「単体だと「クソ映画」。作品外も含めると興味深い一作」大怪獣のあとしまつ ろんぐうぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
単体だと「クソ映画」。作品外も含めると興味深い一作
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鑑賞してから数日間、いろいろと考えさせられた。現実の政治的なグダグダを皮肉りつつも、作品自体が絶妙に面白くない。
色々な要素を詰め込みすぎてスベりまくっている様相は、まさに劇中の政府そのものという二重の皮肉。
東宝と松竹、その他多くの関係者から「シン・ゴジラを超えるシリアスギャグコメディを作れ」と言われ、製作陣が板バサミにあう様を、作品内の「特務隊」に重ねたのかも知れない。
劇中では「デウス・エクス・マキナ(いわばご都合主義)」が解決してくれたが、現実ではそうはいかず、世間からバッシングされる「クソ映画」が出来上がってしまった。
「多くの権力者が関わるとロクなことにならない」という風刺を、劇中と作品で二重に世間に投じている。
また、酷評の嵐により逆に話題性が生まれるという点でも、作品を他者の評価で選ぶという、現代人の性質が現れており興味深い。
裁断されたバンクシーの作品が如く、この映画自体と世間の評価が「大怪獣のあとしまつ」という作品を形成しており、後世に語り継がれる映画だろうと言える。
公開初日に観に行かなくてよかった。
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