「せめてウルトラマンを出していれば」大怪獣のあとしまつ kekeさんの映画レビュー(感想・評価)
せめてウルトラマンを出していれば
自分はウルトラマンファンではないので元ネタに詳しくないが、この題材は好きだった。
なぜか分からないけどワクワクした。
そして中身を見たらびっくりするほどくだらなかった。悪い意味で裏切られた。
壮大な料理を作るはずが途中から予算が足りないことに気づき、
ありあわせのネタで何とかごまかしました、とでも言いたげだ。
その結果どうなったか?
海外によくある「外野から笑い声がするドラマ」から、
笑い声だけが無くなったようなものに陥っていた。
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クジラのように、腐敗によって生じるガスで皮膚が破裂することを知っている。
にも関わらず生身で検査に向かい、顔も防護せずに体液を浴びまくって苦しんでいる。
蓮舫議員に似た人物が怪獣の体の上でずっこけて突き刺さり、丸出しパンツを全国放送する。
「陰毛で石鹸を泡立てた方が泡立ちやすい」といった下ネタを連発してくる。
怪獣に謎の菌糸が紛れていて、それに触れるとキノコが生えてくる。
再生数稼ぎの無謀なYoutuberが近づいて全身キノコだらけになる。
股間から別種のキノコが生えており、
「ここだけ種類が違うぞ!?」「こ、これはキノコではありません!」
とまた下ネタを繰り出す。
無駄にキスシーンが多い。
そしてヒロインは主人公と不倫している。
この時点で誰を応援していいか分からなくなる。
クライマックスでもののけ姫ばりに主人公の体からキノコが生えてくるのだが、
このキノコ、大して危険そうに見えないのでやっぱりギャグになる。
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最後にウルトラマンらしき光が現れて、破裂寸前(いや破裂し終わった?)の怪獣を空の彼方に吹き飛ばす。
何だか分からないけど最初からやれよ。というツッコミもどうやらダメらしい。
大怪獣に対して人類がやっていることの「ドラマの無さ」。
つまらない理由がそこに詰まっているように思う。
しかしこの映画を見た後に冷静に考えると、
「現実でもこんなグタグタになる」という予想ができるようになる。
この映画の存在意義を探すならば、
「大怪獣のあとしまつってどんな想像を絶することが待っているんだろう?」
という「勝手な思い込みや主観を打ち砕く」ために存在するのではないか。
実は何のドラマも無いのだ。小競り合い以外には。
続編を醸し出しているが間違いであってほしい。