「心の隙間を埋めるまで」空白 ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
心の隙間を埋めるまで
子供の突然の死。
それは親にとってあまりに受け入れ難い苦痛だ。
だが、この映画は単に被害者や遺族を悼むだけの映画には収まらない。
ここには加害者も被害者もいない。
むしろ関わった人物全てが被害者と言っても良い。
そんな残酷な、だが何処でも起こりうる悲劇と、それにより人生を大きく動かされる人々のドラマが丁寧に描かれている。
誰に感情移入し、何を感じ取るかでこの作品の受け取り方は様々に変わると思う。
この重く苦しい物語の先にはほんの僅かな、だが確かな希望も添えられていた。
決して気持ちのいい映画ではない。
むしろ不快な作品だろう。
でも目を背けずに見た人は必ず、掛け替えのないものを得る事が出来るはずだ。
ヒメアノ〜ル、愛しのアイリーンに次ぐ名作。
素晴らしい作品を手がけた監督、そして迫真の演技を見せたキャスト陣に感謝。
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