神様視点での「真実」を描写することはテーマの矮小化そのものとなるわけです。
これは「不寛容」を描く作品なので。これで良いんです。
また、俳優さん達も本当に素晴らしいです。
演者の力量が少しでも足りなければ、バランスが崩壊しかねないところ、すなわち微妙なバランスのうえに成立しているような作品とも言えますが、それを古田さん、松坂さん、寺島さんを中心とした達者な俳優さん達のおかげでキャラクターの実在感が増しています。
個人的に吉田監督のベスト作品なのは間違いないです。
それどころか今年2021年、邦画ベスト候補作品の筆頭だと思います。
2021年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
鑑賞後、改めて思ったのは、なんだかイソップとかの教訓話のようなストーリーでも聞かされたのかな…みたいな印象…「こんな愚かな人間にはなりなさんな」というような(笑)
古田新太演じる男は、自分本位で、仕事仲間はもちろん家族とすら、まともにコミュニケーションを取ろうとしない。ややというか、かなり暴力的な態度や発言で、分かったような事を偉そうに言って、自分以外を無理矢理ねじ伏せる…そんな男だ。昔堅気なんてものではなく、周りから理解してもらえるような生き方とは程遠い。
そして、そんな生き方をして来てすでに破綻しつつあった彼の人生が、娘の死を前にして崩壊してしまう…遅かれ早かれ、形はどうであれ、いずれこうなったのであろう。
そんな悲しい男が、再生する道を見つけていく物語だ…正直、あまり同情はしたくないが(笑)
しかし、そんな男に巻き込まれて死んで行く人間や、あるいは死んだも同然のような人生を送らされてしまう人間が、この物語にはたくさん出て来る。娘はもちろん、(ある意味)善意ある人々が彼にどんどん巻き込まれていき、あまりに可哀想だったり、その広い心を知って、感動して何度も涙した…ホントに(笑)
ラスト、亡くなった娘の気持ちを少しでも知ろうと、生前やっていた油絵を下手くそながら真似事のように男は始める。そして、たまたま空の雲をイルカに見立てて描くが、娘も同じように描いていた絵を見つけて、彼は少し安堵したような表情を浮かべ映画は終わる…。
でも、それでは遅いのだ。あまりにも遅すぎるのだ。この男は、本当に愚かだ。
さすがにまっったく乗れない。。
クズが出るのが悪いわけではないんです。
ただ、なんでそんなクズを慕い続ける人がいるのか、
そのリアリティのなさが本気でむかつきました。
充と一緒に働いていた藤原はほかの人に充の文句を言っており、それも納得するしかない内容でした。
しかも見捨てられたのに、自分からもう一度雇ってくれって頼みに行くのおかしくないですか??
少なくとも藤原が充と働きたいと思うような充の良さが一つも描かれていないので、
は?としか思えず、パワハラ気質な親父に対する甘やかしな気がしてまったく乗れませんでした。
映画の作り自体はうまいなと思いました。
特に最初の弁当屋で言われるスーパーオアヤギの店長さんですよねと
2回目の元常連さんに言われるスーパーアオヤギの店長さんですよねの落差の部分は特によかったなと思いました。
ただ個人的にはムカつきが勝ってしまったので、この評価です。
古田新太さんの演技に『道』のアンソニー・クインを観た
本映画の主役を演じた古田新太さんの「凄まじさ」に恐怖ならびに畏怖の念を覚えました。こんな「くそ人間」の近くに行きたくないと思わせるのです。粗野で、乱暴で、無教養で、人と話す時はすべて“恫喝”まがいの怒鳴りつけモードです。しかも、タチが悪いことに「自分を持っている」のです。その自分とは社会的に不適合者である性分なのです。本当に関わりたくない人間なのです。古田さんは劇団出身ということで、あらゆる役柄を演じてきたからこそ、達成された「くそ人間」なのでしょう。本映画には現代社会が抱える様々な問題が内包されています。「毒親」「パワハラ」「小児性愛者」「いじめ隠蔽」「マスコミ」など。さらに身近にいる「街角の正義マン」と「ボランティア押し売り人間」です。監督の吉田さん自身の脚本です。ただ、色んな諸問題を詰め込みすぎて、ボヤけてしまっている感も否めません。わたし的には「毒親が招いた悲劇」として、完結して欲しかったです。それにしても、古田新太さんの演技はフェニーニの『道』でザンパノを演じたアンソニー・クインを彷彿させる熱演でした。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
前半と後半
古田新太の双方向に怒りを撒き散らす姿はモンスターみたい
前半の娘を亡くした悲しみの心情のぶつけ方が怖い。
その対比のような後半の娘のことを理解しようと自分に向き合う姿が悲しい
正論を振りかざしてる寺島しのぶもよかった
見終わるとどっと疲れるけど面白かった
演技力で入り込めた。
新田新太演じる古典的な頑固親父、スーパーの店長役の松坂桃李とその周りにいる人たちに起きたお話。
題材が気になったので見にいきました。
まず良かった点と悪かった点を。
良かった点
とりあえず役者さん達の演技力は抜群に良かった。モンスター親父、気弱な店長、パートのキモいオバハン、後悔している先生、引いてしまった女性etc演技がとにかく素晴らしかったです。嫌がらせ行為など現実であるような描写が良かったです。
誰もが被害者になり加害者にもなる。と言うようなメッセージが込められているような気が個人的にはしました。
悪かった点
映画の短い時間の中で親父と店長以外の人たちにもフォーカスを微妙に向けてあるせいで、中途半端なことになっている。おばはんとか船員の気持ちとかいるかな?と思いました。親父が店長を追い詰める、まじで全く同じ手口とセリフの繰り返しでした。
マスコミの報道がめちゃくちゃ。これが一番おかしい。作者のメディア嫌いが込められてるのかなんなのか、偏向報道が過ぎてました。そして特にそのことには触れずに話も進んでしまうありさま。
痴漢の話とかも出てきたけど、下心があったんだろ!くらいしか触れない。そこには親父怒らないんかい…
不意に出る良いセリフなどはあって、要所要所良かった部分もありますが個人的には微妙です。
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