「非常に残念」樹海村 YMDさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に残念
視聴者置いてけぼりの3流スプラッター映画。
【ここがダメ】※以下ネタバレ注意
・説明が足りない
この映画におけるコトリバコの設定が皆無。
何の為に作ったものか、なぜ主人公の母親が持っていたのか、説明不足の為に蛇足に感じられる。
・樹海村の設定が曖昧
作品内での説明は「樹海で死にきれなかった人の行き着く先」とあったが、映画の中で亡くなる人の中に、死ぬ為に樹海に足を踏み入れた人は居なかった。タイトルにもなっている最重要ポイントの割に判っているのは村が作られた経緯のみ、前項とも被るが、村で箱が作られた理由も不明、全体的に村に関する設定が曖昧である。
・グロに頼りすぎ
ホラー映画におけるグロ描写とは、視聴者を怖がらせる、心理的描写を描く腕がない場合に取られる手法。多少の使用は演出上問題ないと思うが、頭からケツまでグロ尽くしというのは如何なものだろうか...
・前作と比べて現実離れが過ぎる
前作の『犬鳴村』での心霊描写は古い着物に身を包んだ幽霊達、正にかつて犬鳴村に居たような出立ちである。それに対して今回の心霊描写は「森の妖精」と「樹海」である。そもそも何故、樹海は意思を持っているかのように動いていたのか、そこの説明すらありませんでしたね。次回作の牛頸村は「ミノタウロス」辺りが出てくるんじゃないでしょうか(笑)
【まとめ】
長々と偉そうに語って申し訳ありません。
いやーしかし、私も期待していただけに非常に残念で仕方がありません。前作の「犬鳴村」ではストーリーの無駄もなく非常に綺麗な作品だと思っています。特に、日本国憲法の看板の件は、映画独自の解釈を持って組み込んでおり、非常に驚いたものです。その清水崇監督の第二弾という事で期待に胸を膨らませた結果がコレでした。次回作ではガチャガチャしていない綺麗なストーリーである事を願います。
ps.そういえば妹ちゃんが寺と箱を燃やした理由って結局糖質なんでしょうか?ここの説明もありませんでしたね。