「怪獣映画に見せかけた政治風刺?」大怪獣のあとしまつ トダー・オートマタさんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣映画に見せかけた政治風刺?
少し前ネットで話題になった作品で今更ながら配信で観た
全体的にシリアス、コメディ、ロマンスの要素があるが
そのバランスが悪く感じる
最初の怪獣が出てくる警報音は
緊急地震速報に似ているのでビビった
コメディに振り切っているわけでもなく
ロマンス要素は別に作品に必須とも思えないかった
登場人物に過去にいろいろある人が多かったが
その掘り下げも中途半端だった
ダムを爆発させるために出てきたヒロインの兄も過去に何かあったようだが
描写が少ないのでよくわからなかった
ギャグについては唐突にギャグをかますところので
シリアスな場面と齟齬があるところが多い
怪獣映画にみせかけた政治風刺映画に見えた
怪獣を原発や新型コロナなどのメタファーかと思ったがどうなんだろうか?
省庁や大臣の利権やパフォーマンスで怪獣のあとしまつの方法を決められない部分があったり
情報をパニックを抑えるために意図的に隠したり
特務と国防軍の権力争いとかで作戦は失敗続きで
「日本は危機が起きても一枚岩になれない」
という主張が映画の随所にみられた
怪獣の死体をどうにもできずに
作戦が失敗し続けているので、全体的にグダグダな内容が続く
最後の作戦で主人公がいるのにミサイル発射をするのは
いくら人間ではない疑惑があってもヤバいだろ
政治家のなかで全体的に環境大臣のインパクトは強く
「蓮●」と「小池●合子」を足したような人に見えた
環境大臣はキノコが生えていたけど特に問題はなかったのか?
隣国を揶揄している部分は
本気なのか皮肉なのかわかりにくい
怪獣の名前が「希望」になった理由も特になかったという
ラストに主人公が光の巨人になって怪獣の死体を持っていく
怪獣を倒したのも主人公らしいが
これも「日本は危機を自分では乗り越えられない」という政治風刺に思えた
主人公が3年間行方不明だった理由も
人間ではなかったとしても説明不足だった