「赦す、ということ。」空白 ぷにさんの映画レビュー(感想・評価)
赦す、ということ。
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予告を見た限りだと最後に予想外の展開が期待されるのか?と思いましたが最初から最後まで人間模様がリアルに描かれ、大きなどんでん返し等もなく、ある意味現実的な映画でした。
皆、被害者であり加害者であり主観を変えると本当に様々な見方ができて見応えがありました。
もし自分の大事な人が亡くなった時、主人公まで暴挙に出なくても、やはり真実が知りたいと思い過激な行動に出てしまう気持ちも分かります。
誤って轢いてしまった運転手の方が自殺をするまで追い込まれてしまうことも、きっと他人事では無いと思います。
観た人にこれを伝えたい、という明確なものは見えなかったのですが、むしろそれが観た人それぞれで感じるものがあると思うので、そういう伝え方もあるんだなと思いました。
その人間の立場にならないと分からないことを
映画で深く掘り下げて下さり、色々と考えさせられました。
個人的な意見ですが役者さんの自然体が本当に素晴らしい!
娘役の伊東蒼さんも中学時代の自分そっくりで、こんな子は確かにクラスに1人はいるかもしれないという存在を見事に演じていて、田畑智子さんや藤原季節さんも演技がとても素晴らしかったです!
クセの強い役はオーバーに演じることはできますが、どこにでもいるような人間の演技が1番難しいと思いますし、それをこの作品の方達は皆さん本当に馴染んでいて違和感なく見られました。
こう言った作品は見た後に結構モヤモヤすることが多いのですが、最後の古田新太さんの涙で全てが完結したような、そんな不思議な気持ちになりました。
人を赦す、ということの難しさを教えてもらいました。
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