「透明装置を創作する程の知能者がゲスで困ります」透明人間 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
透明装置を創作する程の知能者がゲスで困ります
死んだと思ったDVな婚約者が、実は透明人間となってストーキングしてくるSFホラー。
屋敷から逃げる静かでスリリングな展開から、突然迫るショック場面の導入部分まで演出は冴えており、その後の静かな侵食と罠にはまる過程もサスペンスフルで、リー・ワネル監督の手腕は見事。
透明人間に貶められて翻弄されるセシリアを演じるエリザベス・モスは、一人格闘や絶望を超えて気丈に立ち向かう女性を巧みに熱好演。「ターミネーター」のサラや「エイリアン2」のリプリーと並ぶ境遇を超えて凛々しく立つ女性の系譜だと思う。
対する透明装置を創作する程の知能持つのにゲスな富豪科学者の人物造形も終盤まで姿を見せないのにも関わらず、その数々の嫌がらせ行為で自尊心が肥大した卑劣漢を匂わせるところも見事。何せ飼い犬に全知全能神のゼウスと名付けるあたりは、大概にしろだと思う。
不気味な透明人間が姿を現すあたりから、絶望・アクション・ピンチ・逆転と展開して手に汗握り楽しめて後味も爽快で、ちゃんとした女性賛美を感じます。必見。
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