「彼らを叱りつけたくなった僕もあなたも同類だ。」空白 永田創さんの映画レビュー(感想・評価)
彼らを叱りつけたくなった僕もあなたも同類だ。
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一人の命をきっかけに、登場人物みな、狂ったように正義を押し付ける。
何かを求め感情で動きまわるが、何一つ得られないどころか、信頼を、店を、大切な誰かを失ってしまう。。
古田新太も最後は良いおじさんになったように見えるが、きっかけは死人が出てからだというのは忘れてはいけない(脱線ですが日本の不祥事ってこんなのばっかりですよね)。
娘の交通事故は巡り巡って自分のせいでもあると、こてんぱんにやられて初めて気づくのである。
日常で、何かを言いたくてしょうがない人は世の中たくさんいるけど、自分に返ってきて初めて、愚かさに気づくのだろう。
僕らは決してこの映画をバカにすることはできない。
しかし、ここまでグロテスクな末路の反面、映画館を出ると妙に気持ちがすっきりしているのはばぜだろう。
最終部の、苦しみは時が解決する、真面目にやっていれば良いところを見てくれる人はいる、そんなありきたりな主張がとても心地良く、救われた。
死にたいほど辛くても、一抹の希望は必ず現れ、また立ち上がれる。ものすごく婉曲だが、そんなメッセージが伝わってくる映画だった。
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