「負け犬の子は負け犬。」空白 やさんの映画レビュー(感想・評価)
負け犬の子は負け犬。
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父の諦めの悪さ、母の切り替えの早さ。
娘の悲惨な最期は、特になんの手本にもならなかった親二人の悲劇を飾る舞台装置に過ぎない。
お前の為に、という思い上がり、自己愛の押し付けを見事に描写していると思う。
誰かを罰すればこの物語は終わるのか、どこかルーティン化していく様な怒りと謝罪の繰り返しに息が詰まる。
終わることがないなら、自ら終わらせるしかないと思う人間がいても仕方がない。どの時代も「面白がって」人を追い詰め過ぎるのだ。
悪魔か、獣か、罵詈雑言のループの空白を埋めた陽キャの一言に救われるオチ。
その言葉は、作中で初めて、被害者でも加害者でもない、そこに生きる人間に向けられたものだった。
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